糖尿病:運動

血糖値を下げるのに欠かせない運動を効率良く行うポイント

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血糖値を運動で下げる

血糖値を下げるには運動が欠かせません。「血糖値が上がりやすい食べ物を食べてしまった…」という時でも、食後血糖値の急上昇をカバーできます。

ただし、がむしゃらに身体を動かすのは良くありません。「運動を頑張らなくちゃ!」と意気込むのは良いですが、ストレスを感じるなら血糖値コントロールに影響し本末転倒です。最小限の努力で最大限の結果を引き出す運動のポイントをお伝えします。

運動不足は血糖値が上昇する原因のひとつ

血糖値に異常が生じる原因はひとつではありません。血糖値の上昇を引き起こしている原因は何なのかを把握しておくことが重要です。運動不足も血糖値異常の原因のひとつです。

血糖値を下げるには運動するしかない

血糖値をコントロールするには、糖尿病に繋がるような自分の行動を見直す必要があります。血糖値の異常や糖尿病を発症する背景には、食生活や肥満体型、ストレスなど多くの事柄が要因になります。

一般的に「2型糖尿病=食べ過ぎ、肥満」と思われています。しかし、細かく分析してみると日々のストレスや遺伝、そして運動不足が影響していることも珍しくありません。

交通手段や電化製品が発達している今、意識して身体を動かす習慣をつけない限り、誰でも慢性的な運動不足に陥る恐れがあります。運動不足は暴飲暴食と同じように、糖尿病発症の代表的な原因として問題視されています。

運動不足でなぜ血糖値が高くなる?

運動不足と血糖値は切っても切り離せない関係にあります。東京ガスが行った7年に及ぶ研究では、有酸素運動能力が低下するほど2型糖尿病発症率が高くなることが分かりました。

筋肉が少なくなると基礎代謝もダウンし、ブドウ糖の代謝もスムーズに行われにくくなります。その結果、血糖値が上昇しやすくなります。

ストレスや肥満などインスリンが分泌されにくい状態に加えて運動量も少なくなると、糖尿病発症リスクも高くなってしまいます。

近親者に糖尿病患者さんがいる場合も、インスリンの働きが鈍い体質が遺伝している可能性が高いため、普段から基礎代謝を上げブドウ糖を代謝しやすい体に整えておくことが大切です。

運動してストレスなく血糖値を下げる

血糖値対策で好きな食べ物を食べることができないとイライラしてしまいます。運動を取り入れることで、食事制限によるストレスを和らげることができます。

運動は血糖値を楽に下げるための秘策

スポーツが好きでも多忙で運動する時間を持てないという場合もありますが、運動すること自体がストレスに感じる方も多くいらっしゃいます。

特に血糖値に問題がある方はその傾向が強くあります。運動不足が何年も続くと血糖値に問題が生じる可能性が高くなります。

運動は慣れないと面倒くさいもので、新たなストレスの原因にもなりかねません。健康診断で血糖値の異常が見つかったあと、医師に運動するようアドバイスされ、思わずため息をついた方もいらっしゃるでしょう。

ところが実際は逆です。食事制限などストレスを感じることも多い血糖値対策は、運動を取り入れると楽になります。

運動は楽に血糖値を下げるための秘策です。運動をすれば筋肉がついて脂肪が燃えやすくなり、インスリンが出やすい体質に改善できます。同時にカロリーも消費することができます。

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食事制限だけで血糖値を下げるのは難しい

食事制限だけで血糖値をコントロールするのは簡単ではありません。極端に食べる量を減らしても、空腹感が強い状態での食事は血糖値が上昇し逆効果になります。

無理なダイエットは厳禁です。血液中のブドウ糖が異常に減少すると低血糖状態に陥り、意識障害を引き起こすこともあります。

長く続けるためにも無理せず行うには、血糖値が上がりにくい食材を選び、少量ずつこまめに食べた方が血糖値をコントロールしやすくなります。

時には血糖値が上がりやすいオカズを食べてしまうことや、うっかり食べ過ぎてしまうこともあります。そんな時も、運動で余ってしまうエネルギーの分まで消費することができます。

