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糖尿病と認知症には深い関係があった

糖尿病と認知症に関する基礎知識

弊社の商品開発チームの医師監修
Q. 糖尿病と認知症には関係があるの?
A. 両者には深い関係があります。早期発見によって、症状の進行を遅らせることが可能です。

この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得している自然療法専門医。
スコッツ先生のプロフィール
https://gluco-help.com/media/lose-weight-diabetes27/

糖尿病と認知症の関係とは?

認知症といえば高齢者に多い病気であり、老化が主な原因ではないかと考えられています。しかし、近年急増中の糖尿病とも深い関係があることがわかり、高血糖の状態が長く続くと認知症のリスクも上がるという結果が出ているほどです。年齢と共に誰しも感じることがある物忘れといった認知機能の衰えも、高血糖の状態が続くことで目立ってくるといいます。
実際に、糖尿病と認知症の両方を発病する人の割合は、糖尿病の人とそうでない人とを比較すると、アルツハイマー型認知症でおよそ1.5倍、脳血管性認知症でおよそ2.5倍となっています。高血糖の状態が、認知症にも大きな影響を及ぼすことがわかるでしょう。
一方、糖尿病の治療による副作用で低血糖の状態が長く続くことで、認知症を引き起こすリスクが高まるという統計も出ています。糖尿病を発症した場合、認知症にならないよう対策をしていくことが重要なのです。

糖尿病が関係している認知症の症状について

糖尿病で高血糖または低血糖状態が続くことで発症リスクが高まる認知症、具体的にはどのような症状が現れるのでしょうか?早期発見が重要となる認知症において、以下の症状に気をつけながら過ごしましょう。

~こんな症状が見られたら認知症かも~

  • 今まで難なくできていたことが段取りよくできなくなる
  • 物忘れが増える
  • 動作のひとつひとつがゆっくりになる
  • 以前より活気がなくなった
  • 言葉の数が少なくなり、会話することが減った
  • 喜怒哀楽が激しくなり、時折感情のコントロールができなくなる
  • 過食や拒食を繰り返している
  • 妄想や幻覚に悩まされることが増える
  • 排泄トラブルが起きる(尿や便を漏らしてしまうなど)
  • 攻撃的になる

認知症の症状は、人によって現れる種類や度合いが異なります。単に物忘れが増えるだけでなく、口数の少なさや排泄トラブル、感情のコントロールができなくなるなど、人の手助けが必要になる場合もあるため、自身の状況を把握して定期的に診察を受けることが大切です。

糖尿病と認知症、それぞれのリスクとは

糖尿病と認知症を併発していると、それぞれの病気に対して様々なリスクが想定されます。そのリスクを理解して、病気が進行しないように対策を取ることが重要です。さっそく、それぞれのリスクについて見てみましょう。

糖尿病におけるリスク

糖尿病と認知症を併発した場合、認知機能の衰えから食事内容が乱れることがあります。食事の時間が不規則になり、一日3食のはずが食欲が止まらず5食食べてしまう、時間に関係なく食べたいものを食べてしまうといった事態が起こりやすいです。その結果、血糖値をうまくコントロールできなくなり、糖尿病の症状を悪化させることになってしまいます。
反対に、拒食の症状が現れていると低血糖の状態が続くため、糖尿病にも悪影響を及ぼします。糖尿病の治療として血糖値を下げる薬を服用しているならなおさら、極端な低血糖状態に陥ることのないようにしないといけません。
食欲に関してコントロールができなくなり、高血糖や低血糖など極端な状態が続く恐れが出てきます。

認知症におけるリスク

糖尿病によって血糖値が不安定な状態になることから、心身のコントロールがうまくできなくなってしまう恐れがあります。認知症によって物忘れが増えたり感情にムラがある中、血糖値の状態も不安定になることで症状を悪化させてしまう可能性があるのです。
また、糖尿病から便や尿の不調を感じるようになり、排泄トラブルを引き起こす恐れもあります。糖尿病の症状によって、認知症の症状も大きく左右されるということを理解しておきましょう。

寿命は変わる?

