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糖尿病と喫煙の関係とは?

糖尿病と喫煙に関する基礎知識

弊社の商品開発チームの医師監修
Q. 糖尿病と喫煙にはどのような関係があるの?
A. 喫煙によって血糖値が上昇しやすくなり、インスリンの働きも鈍くなります。早めの禁煙で、糖尿病をはじめとした生活習慣病の予防が可能です。

この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得している自然療法専門医。
スコッツ先生のプロフィール
https://gluco-help.com/media/lose-weight-diabetes27/

糖尿病と喫煙の関係とは?

喫煙は健康を害し、さまざまな病気の引き金になります。糖尿病を招く要因のひとつにもなり、現在タバコの健康への害について危惧されています。では、糖尿病と喫煙にはどのような関係があるのでしょうか?

喫煙によって血糖値が上昇しやすくなる

喫煙は、私たちの身体において交感神経を刺激します。交感神経が優位になると緊張した状態が続くことになり、血糖値も上昇していきます。交感神経が刺激されることで、血糖値を上昇させるアドレナリンが多く分泌されるからです。
喫煙によって内臓肥満が増えることも関係しており、知らないうちに血糖値の上昇を招いている可能性が高いのです。実際に、喫煙者の血糖コントロールは非喫煙者よりも難しく、対策を取っていても思うように変化が見られないというケースもあります。
このように、喫煙によって血糖値は上昇しやすくなり、結果的に糖尿病を招いたり症状を悪化させることになるのです。

体内のインスリンの働きを妨害する

喫煙は、体内のインスリンの働きを阻害するという特徴も持っています。タバコに含まれるニコチンが、インスリンの分泌量を減らすとされています。インスリンの働きが鈍くなることで血糖値をうまくコントロールできなくなり、糖尿病の症状が進行していってしまうのです。
喫煙によって酸化ストレスが蓄積され、これがインスリン抵抗性を招くともされています。実際にインスリン治療を行っている人の中で喫煙者である人は、非喫煙者よりも必要とするインスリン量が15~20%ほど多いという結果も出ているほどです。それほど、喫煙はインスリンに大きな影響を与えるのです。

糖尿病と喫煙、具体的な症状一覧

糖尿病と喫煙には密接な関係があり、早めに禁煙を始めることで糖尿病のリスクを予防できます。早めの禁煙を心がけるために、糖尿病と喫煙によってどのような症状や病気を招くのか紹介しましょう。

糖尿病と喫煙、現れやすい症状一覧

さまざまな健康被害を及ぼす喫煙は、糖尿病にも大きな影響を与えます。では、喫煙していることによって、どのような症状が現れるのでしょうか?

  • 血糖値が高い状態が続く
  • 体重が増える
  • 喉が渇く
  • 血行不良によって手足の冷えやしびれなどを感じる
  • 眠りが浅くなり、睡眠不足である

上記にあげた症状は、喫煙者なら一度は経験することの多いものから、糖尿病ならではの特徴までを含んでいます。特に糖尿病と関連があるのは、タバコを吸うことによって血糖値の高い状態が続くという点です。先に紹介した、喫煙によって交感神経が優位になることとも関係しているといえるでしょう。
また、体重増加や喉の渇き、手足のしびれなども、糖尿病を患っているときに感じやすい症状になります。さまざまな不調に悩まされることになるため、糖尿病と喫煙両方についてしっかり意識することが大切です。

喫煙によってリスクの高まる糖尿病関連の病気

喫煙は、糖尿病をはじめさまざまな病気の引き金になると同時に、すでに発症している病気を進行させてしまう要素も持っています。ここでは、喫煙によってリスクの高まる、糖尿病関連の病気について解説します。

動脈硬化や心筋梗塞

タバコに含まれるニコチンは、全身の血行不良を招きます。さらに、何百種類ものの有害物質を体内に取り込むことになり、さまざまな病気を招くことにもなるのです。喫煙と糖尿病において恐ろしい病気に動脈硬化や心筋梗塞があげられ、どれも血行障害によって生じるという特徴を持っています。動脈硬化は心臓の血行不良によって生じますし、心筋梗塞はある部分で血流が止まってしまうことで発症します。

