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糖尿病の教育入院の期間・費用・内容

糖尿病と教育入院に関する基礎知識

弊社の商品開発チームの医師監修
Q. 糖尿病の教育入院とは?
A. 教育入院は、実際に入院して糖尿病治療のさまざまな指導を受けられる制度です。

この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得している自然療法専門医。
スコッツ先生のプロフィール
https://gluco-help.com/media/lose-weight-diabetes27/

糖尿病の教育入院とは?

糖尿病の治療は薬物治療のほかに食事療法と運動療法があります。薬物療法はそこまで難しくはありませんが、食事療法と運動療法を個人で続けられる人はあまり多くはありません。続けるのが難しいのにはさまざまな理由があります。

できない、またはするつもりがない

自覚症状がないため、自分がそこまで危険な状態だと感じていない人や、わかっていても面倒だからやりたくないという人もいます。また、恐怖や悲しみから病気になってしまったことを認めたくなくて、治療に気持ちが向いていかないということもあります。

治療をしなければいけないとわかっているが行動に移せない

治療をすることに関して迷いがある場合や、先延ばしにしたい人、やらなければいけないが心の準備ができていない人がこれにあたります。

する予定ではいる

そろそろ始めるつもりで、いろいろと調べている人や、少しは実践している人がこれにあたりますが、本格的ではありません。

始めたばかり

やる気はあって始めた人や、数か月は実践した人たちがこれにあたりますが、途中で挫折してやめてしまった人も多いです。

こういう人たちのために、病院に入院して薬剤師による薬の説明、理学療法士による運動指導、栄養管理士による栄養指導を受け、実践的に学んでいくというのが糖尿病の教育入院です。病院によっては、血糖コントロールを第一の目的とはしていないところもありますが、長い目で見ればそれは正しいといえます。入院中だけ血糖コントロールがうまくいっても意味がないからです。

入院時は、糖尿病を改善する方法も学びますが、どちらかというと、健康な人と同じような生活をしていくための方法を学ぶというのが、正確な表現になります。もちろん、入院している間は治療を実践していきますので、実際の糖尿病の病状を回復することにもつながります。そうして治療法を学んでいくことで、退院したときも自宅で実践していけるようになります。

具体的にどんなことをするのか?

・入院に関してのオリエンテーション
スケジュール、検査などの説明、身長体重測定、外泊指導などがあります。

・各種検査
採血・採尿、24時間蓄尿検査、頭部CTまたはMRI・MRA検査、胸部レントゲン検査、腹部CT、頸動脈超音波など神経障害のテストや心機図による動脈硬化検査、そのほか心電図、X線検査、R−R間隔検査、腎機能検査、血糖値測定指導などがあります。

・学習
糖尿病の治療、合併症、低血糖、自己管理方法などビデオ学習や医師による講義で、糖尿病についての知識を学んでいきます。

・薬物療法
薬についての基礎知識や、自分が使用する薬の説明などがあり、正しい使い方やタイミングについて学びます。インスリン注射や自己血糖測定のある人は、実際に指導を受けながら体験しますので、自分でできるようになります。副作用や低血糖になったときの、対処方法などの使用時に注意する点も学べます。

・食事療法
栄養士による栄養指導や相談、食品変換表を使って献立の作成などを体験し、今までの食生活の見直しをします。病院で出される食事は、食事療法に基づいて作られた治療食ですので、実際にそれを摂取することで、どのような食事が摂取可能なのかを学んでいきます。

・運動療法の実践など
リハビリ科での診察や、理学療法士から運動療法についての講義があります。患者一人ひとりに合わせた運動プログラムが作成されます。運動の実践や体力の測定などがありますので、動きやすい服を用意する必要があります。

・回診
医師による回診が定期的に行われます。

そのほか病状の進行具合によっても、足の怪我の予防や確認方法(フットケア指導)などが実施されます。また、家族に来院してもらい一緒に説明を受けることで、家族にも治療についての理解を深めてもらうこともあります。

糖尿病のスケジュール(クリニカルパス)とは?

