テーマ:糖尿病

糖尿病と年齢の関係とは

糖尿病と年齢に関する基礎知識

弊社の商品開発チームの医師監修
Q. 糖尿病と年齢にはどのような関係があるの?
A. 40代以降の人が発症しやすいといわれているものの、最近では20代や30代でも糖尿病患者が急増中です。単にインスリンの分泌が少なくなるだけでなく、生活習慣も大きく影響しているのです。

この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得している自然療法専門医。
スコッツ先生のプロフィール
https://gluco-help.com/media/lose-weight-diabetes27/

糖尿病と年齢の関係とは?

日本人の多くが発症している糖尿病、年々患者数は増加傾向にあります。発症するタイミングは人によって異なるものの、糖尿病に関しては年齢も関係しているといえます。ここでは、糖尿病と年齢の関係について見ていきましょう。

多くの場合、40代以降での羅患率が高い

糖尿病は、40代以降での羅漢率が高くなっています。少し前にはなりますが、2011年に厚生労働省が実施した調査では、40歳を過ぎた頃から糖尿病患者が増えてくるという点が明らかになっています。
40代において見てみると、男女ともに15%ほどの人が何らかの病気にかかっている、または予備軍という結果が出ているのです。その後、50代、60代と年齢を重ねていくにつれ、糖尿病を発症する確率は高まっていきます。
年齢とともに糖尿病を発症する確率が高まる理由としては、加齢によってインスリンの分泌が少なくなり、さらに分泌されたインスリンの働きも鈍くなってしまうという点があげられます。
インスリンの働きが鈍くなるだけでなく、加齢に伴って全身の動脈硬化も加速していきます。その結果、高血圧や脂質異常症、糖尿病合併症などを引き起こすリスクも高まるのです。自覚症状があまりないとされている糖尿病は、加齢に伴って発症するリスクが高まっていくため、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。

20代といった若い世代でも糖尿病の危険性はある

糖尿病は、40代以降から中高年、高齢者にかけて発症する確率が高まっていきます。しかし、最近では20代や30代といった若い世代でも糖尿病を発症する人が増加中です。糖尿病というと肥満体型の人が多いように感じられますが、細くて若い人でも糖尿病を発症しているのです。
20代というと健康診断を受ける機会も少なく、自覚症状があまり感じられない糖尿病に関しては発見が遅れがちになります。「血糖値が少し高いですね」と病院でいわれたり、喉が渇く、トイレが近くなるなどの異変を感じたら、糖尿病にかかっているかもしれません。
若くても糖尿病にかかることはあるということを念頭に置き、日々自身の身体で異変が起きていないか確認しましょう。若くして糖尿病を発症した場合、その先ずっと病気と向き合っていかなければなりません。誰にでもリスクのある若い世代の糖尿病、日頃から健康チェックも欠かさないようにしておくと安心でしょう。

糖尿病の種類によって発症する年齢が異なる

20代などの若い世代から、40代以降の中高年、高齢者と、糖尿病を発症する年齢は、幅が広くなっています。この年齢の幅は、糖尿病の種類によっても異なることを理解しておきましょう。ここでは、糖尿病の種類と発症する年齢について紹介します。

1型糖尿病

1型糖尿病は、一般的には小児から思春期において発症する確率が高いとされていますが、実際には30歳以上において発症するケースも多くなっています。1型糖尿病は、膵臓のβ細胞が破壊されることで発症する病気です。
自己免疫によって起こる病気ともされており、発症すると体内でインスリンを分泌できなくなってしまいます。インスリンがない状態に陥ると、ブドウ糖を細胞内に取り込むことができなくなり、血管の中にあふれていきます。その結果、高血糖の状態が続くようになり、糖尿病をはじめ合併症のリスクが高まっていくのです。
1型糖尿病の治療法としては、膵臓の移植、一生にわたってインスリンの自己注射などが必須となります。日本においてはほとんどの人が2型糖尿病であるとされていますが、1型糖尿病に関してはインスリンの補充が欠かせません。2型糖尿病は、一度発症すると、生涯付き合っていかなければならない病気なのです。現在の医学では治らないとされている1型糖尿病、日々の研究や医療の進歩によって治る日が来るとよいです。

