テーマ:糖尿病

糖尿病内科でできること~検査内容と診断方法~

糖尿病内科に関する基礎知識

弊社の商品開発チームの医師監修
Q. 糖尿病内科ではどのような検査・治療が受けられるのでしょうか?
A. 糖尿病内科では尿検査や血液検査、ブドウ糖経口負荷試験などの結果を基に専門医による適切な治療が受けられます。

この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得している自然療法専門医。
スコッツ先生のプロフィール
https://gluco-help.com/media/lose-weight-diabetes27/

糖尿病とは?

糖尿病とは、血糖値が上昇することで、尿内に糖が現れる病気のことです。血糖値の上昇により、全身の血管や臓器に対し、さまざまな悪影響を与えることになります。

糖尿病には、家系などの遺伝子的要因と、栄養バランスの偏った食事・運動不足・ストレスなどによる生活習慣上の要因があります。

糖尿病は、次の4つに分類されます。

1型糖尿病・・・遺伝以外の要因で、インスリン(血糖値を下げるホルモン)が分泌されなくなることで発症します。このため、インスリンの投与が必要不可欠です。

2型糖尿病・・・日本人の糖尿病患者のほとんどがこちらに当てはまります。家系などの遺伝的要因や、生活習慣などの後天的な要因のいずれも考えられます。インスリンが不足したり、インスリンの効果が弱くなる事で、血糖値が上昇します。

その他の型・・・遺伝子の異常やすい臓・肝臓の病気などが原因で発症します。

妊娠糖尿病・・・女性の妊娠中に発見される糖尿病です。軽度の糖代謝異常のことを指します。よって、妊娠中であっても、中程度以上であれば「糖尿病」といわれます。

糖尿病の症状

糖尿病の初期症状には、以下のようなものがあります。
これに当てはまると、必ず糖尿病と診断されるということではありません。
少しでも気になった場合は、糖尿病の専門医に相談しましょう。

  • 異常にのどが渇く
  • 水を飲む量が増えた
  • 尿量が多い
  • 夜中に何度もトイレに行く
  • 食べているのに体重が減っている
  • 体重が急激に減った
  • 体が疲れやすくなった
  • 皮膚の乾燥・かゆみが増えた
  • 切り傷などの皮膚の傷が治りにくくなった
  • 手足の感覚が低下する
  • 手足に、チクチク指すような痛みがある
  • 感染症にかかることが増えた
  • 目がかすむ
  • 性機能の問題 (ED)

糖尿病内科の検査方法

糖尿病が疑わしい場合、糖尿病の専門医がいる「糖尿病内科」を受診しましょう。
糖尿病内科は、普通の内科に比べて、専門的な検査ができ、検査結果の連絡が早い傾向にあります。

糖尿病内科の検査には、下記の方法があります。

糖尿病の初期検査

・随時血糖検査
あえて時間を決めずに、血糖値を測る検査です。

・早朝空腹時血糖検査
朝から何も食べていない状態で、血糖値を測るものです。

・尿検査
尿中に糖が存在しているかどうか、試験紙を使って検査をします。
「〇」が出れば、糖尿病の疑いがあります。ただし、高齢者や、腎臓に病気がある場合も同じ結果になることがあるので、「〇」が出たとしても、糖尿病であると断定はできません。

・血液検査
採血により、血糖値はもちろん、それ以外の値も検査します。血糖値以外の検査項目として、代表的なものはヘモグロビンA1c(HbA1c)です。

・ブドウ糖経口負荷試験(OGTT)
ブドウ糖入りの飲料を飲んだ後、血糖値を測定します。測定は、2時間後までの計4回程度行われます。飲んだ後の血糖値が高くなり、さらにその値が持続している場合、糖尿病の可能性が高いといえるでしょう。

合併症予防のための検査

・血圧・血清脂質
コレステロールや、中性脂肪の値をチェックします。心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化性疾患は、高血圧や脂質異常症(高脂血症)と合わさることで、発症の危険性が高まります。そのため、血圧や血清脂質のコントロールが重要になります。

