テーマ:糖尿病

糖尿病の手帳とは?

糖尿病の手帳に関する基礎知識

弊社の商品開発チームの医師監修
Q. 糖尿病と手帳の関係とは?
A. 糖尿病の治療や改善を行うとき、手帳を持っておくと安心です。血糖値や体重などを記録していくことができ、治療内容についても記載できます。

この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得している自然療法専門医。
スコッツ先生のプロフィール
https://gluco-help.com/media/lose-weight-diabetes27/

糖尿病の手帳とは?

糖尿病と診断されると、定期的に病院へ通って診察や治療を受ける必要が出てきます。その際に、保険証などとあわせて持っていきたいのが糖尿病連携手帳です。
糖尿病を患っている人に発行される糖尿病連携手帳、どのような役割を持っているのでしょうか?

日本糖尿病協会が発行している手帳

糖尿病を発症した際に渡される「糖尿病連携手帳」は、日本糖尿病協会が発行しています。無料で手に入る手帳です。血糖値や血圧、血液検査などの状態が記入でき、合併症の検査所見なども記載されている手帳です。また、糖尿病を発症してから、どのような治療を受けてきているかという内容についても書かれていることが多いです。
この手帳を持っていることで、地域の病院や大病院へ訪れた際に的確な治療を受けることができます。日々の治療時に参考にできるだけでなく、日頃から自身の体調と向き合っていくためにも必要なものです。
糖尿病連携手帳は、糖尿病予備軍と診断された人にも、ぜひ持ってもらいたい手帳です。自己管理の際に活用できたり、病院で診察を受ける際に医師に手渡すことができます。自身の健康状態をきちんと記録しておくことで、医師も適切な治療を施すことができるのです。発行されている版によって多少デザインが異なりますが、中は同じような体裁になっています。

自己管理応援シールを無料提供中

糖尿病連携手帳を欠かさずに持っていることで、病気の状態や治療内容などを確認することができます。この手帳をより効率よく、見やすくするために、自己管理応援シールと呼ばれるものが無料で提供されています。
治療の目標やどんな薬を使って治療を行っているのかといった点がすぐ確認できるようになっているシールで、手帳の表紙に貼っておくことで医師も患者さんも状態がわかりやすいというメリットがあるのです。
この自己管理応援シールは、パソコンから無料で作成することができます。4種類のシールを作成でき、手軽に印刷できるようになっているため、さっそく使うことができるでしょう。自己管理応援シールの4種類は、以下になります。

  1. 目標HbA1c 7.0%
  2. 目標HbA1c 空白
  3. おくすり治療中 低血糖要注意
  4. おくすり治療中 低血糖危険性低

4種類のシールがすべて欲しいという場合は、一度に作成することも可能です。自身の病状に合わせて、適したシールを選びましょう。適したラベル用紙や印刷の仕方なども紹介されているため、初めて利用する人も簡単にシールの作成ができます。手帳と一緒にシールも用意して、自身の糖尿病としっかり向き合っていきましょう。

糖尿病の手帳、使い方のコツとは

糖尿病を患っている人に発行される糖尿病連携手帳、自己管理応援シールを活用することでより意識して病気の改善を図ることができます。その他の使い方のポイントも押さえて、正しく利用しましょう。

・保険証などといつも一緒に携帯する
糖尿病連携手帳は、自宅で自身の健康状態をチェックするだけでなく、病院へ持っていくことも必要です。うっかり忘れてしまい、適切な治療を受けることができないといった事態にならないよう、病院に行く際には必ず持っていきましょう。
保険証などと一緒にファイルに収納して病院セットを作っておくと、病院に行く際に忘れずに済むでしょう。

・経過観察に利用できる
糖尿病連携手帳は、自身の糖尿病の状態を把握するためにも大切なものです。血糖値がどのように変わっていっているか、食事療法や運動療法、薬物療法はどれぐらい効果を発揮しているかといった点を確認することができます。
糖尿病の治療を行っていく上で、自身の健康状態を把握することはとても大切です。経過観察をしっかり行うことで、糖尿病の改善にもつながります。糖尿病連携手帳にきちんと情報を書き込んでいき、自身の身体の変化を確認しましょう。

・家族と共有するとより良い
糖尿病連携手帳は、自身の自己管理ができるだけでなく、家族と共有することも可能です。リビングに置いておく、家族にも知っておいてもらうなどの対策を取ることで、糖尿病の治療に専念できるでしょう。
血糖値の状態を把握しておいてもらうことで、食事内容も意識してもらえるでしょう。

糖尿病の手帳はアプリも登場している

糖尿病で手帳といえば、日本糖尿病協会が無料発行しているものが一般的ですが、最近ではスマホのアプリで手帳も登場しています。手帳をうっかり忘れてしまう、筆記具で書き込む必要がないなどのメリットから、アプリを利用する人も増えているのです。ここでは、糖尿病の手帳アプリにどのような種類があるのか、その一部を紹介しましょう。

GlucoNote

自己管理支援アプリとして誕生した「GlucoNote」は、健康空間情報学講座によって開発された、2型糖尿病及び予備軍の人を対象にしたアプリです。自宅で計測した体重や血圧、血糖値などをアプリ内に入力していき、そのデータを元に糖尿病を改善しようという目的があります。
2型糖尿病に重要とされる運動や食事などをメモしていくことができ、血糖値がどのような動きをしているかといった点についてもチェックできます。測定値の判定や食事の評価などを行いながら、糖尿病患者の健康管理をサポートしてくれるアプリです。
手軽に食事のチェックができ、グラフなどを自身で作成することなく血糖値の変化状況も確認することができます。手帳やノートに記録していくのは続かない、スマホなら常備しているのですぐ入力ができるといった人におすすめです。シンプルなデザインで、初めて利用する人にとっても始めやすいでしょう。
2型糖尿病または予備軍と診断された人は、スマホに「GlucoNote」のアプリをインストールし、利用してみましょう。