2型糖尿病

糖尿病を患っている人において日本人のほとんどが、2型糖尿病であるとされています。膵臓で作られるインスリンの量が不足している、インスリンの働きが悪いなどが原因で発症するのが2型糖尿病です。
日本人の成人において、およそ95%が2型糖尿病といわれているほどです。自覚症状がほとんどないため、会社の健康診断で気づくケースが多いです。中高年の人に多い病気とされてきた糖尿病ですが、近年では食の欧米化や生活習慣などによって若い世代でも発症する人が増えています。
2型糖尿病においては、一度発症すると食事療法や運動療法などを継続していかなければなりません。食べ物に制限が出てくるなど、日常生活において不便さや窮屈さを感じることも多々あります。多くの人が発症している2型糖尿病は、年齢関係なくかかるリスクがあるということを理解しておきましょう。

糖尿病の初期症状を見逃さないようにしよう

糖尿病には1型と2型といった種類があり、発症する年代や症状の特徴などがそれぞれ異なります。自覚症状がほとんどないとされる糖尿病ですが、よくよく自身の体調と向き合っていると気づく面もあります。糖尿病の初期症状を見逃さないように、以下のポイントを押さえてみましょう。1型糖尿病と2型糖尿病、それぞれに分けて初期症状を紹介します。

1型糖尿病の初期症状

1型糖尿病に関しては、いきなり症状が現れることがあります。以下の症状が気になったら、早めに病院を受診しましょう。

  1. いつもより喉が渇く
  2. トイレが近くなる
  3. 急に体重が減った
  4. 疲れがひどい

いつもより疲れ方が違う、急にトイレの回数が増えたといった異変を感じたら1型糖尿病の可能性があります。その他、喉の渇きや体重の減少など、健康的であればさほど気にならない症状が目立つようになります。1型糖尿病は生涯にわたって付き合っていかなければならない病気となっているため、早期発見と治療で少しでも症状を軽減しながら過ごせるようにしていきたいです。

2型糖尿病の初期症状

日本人のほとんどが2型糖尿病とされている中で、診断されるまでには以下のような初期症状が現れます。

    • 頻尿疲れを感じやすくなった
    • 皮膚が乾燥して痒い
    • 感染症にかかりやすくなった
    • トイレの回数が多くなった
    • 手足の感覚が鈍ったようになり、ときどきチクチク感もある
    • 目がかすむことがある
    • EDで性行為が難しくなった
    • 切り傷などの怪我が治りにくい
    • 空腹感を感じることが多い
    • とにかく喉が渇く

1型糖尿病と比べて2型糖尿病は、さまざまな症状を感じやすいです。いつもとはちょっと様子が違うと感じた時点で、早めに病院での診察を受けましょう。会社の健康診断で気づくケースが多くなっている糖尿病ですが、会社に勤務していない人も年に一度の健康診断を受けるようにしておくと安心です。初期症状を感じて、早く病院に向かうことで、糖尿病の治療を始めることができます。現代の日本人では糖尿病を発症する人が増えているため、他人事と思わず、意識することが大切です。

若くても糖尿病にならないよう生活に気を付けよう

糖尿病は、若くしても発症する病気です。特に若い世代に多いとされている1型糖尿病を防ぐためにも、日々の生活に気をつけてみましょう。現代人に多い生活スタイルが、知らず知らずのうちに糖尿病を招いている恐れがあります。そこで、以下の点に注意しながら、毎日を過ごしてみましょう。