糖尿病を発症すると、様々な合併症にならないよう注意しながら過ごすことが必要です。高齢者になると、糖尿病と認知症両方のリスクが高まり、実際に併発する人も増えています。では、糖尿病と認知症を併発することで、寿命は変わるのでしょうか?
糖尿病患者の約6割が高齢者である今、日本人の平均寿命は男性で9年、女性で13年短くなるとされています。60代以降急激に発症リスクが高まる糖尿病に合わせて、認知症もやってくるということで、寿命は少しずつ短くなるのです。
また、糖尿病だけを発症している人と、認知症も併発している人を比べると、やはり認知症を併発している人の方が寿命が短くなる傾向にあります。

糖尿病で認知症、そのようなときの看護について

高齢者に多いという特徴がある糖尿病と認知症の併発、周りの家族はどのように看護に当たれば良いのでしょうか?ここでは、糖尿病と認知症を発症している際の看護について考えてみましょう。

家族の助けが不可欠になる

日々、家族がそばで食事の管理や処方されている薬のチェックなどを行なう必要が出てきます。いつでも駆けつけられる場所にいること、また自由が利く人による助けが不可欠です。フルタイムで働いているとそばで様子を見られないため、心配事が増えるでしょう。仕事の融通が利き、そばで見守ることができる状態が望ましいです。核家族化によって、離れて暮らしていることも多いでしょう。そんな中で、糖尿病と認知症を併発したら助けが必要になるということを理解しておく必要があります。

訪問介護などに来てくれる看護師を探す必要がある

家族の助けが不可欠になると同時に、訪問介護などで体調や日々の生活をチェックしてくれる人の存在も必要となります。薬の管理やインスリン注射など、認知症を併発している人にとっては難しいこともたくさんあります。
家族が糖尿病と認知症を併発したら、頼れる訪問介護サービスも見つけておくと安心です。

薬で糖尿病や認知症の改善は可能なのか

糖尿病と認知症を併発した場合、それぞれの病気を改善していくための治療が必要となります。では、具体的にはどのような薬を用いて、糖尿病と認知症の改善を図っていくのでしょうか?ここでは、糖尿病と認知症、それぞれに処方されることのある薬について紹介します。

糖尿病で用いられる薬の種類と期待できる効果について

糖尿病で処方される飲み薬には大きく3種類あり、ひとりひとりの体調に合わせて適したものを医師が選びます。

1 インスリンの分泌を促進する薬
膵臓に働きかけて、インスリンの分泌を促します。インスリンが分泌されることで、血糖値を下げられるという効果が期待できます。スルホニル尿素薬や速効型インスリン分泌促進薬、DPP-4阻害薬といった薬が処方されやすいです。

2 インスリンを効きやすくする薬
インスリン抵抗性を改善し、効きやすい状態に改善してくれます。具体的には、ビグアナイド薬やチアゾリジン薬などが挙げられます。

3 糖の吸収や排泄を調整する薬
糖の吸収を調整してくれるため、血糖値の急上昇を抑えることができます。また、余分な糖を尿として排出することも可能です。α-グルコシダーゼ阻害薬やSGLT2阻害薬などが挙げられます。

認知症で用いられる薬の種類と期待できる効果について

現在では認知症に効果が期待できる薬が開発されるようになり、いくつかの種類が実際に使用されています。認知症の進行を根本から止めることはできないものの、脳の中で生き残っている神経細胞を活性化させ、物忘れなどをある程度悪化させないことは可能です。ここから、日常生活において活気が出てきたり、情緒不安定になることも少なくなるでしょう。
アルツハイマー型認知症の薬としてアセチルコリンエステラーゼ阻害薬が、認知症にはアリセプトやレミニール、メマリーなどが挙げられます。医師の診察を受けながら、ひとりひとりに合った薬を処方してもらうことが大切です。

インスリン抵抗性が認知症を招く?