食べたいものをなるべく我慢しなくて良いように、運動対策を取り入れてみて下さい。運動すればエネルギーの摂取と消費のバランスを取りやすくなります。

悪かったインスリンの動きも改善

血糖値を下げるために効果的な食べ物は色々あります。でも、食べ物に即効性は期待できません。

運動も身体を動かした直後に血糖値が改善されるとは限りませんが、食事と運動対策を一緒に行うことで効果が期待できます。

軽い運動でも長く続けると筋肉の活動量もアップします。筋肉の活動量が増えるにつれて、働きが鈍かったインスリンもしっかり作用するようになり、血糖値が上がりやすい食べ物を口にしてしまった時もフォローしやすくなります。

身体をしっかり動かすと血液中のブドウ糖も筋肉に取り込まれやすくなるため、ブドウ糖、脂肪酸を消費しやすくなり、血糖値が下がりやすくなります。

高血圧や脂質異常症など血糖値の異常と一緒に併発しやすい症状にもアプローチできるところも魅力です。

薬やサプリ、お茶だけで血糖値を下げるのは困難

血糖値を下げるためのサプリメントや薬、あるいはお茶など血糖値のコントロールを助けてくれるものがたくさんありますが、薬などだけに頼らずこれらを上手に利用するのが正解です。

血糖値対策は必ず食事療法と運動療法を行ってください。サプリや薬を飲んでいるから運動はしなくても大丈夫というのは間違っています。

特に薬は副作用のリスクも高いため、できるだけ薬を服用しないで済むよう、予防段階での対策が重要です。

血糖値を下げるお茶もあります。普段お茶を飲む感覚で血糖値対策にプラスできるので便利です。

ウォーキングは糖尿病の合併症対策にも効果的

歩くことで糖尿病の合併症を予防することもできます。血糖値が高い状態が続き糖尿病になると、足病変という合併症を引き起こす恐れがあります。

足の血管が狭くなり、神経の機能が衰えることで感染症の発症率も高くなり、潰瘍もできやすくなります。

糖尿病患者さんの足に生じるトラブルは糖尿病足病変と呼ばれ、細菌や真菌の感染症、水虫、足のタコ、変形など様々な異常が現れます。

病変が進むと足の組織が死んでしまい、切断しなければならないこともあるので、軽く考えることはできません。

糖尿病の3大合併症の1つ、動脈硬化も血流障害から足に異常が出やすい疾患の1つです。こういった足のトラブルを予防、改善するためにも、食事療法と並行し足をしっかり動かすことが大切です。ウォーキングなどの有酸素運動で血流を促進し、糖尿病の合併症を予防しましょう。

血糖値を下げる運動方法

血糖値を下げるためには、どの程度運動すれば良いのか、どのタイミングで何分ぐらい身体を動かせば良いのか、最低限クリアしたい基準をお話しします。

具体的に行うべき運動の目安を理解し無理しないで続けて実践することで血糖値の改善につながります。

運動のベストタイミングは食後

血糖値を下げるためには、食後の運動が効果的です。食後すぐに血糖値は上昇します。タイミングを逃さずに身体を動かすことで、血液中のブドウ糖を筋肉のエネルギーとして消費することができます。

食後30分から1、2時間後に運動する習慣をつけましょう。有酸素運動を30分から1時間ほど続けて下さい。
有酸素運動:ウォーキング、ジョギング、水中ウォーキング、サイクリング、エアロビクス

血糖値が下げる理想は1日1万歩のウォーキン

血糖値を下げるためには、1日1万歩のウォーキングを習慣にするのが理想的とされています。

毎日ウォーキングで1万歩歩き続ければ、最高の血糖値対策になるだけではなく、肥満体型もスリムになります。

血管のコンディションも改善されるため、動脈硬化などの合併症リスクも軽減することができます。

1日1万歩を実践している人のデータを詳しく調べてみると、空腹時血糖値やインスリン値、コレステロールも低く保たれ、太りすぎている方もほとんどいないことが分かっています。

基礎代謝量にもよりますが、急ぎ足で歩けば210~315kcal、ゆっくり歩いても90~135kcalは消費でき、食事のカロリーオーバー対策にもなります。

呼吸を意識して歩き脂肪を酸素で燃やす

食後のウォーキングで重要なのは、スピードを上げることではなく、スローペースでも息をたくさん吸い込むことです。

無酸素運動とは異なり、有酸素運動は運動中に会話できるほどゆったりしたペースで行うのが特徴です。息をたっぷり吸い込むため、酸素も大量に取り入れることができます。

体脂肪を分解するためには大量の酸素が必要になります。呼吸を意識してより多くの体脂肪を燃やしましょう。

1日1万歩は無理!たった15分でも血糖値を下げる効果があるってホント?