・視力検査・眼底検査・視野測定
視力検査・眼底検査・視野測定は、網膜症をチェックするために行われます。眼底検査では、網膜や硝子体において、新生血管(既存の血管から分岐した血管)が発生していないかどうか、出血が起きていないかどうかを確認するため、眼底の血管と網膜を検査します。

糖尿病内科の診断内容

糖尿病内科での検査を終えた後、以下の基準を基に、糖尿病であるかどうかを判断します。

1 朝の空腹時血糖値:126mg/dl以上
2 75gOGTT2時間値:200mg/dl以上
3 随時血糖値:200mg/dl以上
4 HbA1c:6.1%以上

糖尿病には、「正常型」、「境界型」、「糖尿病型」の段階があります。
糖尿病型になった後、一定の基準を満たせば糖尿病と診断されます。

「正常型」・・・1~3のいずれにも該当しない。
または、1~3のいずれかに該当するが、次の2つに当てはまる。
・朝の空腹時血糖値110mg/dl未満
・75gOGTT2時間値:140mg/dl未満

「糖尿病型」・・・1~3のいずれかに該当。

「境界型」・・・正常型、糖尿病型のどちらにも当てはまらない。
生活習慣の改善(バランスのよい食事、適度な運動、ストレス解消など)を行うことで、正常型になる可能性も。

※1~3のいずれか及び4に該当すれば糖尿病と診断されます。

糖尿病の合併症

糖尿病の本当の怖さは、合併症にかかる危険性の高さにあります。三大合併症を知って、予防に努めましょう。

神経障害

高血糖状態が続くと、手足の血行が悪くなり、神経に異常をきたします。最初は足のしびれから始まり、手のしびれや痛み、感覚の鈍さの順に続きます。さらに酷くなると腐敗を起こし、最悪の場合、下肢を切断することになります。

網膜症

高血糖状態により、血行障害が起こり、「眼底」の血管が詰まります。だんだんと視力が低下し、悪化すると失明状態になります。なお、中途失明の原因の第1位が糖尿病といわれています。

腎症

血糖値が高いことにより、腎臓のフィルターを詰まらせてしまう病気です。腎臓内で血液のろ過を適切に行うことができなくなり、悪化すれば人工透析が必要になることもあります。糖尿病による人工透析の患者は、年々増え続けているため、注意が必要です。

糖尿病患者と診断され、症状が悪化することで、合併症のリスクが高まります。
合併症には段階があり、神経障害・網膜症・腎症の順に発症するといわれています。

また、三大合併症以外にも、心筋梗塞・脳梗塞・脳卒中・狭心症・肺炎・肺結核・排尿障害・膀胱炎・糖尿病性壊疽など非常に多くの合併の危険性があります。

これらの合併症予防のためにも、初期の段階で、専門医による適切な処置をうけることが大切です。

糖尿病の予防方法

糖尿病の予防方法には、生活習慣の改善と健康診断の受診があります。

生活習慣の改善

・適度な運動
適度な運動を行うことは、高血糖を改善し、合併症の予防にもつながります。
糖尿病予防のためのポイントは、無理のない運動を長く続けること。
1日5分のウォーキングから行い、体調に合わせて時間を増やしていきましょう。
焦る気持ちもあるとは思いますが、無理は禁物です。運動する習慣のない人が、急に体を動かすと、心筋梗塞を発症したり、ケガをしたりするリスクも高まります。
いつもより1駅手前で降りて歩いてみる、エレベーターではなく階段を利用する、ストレッチを行うなど、軽い運動を習慣化することから始めましょう。

・バランスのとれた食事
バランスのとれた食事をするために、朝・昼・晩はごはんをしっかりと食べ、間食を控えましょう。

その他、次のようなことにも気を付けてみてください。

  • 外食は和食を中心に
  • 野菜・海藻などの食物繊維を積極的にとる
  • コーヒーや紅茶を甘くしたい場合、砂糖ではなく人工甘味料を選ぶ
  • 揚げ物より炒め物、炒め物より煮物を選ぶ

健康診断の受診

日本での糖尿病患者は、予備軍を含めて1,600万人を超えているといわれています。健康診断を定期的に受診することで、現在発症している病気を突き止めるだけでなく、将来かかるかもしれない病気を知り、予防に努められます。