タバコやアルコールは適量を心がける

20代や30代の人にとって、タバコやアルコールはもはや日常生活の一部になっているかもしれません。タバコを始めたらやめられなくなった、毎週飲み会でアルコールは欠かせないといった生活が続いている若者も多いでしょう。タバコとアルコールは、どちらも糖尿病を招き、症状を悪化させてしまいます。
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させるため、血糖値が上昇しやすくなります。一方、アルコールに関しては、肝臓で分解されるときに糖を放出するため、血糖値が上昇しやすいです。さらにアルコールを過剰摂取することで、肥満や脂肪肝などを招き、血糖値が下がりにくい状態が続くようになります。
タバコもアルコールも糖尿病を招く要因となるため、適量を心がけ、できれば控えるようにしていくとよいでしょう。最近、若い人の間では電子タバコを使用する人も増えており、徐々にタバコから遠ざかりつつあります。それでもやっぱりタバコがよいという人も多いため、糖尿病をはじめさまざまな病気のリスクがあることを知っておくことが大切です。
アルコールも、飲みすぎにならないように加減してみましょう。楽しいお酒の場では、適量を飲むのがベストです。糖尿病を悪化させる要因にもなってしまうため、アルコールは適量または控えめを心がけると安心でしょう。

暴飲暴食は避ける

糖尿病は、暴飲暴食によっても発症するリスクが高まります。好きなものを好きなだけ食べるといった生活を続けている若者も多いかと思いますが、このような生活を続けているといつしか糖尿病を招くことになります。
暴飲暴食のなかでも、早食い、ドカ食い、だらだら食いはやめましょう。血糖値の急上昇を招き、体内には糖があふれ糖化を引き起こします。いきなり食べ物を食べることで、インスリンの分泌が血糖値の上昇に間に合わなくなってしまうのです。
このような暴飲暴食を避けるためには、ダラダラ食いはやめて、食間は2~3時間ほど空けるようにしましょう。空腹を感じたときに、適量の食事をしっかり噛みながら食べることが大事です。

また、食事の時間も、ある程度決めておくとよいでしょう。学校や会社などの都合によって、食事の時間が前後することもあります。そんなときは食べる量や内容に注目し、身体の負担にならないよう意識してみましょう。

ストレスは適度に発散する

若い世代でも増えつつある糖尿病は、他人事ではなくなってきています。特に、日々乱れた生活を送っている人は注意が必要です。タバコやアルコールを控える、暴飲暴食は避けるといったこととあわせて、ストレスも適度に発散しておきましょう。
人間関係や家庭内、社内などで、ストレスを抱えている人は多いです。目に見えないストレスは、気づいたときにはかなり溜まっていることもあります。そこで、定期的に気分転換を行い、リフレッシュしてみましょう。自分にとって、楽しいと思えることや息抜きとして感じられることを始めてみましょう。読書をする、旅行に出かける、映画を見る、買い物をするなど、趣味に夢中になる時間を作ると、ストレスを発散することができます。ストレスは、糖尿病以外にもさまざまな病気を引き起こす要因となります。イライラすると感じたら、早めにリフレッシュして、ストレスを発散しましょう。

まとめ

糖尿病は、幅広い年齢で発症する可能性が高い病気です。糖尿病を発症する年齢として多くなっているのが40代以降であり、中高年から高齢者にかけて増える傾向にあります。インスリンの分泌が悪くなり、血糖値をうまくコントロールできなくなってしまいます。
一方で、20代や30代といった若い世代においても、糖尿病を発症する人が増えており、注意が必要です。生活習慣やストレスなどが影響して、若くても糖尿病にかかる人が増えているのです。
糖尿病を予防・改善していくためには、自身の身体と日々向き合うこと、規則正しい生活を心がけ、食事や運動などを見直すことが大切です。糖尿病を発症すると、一生にわたって付き合っていかなければなりません。糖尿病から来る負担を軽減して私生活を楽しむためにも、日々の予防法や改善法は欠かせないでしょう。無理のない範囲で、糖尿病の予防や改善を行っていきましょう。

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