運動対策で重要なのはどれだけ継続できるかです。無理せず気持ちよく続ける秘訣をお伝えします。

元々運動する習慣がまったくない方、忙しくて運動する時間が取れない方にとって、1日1万歩の目標は高すぎるでしょう。

血糖値に異常が生じやすくなり糖尿病リスクも高くなる30代、40代以降は、働き盛りの年代でもあります。専業主婦も家事や子育て、介護など色々な事情で運動する余裕がないこともあります。

毎日たっぷり運動できるほど時間的、身体的余裕がある方の方が少数です。歩くスピードや歩幅によっても差は生じますが、1万歩歩くためにかかる時間は1時間から1時間30分程度。今までまったく身体を動かしたことがない場合も、もっと時間がかかってしまうはずです。

10分でも運動する習慣化が大事

「毎日1時間以上の運動」と聞くだけで拒絶反応が起こるかもしれません。運動の仕方を工夫すれば、1日1万歩未満の運動でも血糖値の検査値を良好に保つことが可能です。

短い時間で最大限の結果を出すための秘訣は、歩く速度をアップすることです。1分あたり100歩のペースで30分歩けば、たとえ1日の総歩数が1万歩に満たなくても、血糖値改善効果が見られます。

まずは1日30分、3,000歩のウォーキングを目指しましょう。1日30分3,000歩でも無理ということであれば、10分間でも歩きましょう。

たった10分でも、「血糖値を下げるぞ!」と目的意識をしっかり持ち、集中して歩くことで高い運動効果を得ることができます。

30分、1時間と…まとめて運動するのが難しくても、休憩中などに小刻みに身体を動かす癖をつけましょう。とにかく運動する習慣をつけることが大切です。

食後10分間歩くだけでも血糖値は下がる

運動初心者に早朝ジョギングやスポーツジムはハードルが高いので、まずは食後のウォーキングから取り組んで下さい。

ニュージーランド、オタゴ大学が2型糖尿病患者さんを対象に行った研究では、食後に行う10分間のウォーキングで血糖値の上昇を抑えることが可能であると発表しています。

重要なのはタイミングで、効果を最大限に引き出すためには食後に身体を動かすことが必要です。特に夕食後はウォーキングの効果が出やすく、22%も食後血糖値が下がりました。

血糖値が上昇しやすい炭水化物メインのご飯を食べたあとも、食後に歩くことで血糖値が上がりにくくなります。食後30分から1時間経過したタイミングで歩きましょう。

イギリスの研究でも30分のウォーキングを週5回行うと2型糖尿病リスクが26%もダウンする結果が得られています。

長期間続けることが大切ですから、最初から無理せず10分のウォーキングからトライし、徐々に運動する時間を増やしていくのがポイントです。

NEAT(ニート)を高めて血糖値を下げる作戦

場合によっては、たった10分でもウォーキングに出るのが難しい、ということも考えられます。子育て中のママも、赤ちゃんを置いて外に歩きに行くわけには行きません。

始発で出勤し、終電で帰宅するライフスタイルのビジネスマンも、肉体疲労が激しく10分間のウォーキングさえ辛い場合もあります。

糖尿病の発症や合併症を予防するためにも、「いずれきちんと運動する」ことが前提ですが、とりあえず今週中、来週中に本格的な運動を始めるのが難しい場合、日常生活の中でしっかり身体を動かすことを意識してみて下さい。

NEAT(ニート)とは、通勤や通学、買い物、掃除や洗濯など日常生活で行う動作で消費されるエネルギーのこと。エスカレーターやエレベーターを使わず階段で上り下りするだけでも、ニートを高めることになります。

1つ1つの動きは小さくても、ニートを高めることで1日の身体活動の量は増えます。お茶碗を洗う時つま先立ちになる、早足で歩く、などちょっとした工夫からトライしてみて下さい。

血糖値を下げるための運動で気をつけたいこと

運動対策を実践する時の注意点がいくつかあります。運動だけ、食事でのコントロールだけとひとつのことに集中せず、血糖値はトータルでコントロールする必要があります。

カロリーオーバーや危険な食品にも注意

毎日運動していても、大幅にカロリーオーバーする日が続いたら、血糖値のコントロールも難しくなります。

身体をしっかり動かすとお腹も空くので、つい食べ過ぎてしまい、1日の適正摂取カロリーの上限をオーバーしてしまう可能性があります。運動量の目安を探るためにも、1日の総摂取カロリーを計算してみて下さい。