実際に教育入院したときにどのようなスケジュールで進んでいくかというのは、教育入院を希望している人にとっては気になるところです。入院中にどんな治療予定になっているかをスケジュール表のようにまとめたものを「クリニカルパス(クリティカルパス)」といいます。患者用に作られたものと、スタッフ用に作られるものがあります。

糖尿病の教育入院では、多くの病院がこのクリニカルパスを公開していますので、入院を希望している病院のホームページを確認するか、病院に直接問い合わせてみましょう。実際の教育入院のクリニカルパスがどのようになっているのかというのは、どのくらい滞在するのかでも変わってきますが、一例としては以下のようなものがあります。

1日目・・・身長体重測定、採血、血糖値測定、糖尿病についてのパンフレット配布、食事療法、薬物療法、自己管理指導(血糖測定)

2日目・・・24時間蓄尿、血糖値測定、DVDによる学習、栄養士による栄養指導、薬についての説明、運動療法の説明、自己管理指導(血糖測定、記入指導)

3日目・・・24時間蓄尿の終了、血糖値測定、DVDによる学習、栄養士による栄養指導、リハビリの運動療法実践、血糖測定の練習

上記はあくまで例であり、どういうスケジュールを組んでいるかは病院により異なります。気になる場合は事前に病院に確認してみましょう。

糖尿病の教育入院の期間、費用

【期間】
期間は短いもので2泊3日、5泊6日、1週間ですが、2〜3週間ぐらいで実施しているところが多いです。あまり短すぎても、知識はつくかもしれませんが習慣として定着しないこともあるため、ある程度長い期間入院することをおすすめします。

【費用】
健康保険が適用されますので、3割負担の場合だと以下が大体の相場になります。

  • 2泊3日・・・約33,000円
  • 5泊6日〜7泊8日・・・約70,000円
  • 2週間・・・約160,000円

食事費用など、病院によって一部別料金になっているものもありますので、病院で事前に確認する必要があります。教育入院は費用はかかりますが、ちゃんとした病院を選べば病状はよくなるはずですので、プラスになることは間違いありません。健康になるための投資だと思って入院を検討してみるのも悪くはないでしょう。

病院選びは慎重に

あまり大きくない病院などは、設備が整っていなかったり人が少なかったりで、十分な教育が受けられない可能性があります。そういうこともあってか、教育入院をする前に事前に病院についての情報を調べる人が多いですが、それが正解です。病院側もそういうことをわかっているため、クリニカルパスを公開しているところが多いのです。

教育入院は病院の看護チームをはじめ、栄養チーム、薬剤チーム、検査チーム、リハビリチームなどの医療チームが一丸となって指導をしてもらえるのが普通です。ですから、そういう雰囲気が感じられない病院を選ぶのは避けたほうがいいでしょう。少なくともホームページを必ず確認することで、ある程度の情報は得られます。

一番いいのは実際に教育入院をした人の話を聞いてみることですので、身近にそういう人がいる場合は参考にしてみましょう。せっかく入院しても糖尿病についての知識を得られなかったり、健康な人と同じような生活をしていくための方法を学ベなければ意味がありません。

おすすめなのは、ただ教育のためにビデオや講義をしているだけではなく、実践を多く取り入れている病院を選ぶことです。そのほうが退院したときにも自宅で実践しやすくなります。そのためには事前の確認が大事ですので、病院に問い合わせたり、クリニカルパスをよく確認してから入院を決めましょう。

自宅入院とは?