合併症のリスクも高まる

長年喫煙を続けていることで、糖尿病の合併症にかかるリスクも高まります。合併症にはさまざまな種類があげられますが、タバコによって血糖値の高い状態が続くことですべての合併症のリスクが高まるといえるでしょう。喫煙によって発症する確率が高まる合併症について、以下に紹介します。

・腎症
2型糖尿病患者で喫煙者と非喫煙者を比較すると、腎症にかかる確率は喫煙者の方が2倍も高くなるという結果も出ているほど、タバコの影響は大きいです。糖尿病の合併症のひとつである腎症は、徐々に病気が進行するという特徴を持っています。
血糖値の高い状態が続き、動脈硬化が進行することで腎症のリスクが高まっていきます。はっきりとした原因はまだわかっていないものの、タンパク質が尿の中に出てきたり、血圧が上昇するといった症状が現れやすいです。その後、むくみや息切れ、食欲不振などの症状を経て、手足のしびれや嘔吐などへと発展します。最終段階になると、透析を受けるしかない病気です。
このように徐々に病状が進行していく腎症は、喫煙によって発症リスクを高めてしまいます。よって、糖尿病合併症を予防するためにも禁煙は不可欠なのです。

・神経障害
糖尿病の合併症の中には、神経障害と呼ばれる症状もあります。自律神経や運動神経などにおいて症状を感じるようになり、糖尿病が進行するとともに感じやすくなります。さらに、喫煙によって自律神経を刺激してしまうことからも、神経障害を悪化させる恐れがあります。
血圧や体温などを調節する自律神経が影響を受けることで、火照りや冷え、発汗異常や胃腸障害などを感じるようになります。一方、運動神経が影響を受けると、手足のしびれや足の壊疽、顔面神経麻痺などを引き起こすリスクも高まるため、糖尿病を患っている人は禁煙を心がけたいです。
喫煙によって、知らず知らずのうちに寿命を縮めてしまうことになるため、早期に禁煙することが重要です。

糖尿病を予防・治療していくための禁煙を始めよう

喫煙と糖尿病には深い関係があり、禁煙を始めることで糖尿病の予防や改善にも効果が期待できます。禁煙は、始めようと思ってもなかなかうまくいかないというケースが多いです。それほど依存性の高いタバコとしっかり向き合っていくために、禁煙の始め方や禁煙外来の利用などについて考えてみましょう。

禁煙の始め方のポイント

喫煙と糖尿病には深い関係があり、禁煙を始めることで糖尿病の予防や改善にも効果が期待できます。禁煙は、始めようと思ってもなかなかうまくいかないというケースが多いです。それほど依存性の高いタバコとしっかり向き合っていくために、禁煙の始め方や禁煙外来の利用などについて考えてみましょう。

禁煙の始め方のポイント

禁煙を始めるにあたって、いくつかのポイントを押さえておくと効率よく進められます。そこで、以下の点に気をつけながら禁煙を始めてみましょう。

・禁煙開始日を決めよう!
禁煙開始日禁煙を始めるにあたって、いつから禁煙を開始するのかという日をきちんと決めましょう。自分にとって覚えやすい日にスタートする、吸う本数が少ない日から禁煙を始めてみるなど、自身の喫煙スタイルに合わせて開始日を決めるのがポイントです。
そして、禁煙開始日を決めたら、カレンダーに印をつけておきましょう。いつから始めたか忘れずに済み、家族共有のカレンダーに記しておくと家族がサポートしてくれるというメリットもあります。カレンダーに印をつけると同時に、なぜ禁煙したいのかという理由も明らかにしておくことをおすすめします。理由を明確にしておくことで、タバコを吸いたくなったときに踏みとどまることができるでしょう。しっかりとした意思を持って続けるために、禁煙開始日と禁煙する理由を決めておくと安心です。

 

・吸いたくなったときの対処法を決めておこう
禁煙をスタートしたもののさっそく吸いたくなってしまう、一日がやけに長く感じるなど、禁煙を始めて間もない頃は壁にぶつかることも多いです。そこで重要となるのが、タバコを吸いたいという気持ちの対処法です。以下を参考に、自身の対処法も考えてみましょう。