身体に必要なエネルギーは基礎代謝量と毎日の身体活動レベルで決まるので、一概に「何歳の男性なら〇〇カロリー」とは言えません。

仮に30~49歳の男性であまり運動しないライフスタイルの場合(デスクワークなど)、摂取して良いカロリーは1日2,295kcal。例えば外食の生姜焼き定食だけでもお店によっては1,000kcal近くあるので、昼食、夕食にこってりした献立が続くとあっとう言う間にカロリーオーバーになります。

自分の適正摂取カロリーを把握し、血糖値に問題がなくても、食べた分はその日のうちに消費するのが理想的です。「消費し切れない分は食べない方が良い」とも言えます。

また、摂取カロリーは適正範囲内でも血糖値を上昇させやすい食品はできるだけ摂らないようにして下さい。

食後すぐに運動すると消化不良を起こす

食事直後の運動が血糖値対策に効果的とは言え、食べ終わって即運動を始めるのは良くありません。食事直後のトレーニングは消化不良の原因になるので、最低でも30分は間隔を開けましょう。

また、食後の血糖値がピークに達するのは食後1時間~1時間30分経過してからです。ベストタイミングを逃さないためにも、食事直後の運動は避けた方が良さそうです。

運動の効果は3日でなくなる

有酸素運動を続けて行うことでインスリン効果はどんどん高くなります。それに伴って、血糖値も下がります。体脂肪を燃焼させる効果もあります。

ただし、運動対策は続けることが大切です。運動の効果は3日程度しか持ちません。安定してインスリンを分泌させるためにも、毎日継続して身体を動かしましょう。

有酸素運動と筋トレで相乗効果が望める

有酸素運動に慣れてきたら筋トレにも取り組んでみて下さい。最新の研究では、有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせが血糖値に良い影響を与えることが分かっています。

しかし、あまりにもハードな運動は逆効果になる恐れがあります。強度の高い筋トレを行うと、アドレナリンなどのホルモン分泌が増え、一時的に血糖値を上昇させてしまう可能性があります。

心臓や腎臓を疲れさせてしまい、機能低下の原因になりかねません。やみくもに身体を鍛えれば良いわけではないので、気をつけましょう。

運動してはいけない場合もあります

血糖値を効率よく下げるために、運動は本当に役に立ちます。ただし、制限しながら運動した方が良い場合や運動自体厳禁な場合もあります。

既に糖尿病を発症している方も運動を控えた方が良いと判断されることが多いので、運動対策を始める前に担当医に確認して下さい。

~主治医に相談した方が良いのは~

  • 血糖値が高い(空腹時血糖値が250mg/dL)
  • 血糖値が上昇し脱水状態に落ちっている場合
  • 感染症を発症している場合
  • 自律神経障害、自律神経失調症を発症している場合
  • 網膜症を発症し、眼底出血が見られる場合
  • 腎疾患が進行している場合
  • 潰瘍や壊疽が足にできてしまった場合
  • 心筋梗塞などの心臓病、肺炎など肺の疾患を発症している場合
  • 骨や関節の疾患を抱えている場合

など

運動できない時の秘策!血糖値を下げるツボやマッサージ

体調が良くても真夏の炎天下、真冬の冷え切った環境で運動を行うと体調を崩す恐れがあります。運動を控えた方が良いと担当医に言われてしまった方も、指示に従いましょう。

食事対策の他にできる運動以外の対策としては、ツボ押しもおすすめです。血流を促進するためにマッサージも効果的なので、優しく揉みほぐし冷えて血の巡りが悪くならないようにして下さい。

~血糖値を下げるツボ~

  • 膵兪(すいゆ):背骨の両側にあるツボ。膵臓機能を活性化し、血糖値を下げることができます。糖尿病に効くツボとして有名。
  • 腕骨(わんこつ):手の甲にあるツボ。手首寄りの小指の付け根にあるツボで、糖の代謝をサポートする効果があります。内分泌の働きを促進したい時に刺激しましょう。
この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得している自然療法専門医。
スコッツ先生のプロフィール
https://gluco-help.com/media/lose-weight-diabetes27/

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