血糖値を改善するためには運動が欠かせません。と言っても、息切れがするような激しい運動は必要ありません。
「薬に頼らず健康的に血糖値を下げたい!」と思ったら、食後すぐ30分程度のウォーキングがとても効果的です。
目次
食後30分のウォーキングが効果的な4つの理由
理由1.食事で取り込んだ糖をすぐさま活動エネルギーとして消費できるから
ご飯やパン、うどんやパスタなど、普段私たちが主食としてしている炭水化物には多くの糖が含まれます。茶碗1杯のご飯(白米)の場合で約55g、角砂糖にして14個分にもなるので、食後には当然、血糖値が上昇します。
健康的な人であれば血糖値が上昇すると、ただちにインスリンの働きによって肝臓や筋肉に貯蔵され、適切に血糖値はコントロールされます。
しかし、インスリンの量が少なかったり、インスリンの働きが悪いと、血中の糖の濃度が下がらず「高血糖な状態」が続いてしまいます。
そのため、食後すぐにウォーキングすることによって、摂り込んだばかりの糖をすぐに活動エネルギーとして消費することで血糖値を下げることができ、すい臓をサポートすることになります。
理由2.内臓に集中する血液が全身に分散されて糖の消化・吸収を遅らせることができるから
食事をした後、眠くなることはありませんか?それは、食べたものを消化するために胃や腸に血液が集中し脳に酸素が回らなくなったり、内臓を働かせる際に副交感神経が優位になりリラックスすることが考えられますが、実は・・・
食後に強烈な眠気が襲う人は血糖値スパイクに要注意!
食後に血糖値が急激に上がるとインスリンが大量に分泌され、その反動で今度は血糖値が急降下し、低血糖に近い状態になるケースがあります。
この急激な血糖値の乱降下によって強烈な眠気や倦怠感、イライラなどに繋がり、血管にも大きなダメージを与えてしまうことになります。
なので、眠気はウォーキングで解消しましょう。
眠気解消のために仮眠をとってしまうと、副交感神経が優位になり消化・吸収を早めますが、食後のウォーキングで身体を動かすことで内臓に集中する血液が全身に分散し、糖の消化・吸収も遅くすることができます。
その結果、血糖値スパイクの改善にもつながります。
理由3.筋肉を刺激することで「GLUT4(グルットフォー)」を活性化させ細胞に糖を取り込みやすくなるから
人間の身体を動かす筋肉には、血中の糖を細胞に取り込んでくれる「GLUT4(グルットフォー)」というタンパク質の一種があります。
運動習慣のない人の場合、このGLUT4が眠っている状態でうまく働かないため、糖が細胞に取り込めず血糖値が上がりやすい体質になっています。
でも、大丈夫!
GLUT4はインスリンの命令がなくても、ウォーキングや軽い運動で筋肉を刺激することで活性化させることができ、せっせと糖を取り込んでくれるようになります。
しかも、一度活性化したGLUT4は2日ほど糖を取り込みやすい状態になるので、仕事などでなかなか時間が取れない場合にも、週に3回程度ウォーキングするだけでも効果を体感できます。(もちろん毎食後できれば効果大です)
理由4.適度な運動習慣は脂肪肝や脂肪筋から起こるインスリン抵抗性の改善にもつながるから
インスリンは出ているのに、正常に働かなくなってしまった状態をインスリン抵抗性と言い、その原因の1つに脂肪肝や脂肪筋が考えられます。
本来、脂肪を摂り込む肝臓や筋肉に脂肪が蓄積されてしまっていると、がんばってすい臓がインスリンを出しても、タンクが脂肪で一杯だと血糖値を下げることができません。
適度な運動習慣は、脂肪肝や脂肪筋から起こるインスリン抵抗性の改善につながりますので、ぜひ食後のウォーキングをはじめてみましょう。
実際に「食後に軽い運動をするだけでも血糖値を測定してみると明らかに下がっている。」という実感をする人も多いので、食後にウォーキングをしたときとしなかったときの血糖値を測定して、ご自身の血糖値の変化を比べてみてください。