今はあまり実践している人がいませんが、教育入院には及ばないものの、自宅で簡単に食事療法を実践できる方法として、「自宅入院」というものがあります。これは、自宅で食事療法ができない人たちのために開発された「エネルギー調整食」を宅配注文することで、食事療法を実践しようというものです。

エネルギー調整食は、日本糖尿病学会の「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」や消費者庁の「食事療法用宅配食品等栄養指針」に基づいてつくられた、糖尿病の人のための食事です。エネルギー調整食を提供している業者はいくつかあり、インターネットからも注文可能で、宅配してもらえます。

飽きないようにメニューは和・洋・中バラエティーに富んでおり豊富な種類があります。プロの栄養士が作成した治療食を自宅まで届けてもらえて、1食600〜800円なら決して高くはない値段です。

メリットは、教育入院の費用がかからないため節約できることと、教育入院のように期間限定ではないので、始めてからやめるまでは、ずっと食事療法を実践できることです。また、難しい食事療法についての知識がなくても実践ができるという点も実践ができない人にとってはありがたいことです。

また、仕事などで忙しくて料理をする時間がない人にとっても助かる選択肢です。食事療法をすればよくなるものを、忙しくて料理ができずに病気を悪化させてしまっては意味がありません。

デメリットとしては、教育入院のように一貫した指導を受けられないため、糖尿病の知識はつかず、食事療法の効果しか得られないということです。ただしこれについては、しばらくエネルギー調整食を注文している間に、食事の内容を確認しながら食事療法について学んでいくという方法もあります。

そして、ある程度学べたと感じたら、注文をやめて自分で実践するといいでしょう。もしできなければ、また注文を再開すればいいだけです。

また、もう一つの解消方法としては、最初は教育入院をしてそれからは自宅入院に切り替えるという方法もあります。ただし、運動療法は自分で実践しなければなりませんので、入院のときにしっかり指導してもらうことが必要になります。

この方法は、教育入院と今までの自宅療法の中間に位置する治療方法です。実践できるのであれば、効果的な方法ではありますが、やはり続けられるかがポイントです。どちらにしろ、ちゃんと血糖コントロールを改善しようという意志が必要になります。食べるのが好きで食事制限が辛い人にとってはこの方法は向かないかもしれません。

もしこの方法の実践に興味がある場合は、担当医師に相談して指示をあおぎましょう。

自分で治療を実践できないなら教育入院の検討を

いきなり糖尿病と診断された人にとっては、急に食事を制限しろとか運動を毎日しろといわれてもなかなか実践できるものではありません。逆をいえば、そういうことができていなかったから糖尿病になったともいえるからです。

そのために作られたのが教育入院という制度でもありますので、自分で実践できる自信がないなら検討してみたほうがいいでしょう。糖尿病は食事療法と運動療法をしっかり実践していかなければ、悪化していく一方です。薬も治療のひとつですが、それだけでは改善していくのは難しいでしょう。

糖尿病が改善しなくて嘆いている人は、ほとんどの人が食事療法と運動療法を実践できていない人たちです。教育入院が必要ないといわれても、自分が知識を学んでおきたいのであればおすすめです。また、妊娠糖尿病になってしまった人は、赤ちゃんのためにも教育入院をしておくと安心できます。

まとめ

糖尿病の教育入院に適している人は、以下のような人たちです。

  • 糖尿病の疑いがあると診断された人
  • 糖尿病だと診断され治療を開始した人
  • 糖尿病の治療を開始したが、なかなか生活習慣の改善ができない人
  • 糖尿病の治療の知識を得たい人

ほとんどの場合、糖尿病になりはじめの人たちに推奨されますが、病状がそれなりに進行している人にもおすすめです。当然生活習慣の改善にもなりますが、病院に入院することで、いつ何が起きても大丈夫だという安心感があります。病状が進行している人は、合併症を発症する可能性があるため、何かが起きてもすぐに対応できます。シックデイになったときにも安心です。

糖尿病は患者自身が治療をするものだとよくいわれます。血糖コントロールをうまくするためには、1日の中で何度も血糖値を確認するほうが効率的に治療できます。そうして最適なタイミングで治療薬を使用することで、血糖値の上昇をうまく抑えられます。また、食事療法についても、教育入院でもない限りは病院側が毎日食事を用意してくれる訳ではありません。

運動療法に関しては完全に患者自身がやらなくてはいけないことです。つまり、最初から自分で治療をするのだという意識を持ってのぞまなければなりません。ただし、あまり真剣になりすぎても疲れてしまいますし、長続きしなくなりますので、適度に力を抜きながら治療していきましょう。

 

 

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