高齢になると併発しやすい糖尿病と認知症は、様々な症状を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。その一つに、認知症はインスリン抵抗性を招くとされています。
筋肉や脂肪にブドウ糖を取り込むという働きを持つインスリンがうまく機能しなくなることをインスリン抵抗性といいます。こインスリン抵抗性の状態になると、膵臓はさらにインスリンを分泌しようとします。この状態が続くことで、今度は高インスリン血症のリスクも高まるわけですが、インスリンは脳にも大きな影響を及ぼすのです。
認知症の中でもアルツハイマーは、神経細胞に「ベータ・アミロイド」という物質が蓄積されるという特徴があります。インスリンにはこのベータ・アミロイドを除去する働きがあるのですが、インスリン抵抗性に陥ることできちんとインスリンを分泌できなくなり、認知症の症状が進行してしまいます。
また、血糖値は正常であっても、脳にだけインスリン抵抗性が生じているケースもあるのです。これを3型糖尿病と言うこともあり、新たな糖尿病という位置づけになっています。

糖尿病と認知症、両方に効果が期待できる治療法とは

糖尿病と認知症、それぞれに用いられる薬を一部紹介しましたが、ここでは両方の病気に効果が期待できる薬や治療法がないのか調べていきます。

GLP1注射が有効

糖尿病の治療薬として近年注目されているGLP1注射は、気軽に自分で注射をし、血糖値のコントロールを図るという治療法です。GLP1注射における実験では、実際に脳の神経細胞が新しく誕生し、脳の記憶を司る部分においても改善が見られました。脳細胞が破壊されていくことで症状が進行していく認知症。糖尿病の治療を行ないながら進行を食い止めることができるなら理想的でしょう。
副作用を感じることが少なく治療を続けられると注目されているGLP1注射は、糖尿病と認知症の両方を改善していってくれるという点を理解しておきたいです。これから利用を考えている人や、糖尿病予備軍または認知症の恐れがあるといった人にも知っておいてもらいたい薬の一つになります。

日常生活で実践できる対策もはじめよう

糖尿病からは合併症をはじめ、様々な不調を招く恐れがあります。そこで重要となるのが、日常生活で予防と対策を行なうことです。ここでは、糖尿病と認知症の二つに注目して、具体的な対策法をご紹介しましょう。

血液をサラサラにする食材を食べよう

認知症は脳の血流が悪化することが原因の一つと考えられており、糖尿病においても肥満やドロドロの血液は改善していく必要があります。そのどちらも効率よく改善していってくれるのが、血液をサラサラにする食材です。

納豆

お酢や梅干などすっぱいもの

ナットウキナーゼという酵素に、血栓を溶かす役割があります。納豆を食べるのを習慣にするだけでも、サラサラの血液に近づけるのです。

お酢や梅干などすっぱいもの

お酢や梅干し、レモンなどのすっぱいものには、クエン酸が豊富に含まれています。クエン酸といえば疲労回復に効果が期待できますが、血小板が必要以上に集まるのを予防する働きがあるため、血液をきれいにしたいときに有効です。すっぱいものは気分もすっきりさせるため、食事の中で取り入れられると良いでしょう。

青魚

イワシやサバ、サンマなどの青魚には、DHAとEPAが豊富に含まれています。DHAは血管を丈夫にし、EPAは血栓を作りにくくするという役割があります。青魚を積極的に食べていることで、自然とサラサラの血液に近づけるのです。肉よりも魚メインの食事回数を増やすことで、肥満予防にもつながります。魚からは様々な健康効果が期待できるため、日頃からしっかり食べるようにしましょう。

スポーツや楽器、趣味を楽しもう

スポーツ糖尿病による不調で気分が下がってしまうときや、認知症を進行させたくないので日常生活を充実したものに変えていきたいというとき、スポーツや楽器、趣味などを楽しむのもおすすめです。
たとえばスポーツで身体を動かせば脳の活性化につながり、ストレスの発散もできます。楽器は手を使うため、脳を活性化させることができます。その他にも自分が好きな趣味に夢中になる時間を作り、脳をしっかり刺激していきましょう。趣味があると、人と接する機会や外出する回数も増えます。毎日を楽しみながら過ごすためにも、趣味を見つけておくと良いでしょう。

まとめ

糖尿病と認知症は、お互いに密接に関係し合っています。両方を発症するのは、やはり年代としては60代以降の高齢者が多いです。認知機能が年齢と共に低下していく中、認知症ならではの症状に悩まされたり、糖尿病による体調不良を抱えるようになります。
それぞれの病気に有効とされる薬には種類があることを知り、また日常生活で実践できる対策法についても試していけると良いでしょう。日々の食事や運動、趣味を見つけるなど、日常生活をより充実させることができれば、糖尿病と認知症の改善につながっていきます。今後の新薬の登場にも期待がかかりますが、今現在においてできる対策を行なうことが大切です。

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