EPARK糖尿病手帳

糖尿病患者の健康をサポートしてくれる「EPARK糖尿病手帳」は、食事や運動の管理がスムーズにできるアプリです。食事の摂取カロリーや運動での消費カロリーを算出してくれるだけでなく、自身の目標値を設定して取り組むことができます。
管理栄養士からのアドバイスもあるため、食事療法でくじけそうになってしまうときにも心強いでしょう。無理せず、ストレスを溜めることなく、糖尿病の治療が続けられます。おくすりノート、からだノート、食事ノートなどとページが分かれており、どのページもすっきりとして見やすいのが特徴的です。いつどんな薬を利用したのか、体重や体脂肪率などはどうなっているか、食事の写真を記録していきカロリーを計算など、続けやすいアプリになっています。どこに何を記入すれば良いか一目瞭然となっているため、スマホ初心者やアプリに慣れていない人も気軽に利用できるでしょう。記録が残っていくため、糖尿病の改善を続けられているという達成感も得ることができます。

Welbyマイカルテ

「Welbyマイカルテ」は、高血圧や糖尿病の改善を図ることができるアプリです。血糖値や血圧、体重などを記録でき、食事や運動に関しても手軽に入力して残していくことができます。毎日の変化が一覧となって現れるため、自身の食事内容や運動量、血糖値の変わり方などを確認できます。
プレミアムサービスとなる、月額980円の「あなた専属の栄養士のサポート・連携血圧計のレンタル開始」も実施しており、食事データや血圧を元に管理栄養士がアドバイスをしてくれます。連携している血圧計をお得な価格で利用でき、測定した数値がアプリ内に自動的に入力されるという便利さもポイントです。紙の手帳に書く手間がなくなり、手軽に自身の体調管理ができるでしょう。
血圧や体重、血糖値などの状態がひと目でわかるグラフも作成してくれるため、糖尿病の治療や改善が効率よく進められます。

e連携手帳

「e連携手帳」は、日本糖尿病協会が無料提供している糖尿病連携手帳のアプリ版となります。紙媒体の糖尿病連携手帳からアプリに変わることで、より手軽に血糖値などの入力ができるようになりました。スマホならいつでも携帯しているという人が多いため、紙の手帳を忘れたという事態を予防できます。ここから、継続して自身の状態を記録していくことができるでしょう。
「e連携手帳」は単にさまざまな情報を記録できるだけでなく、日本糖尿病協会のフェイスブックにリンクしているため、糖尿病に関する情報を受け取ることができます。糖尿病としっかり向き合いながら私生活を楽しむために、アプリは便利で快適です。記録していくのが長続きしない、うっかり忘れてしまうこともあるという人にとっても安心でしょう。

糖尿病の手帳は何科で提出する?

糖尿病の際に発行される糖尿病連携手帳、スマホのアプリでも手軽に利用できるようになり、便利になりました。紙の手帳を使っている人も多い中で、病院に行く際携帯しているでしょう。では、糖尿病連携手帳は何科で提出すれば良いのでしょうか?

内科

体重や血糖値など糖尿病の治療全般を行う内科で、手帳は出すようにしましょう。病院によっては、手帳の提出を忘れないように「提出促進立札」というものが設置されていることもあります。立札を見かけたら、手帳を置きましょう。医師が診察を行う上でも、必要なものとなります。
内科では、糖尿病の状態確認や治療、改善に向けてのアドバイスなどを実施しています。そんなときにも手帳があれば、経過を把握でき、より的確な治療を続けることができるのです。内科は、私たちにとって身近な病院の診察科目といえるでしょう。糖尿病の定期的な検診なども、手帳があればスムーズに進みます。病院セットとして手帳もまとめておくと、いつでも忘れずに持っていくことができるでしょう。
また、内科だけでなく、最近では糖尿病内科といった診療科目もあります。糖尿病を専門に診てくれる科になり、手帳を忘れずに持っておくことでそれを元に治療を進められます。

眼科

糖尿病では、合併症が恐れられています。合併症のひとつである網膜症を発症した場合、眼科に通う必要が出てきます。そこで、眼科へ訪れる際にも糖尿病連携手帳を忘れないようにしましょう。
糖尿病で眼科に通う際には、「糖尿病眼手帳」も持っていくと安心です。糖尿病網膜症の治療に利用でき、受診の記録や網膜症の解説なども記載されているため、病気についての知識も得ることができます。図や文章などで詳しく説明されているため、1冊持っておくと便利です。糖尿病により引き起こされる可能性のある合併症について、日頃から意識できるというメリットもあります。
定期的に眼科に通って糖尿病網膜症が起きていないかなどを確認する際には、糖尿病連携手帳と糖尿病眼手帳を忘れないようにしましょう。

糖尿病の手帳は、内科や眼科以外に外科や皮膚科に関するトラブルが生じているときなどにも活用できます。病院に行く際は、いつも携帯しておくと安心です。

まとめ

糖尿病を発症すると、長くにわたって治療や改善を図る必要があります。そこで、便利なのが糖尿病連携手帳です。合併症のリスクも伴うことから、網膜症への対処法として糖尿病眼手帳も存在します。
また、最近ではスマホのアプリでも、糖尿病の改善を行うことができます。アプリなら簡単に入力できて、グラフとしてデータ化もしてくれるので便利という声が上がっています。スムーズに情報を入力できるため、手帳より使いやすい人もいるようです。
手帳やアプリなどを活用して、糖尿病の治療を続けていきましょう。無理のない範囲で糖尿病治療を続けていくために、手帳やアプリは必要なアイテムです。

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