  1. 食後はすぐに歯磨きをして、吸いたくなる気持ちを取り払う
  2. 吸いたいと思ったときにできる気分転換を見つけておく
  3. コーヒーとタバコはセットだったが、コーヒーではなく紅茶に変えてみる
  4. 車の中では深呼吸をしてみる
  5. お酒の席でタバコを吸いたくなったら、いつでも水を飲めるようにしておく
  6. 仕事の休憩時間は、同僚に禁煙していることを伝える

日常生活の中で、タバコを吸いたいと思う瞬間はたくさんあるでしょう。生活のシーンごとに考えてみながら、禁煙をできるように対策を取ることが大切です。

禁煙外来を利用しよう

禁煙を始めようと思い立ったものの、うまく続けられないという人も多いでしょう。そんなときは、禁煙外来を利用してみましょう。禁煙外来は、総合病院やその他のさまざまな診療科目で診察を行っています。近くの病院でも気軽に相談することができ、禁煙を始めるきっかけにもなるでしょう。
禁煙外来を訪れると、医師が喫煙歴や生活習慣などを把握し、ひとりひとりに合った方法で禁煙のアドバイスを行います。禁煙補助薬の処方や禁煙中の症状への対策などを実施し、禁煙をサポートしてくれるのです。
タバコがやめられない「ニコチン依存性」は、今ではきちんとした病気として認定されています。一定の条件を満たすことで健康保険が適用されるようになり、今では多くの人が禁煙の治療を受けているほどです。
自分一人では禁煙ができないというときは、気軽に医師に相談しましょう。そして、アドバイスを受けながら禁煙生活を始めていくと、糖尿病などの生活習慣病のリスクも下げることができます。

禁煙すると、こんなにも嬉しいメリットがある!

喫煙と糖尿病には深い関係があり、タバコは糖尿病以外の病気を招く要因にもなります。そこで心がけたい禁煙ですが、一人で始める方法以外に禁煙外来を頼るという方法も存在します。少しでも早く禁煙生活に入ることで、さまざまな病気を予防することができるでしょう。禁煙することで得られる嬉しいメリットはたくさんあります。その一部を紹介しましょう。

味覚、嗅覚が敏感になり食事を楽しめるようになる
禁煙を始めて数日経った頃に感じる嬉しい変化に、味覚と嗅覚が敏感になるという点があげられます。その結果、食事を楽しめるようになり、タバコのことを徐々に忘れられるようになるでしょう。糖尿病の予防につながる料理を心がけることができ、薄味でも美味しいと感じられるようになります。
嗅覚も敏感になるため、日常生活において今まで以上に食事を楽しむことができるでしょう。

タバコ臭さから開放される
タバコ臭さタバコを吸っている人にとって、タバコ特有の臭いはさほど気にならず、むしろ良い匂いと感じているかもしれません。しかし、タバコを吸わない人にとって、タバコの臭いは強烈です。
このような強い臭いに関しても、禁煙することですっきり開放されます。衣類や部屋にタバコの臭いが染み付かなくなり、家族にとっても快適な日々が続くでしょう。タバコの臭いは、一度染み付くとなかなか取れません。早めの禁煙を心がけて、タバコ特有の臭いから開放されましょう。

 

禁煙によって生活習慣病のリスクが下がる
喫煙と糖尿病には深い関係があると紹介してきたことからもわかるように、禁煙を心がけることで糖尿病をはじめとした、さまざまな生活習慣病のリスクを下げることができます。
生活習慣病には、糖尿病以外にガンや心臓病など、恐ろしい病気がたくさん含まれます。そのような病気のリスクを下げることができるため、健康的な身体を取り戻せるのです。早めの禁煙で、いつまでも健康的に暮らしたいですね。

まとめ

喫煙は、血糖値の上昇やインスリンの働きを低下させるなど、糖尿病を招く要因になります。糖尿病以外の生活習慣病を招く原因にもなり、少しでも早く禁煙生活を始めることが大切です。
自身で目標を立てて禁煙生活に励むと同時に、禁煙外来も利用してみましょう。医師が的確なアドバイスをくれるため、効率よく禁煙生活を続けられるようになります。大きな病気で健康を損ねてしまわないよう、早めの禁煙を心がけましょう。

 

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