健康診断でチェックしておきたいこととして、第1に挙げられるのは血糖値です。その他、血液検査ではヘモグロビンA1c(HbA1c)の値をチェックします。また、身長・体重の関係から肥満度をチェックするBMIも参考になります。

メタボリックシンドロームに当てはまる方は、高確率で糖尿病になるといわれています。メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積による肥満が原因で、高血圧・軽い高血糖・高脂血症などが重なって起こっている病態のことです。

適度な運動・バランスのとれた食事・定期的な健康診断の受診など、日々の努力を怠らないことで、糖尿病は予防できます。1つずつでもいいので、今日から習慣を変えていきましょう。

糖尿病の治療方法

糖尿病の治療方法は、1型糖尿病と2型糖尿病で異なっています。

1型糖尿病

インスリン量の不足が原因で発症するため、インスリン注射による薬物療法を基本としています。

2型糖尿病

遺伝や生活習慣の乱れにより発症しますが、偏った食生活を長年続けていることが主な原因の1つです。食事療法・運動療法・薬物療法を行います。

食事療法

食事療法では、バランスのいい食事・適切なカロリー量・規則正しい時間に食事をとることを目指します。食事療法で勘違いされがちですが、絶対に食べてはいけない食品というものは存在しません。ただし、頻繁な外食・毎日の間食・アルコールの摂取などは、カロリー過多になる危険性が高いため、注意する必要があります。

運動療法

運動をすることにより、ブドウ糖や脂肪酸が分解されます。その結果、血糖値が低下し、インスリンの働きを改善することができます。ただし、合併症がある場合や投薬治療を行っている場合、運動が制限されていることもあるので、主治医と相談してから行いましょう。

薬物療法

薬物療法は、血糖値を下げる飲み薬と、インスリン注射により行います。1型糖尿病の場合は、インスリン注射を基本とします。2型糖尿病は、1種類の薬を飲用することから始まり、改善が見られなければ、薬の種類や量を増やし、必要に応じてインスリン注射を併用します。

おすすめのサプリメント

すい臓の機能が低下し、インスリンが不足すると、高血糖状態が続き、糖尿病と診断されます。糖尿病の治療では、すい臓が機能しなくなる前に、インスリンを投与します。インスリンの投与によってすい臓を休ませ、体に元気を取り戻します。

つまり、すい臓を回復させることによって、血糖値を改善することができるということです。
ですが、糖尿病の専門医の中には、インスリンの投与だけでは血糖値の改善につながらないと主張する人もいます。

その理由は、次の2点です。

  • インスリンの量が充分であっても、正常に働いていない可能性がある
  • 亜鉛を同時に摂らなければ、インスリンが肝臓で大量に分解されてしまう恐れがある

これらの見解を踏まえると、糖尿病の予防・治療で大切なこととして以下の3つがあげられます。

  • すい臓を回復させる
  • インスリンの働きを正常にする
  • 肝臓でインスリンが過剰に分解されるのを防ぐ

家庭でできることとしては、食事内容の改善や、すい臓の回復機能を持つサプリメントの摂取があります。特にサプリメントの摂取は、誰でも気軽に行えるので、おすすめです。

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まとめ

糖尿病は、血糖値の上昇により、尿の中に糖が含まれるようになる病気です。

糖尿病の代表的な分類として、1型糖尿病と2型糖尿病があげられます。いずれの場合においても、血糖値を下げるインスリンの量が不足することによって発症します。

糖尿病の原因には、家系などの遺伝的なものもありますが、大部分は生活習慣を改善することで、予防・治療することができます。

生活習慣を改善するために、適度な運動やバランスのよい食事をとることを心がけましょう。

運動面では、エスカレーターやエレベーターではなく階段を使う、1日5分のウォーキングをするなど、無理なく続けられる簡単なことから始めてみてください。

また、バランスのよい食事をとるためには、なるべく和食を選ぶことや、間食・アルコールの摂取を控え、カロリーを取りすぎないことが大切です。

「もしかして、糖尿病かもしれない」と思ったら、早めに糖尿病内科を受診しましょう。
専門医からの適切な検査・治療により、糖尿病の早期発見につながり、合併症を防ぐこともできます。

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