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糖尿病は治るのか?

糖尿病完治に関する基礎知識

弊社の商品開発チームの医師監修
Q. 糖尿病は治る病気ですか?
A. 完治は難しいですが、しっかり治療を続ければ、「治った」状態を維持できる病気です。

この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得している自然療法専門医。
スコッツ先生のプロフィール
https://gluco-help.com/media/lose-weight-diabetes27/

 

糖尿病は治る病気?

糖尿病は治らない病気だと時々いわれることがあります。糖尿病になってしまった人や、予備群の人はそういう情報をどこかで聞いて、ひどく落ち込んでしまう人も少なくありません。ですが、これは正しい情報とはいえません。確かに結論からいうと、治るとはいえません。

その理由は、糖尿病はそもそも治るという表現が当てはまらない病気だからです。これは一体どういうことなのでしょうか。糖尿病は簡単にいうと、血糖値が上がりすぎてしまうことで、さまざまな病気を引き起こしてしまう病気です。糖尿病の治療法はいくつかありますが、どの方法で治療するとしても血糖値を下げることが基本になっています。
血糖値が上がりやすい体質になっている場合、その体質を変えることは簡単ではないため、血糖値を下げるための治療を続ける必要があります。

ですからそういう意味で、治療に終わりはありません。ですが、完治とはいわないまでも血糖値を改善することで、健康な人と同じような生活を送ることができますし、症状が改善してくれば治療や通院の頻度も少なくなってきます。ですから、糖尿病は治らないといわれているからといって、必要以上に恐れることはありません。

血糖値を下げることで症状が改善

糖尿病は血糖値が上がりすぎることにより、さまざまな合併症を引き起こします。これは、逆をいえば、血糖値を下げることができれば症状を改善させることができるということです。血糖値を下げる方法は、おもに食事療法・運動療法・薬物療法の3つです。

正しく治療を続けていれば、これらの治療方法でかなりの改善が見られます。ですが、長期的に続けていかなければならないため、なかなか大変な部分もあります。ですから治療時には、ある程度の忍耐力と継続力を持って臨む必要があるのです。

糖尿病1型と2型でも若干の違いがある

糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があり、病状や治療方法に違いがあります。どちらもインスリンの量が減ったり、インスリンへの抵抗性が高くなることで、血糖値を下げることができなくなり、糖尿病へと進行していきます。

1型糖尿病

1型糖尿病はリンパ球のはたらきに異常が生じ、すい臓にあるβ(ベータ)細胞を破壊してしまうことで起こります。β細胞が破壊されてしまうと、インスリンをつくりだすことができなくなってしまうため、血糖値の上昇を抑えることができずさまざまな病気の原因になります。

1型の人はすい臓でつくられるインスリンが少ないかまったくないため、血糖値を下げる作用もほとんど機能しません。そのため、どうしても薬物療法でインスリンを投与する必要がでてきますので、現段階では治療に終わりはないといえます。ですが、医学は進歩しておりインスリンを作ることができるように、研究が進められています。

2型糖尿病

患者の9割以上の人が2型糖尿病です。2型糖尿病のはっきりとした原因はまだわかっていませんが、原因として考えられているのは、血糖値が高くなりやすい体質、加齢やストレス、食べ過ぎや栄養バランスが悪いなどの食生活の乱れ、運動不足などが原因になると考えられています。

発症するのは基本的には中高年が多いですが、近年では生活習慣や環境の変化から、子どもでも2型糖尿病になってしまうことがありますので注意が必要です。
1型糖尿病は、特定の遺伝要因による自己免疫異常が原因でなるとされています。生活習慣とは関係なく発症し、加齢とともに増える2型糖尿病と違って、子供や10〜20代などの若い人でも発症することがあります。

1型と2型以外のタイプで、ホルモンの分泌異常や、妊娠をしたことが原因で発症する「妊娠糖尿病」もあります。

そもそもなぜ血糖値は上がるのか?

血糖値が高くなる原因は大きく分けて3つあり、原因のほとんどはインスリンの分泌量が減ってしまうことにあります。人間の血糖値は1日の中で変動しており、誰でも高くなることがあります。インスリンはすい臓でつくられ、血糖値を下げる働きがあるため、インスリンの分泌量が減ってしまうと、血糖値を下げることが難しくなり、高血糖の状態が続いてしまうことになるのです。
血糖値が上がる2つ目の原因は、血糖値を上昇させる副腎皮質ホルモン・甲状腺ホルモン・副腎髄質ホルモンなどが増えすぎてしまうことです。これは、クッシング症候群・アルドステロン症・甲状腺機能亢進症などの病気が原因で起こります。そして、3つ目の原因は栄養の貯蔵庫である肝臓の働きに異常が起きて、血糖が過剰に供給されてしまうことです。

血糖値を下げる方法

糖尿病の治療方法はいくつかあり、大きく分けて食事療法・運動療法・薬物療法の3つがあります。これらは異なる治療法ですが、いずれも血糖値をコントロールすることを目的としています。そのため、すべての方法を試すとより効果があります。

ですが治療といっても、通常の病気と違ってただ医師に任せておけばいいというわけではありません。むしろ、糖尿病患者が積極的に治療を実践していかなければならないのです。

食事療法

一般的に血糖値は食事をすることで上がりますので、食事をしなければ血糖値は上がらないという考えを持つ人もいるかもしれませんが、重要なのは何をどう食べるかということです。生きるためには糖以外にもさまざまな栄養が必要です。何も食べないでいると、体調を崩して他の病気になってしまうことにもなりますので注意が必要です。

そのためには食事のメニューを極端に変えるよりも、今までのメニューを糖尿病用に変えたものにするほうが効果的ですし、続けやすいでしょう。健康的な食生活の基本的な事項としては、必要な栄養素をバランスよく摂ることと、過不足のない適切なカロリーを摂取することです。

推奨される食べ方

推奨される食べ方としては、血糖値の上がりやすい炭水化物などのものは後に食べることです。汁物や野菜などの副菜を先に食べることで、血糖値の上昇が緩やかになり、高血糖の防止になります。よく噛んで食べることも大事で、1口20〜30回噛むことでも血糖値や中性脂肪の上昇を緩やかにし、満腹感を感じられますので、食べ過ぎ防止にもなります。

そして「腹八分目」という言葉もあるように、お腹いっぱい食べるのではなく、7〜8割程度に止めることです。また、朝食を抜かないようにすることも大切です。朝食を抜いてしまうと、1日に食べる量が同じでも太りやすくなります。それに、朝食を食べていない分昼食時や夕食時の血糖値の上下が激しくなり、糖尿病悪化の原因になることがあります。

食べる時間が不規則になってしまう場合にも注意が必要です。現代人の食生活は乱れてきており、それがさまざまな生活習慣病の原因となっています。夕食はできれば寝る3時間前までには済ませましょう。夜遅くに食べてしまうと、食べた分のカロリーの消費ができずに太る原因になります。

また、長時間高血糖が続くことになりもなり、その反動で朝に血糖値が低くなりますので、朝食を食べ過ぎてしまい太ってしまうことになります。このように、夜遅く食べることが原因で太りやすくなる要素がたくさん増えてしまうのです。

塩分の摂りすぎも合併症の原因に

塩分を摂りすぎると血圧が高くなり、高血圧も高血糖と同じく合併症を引き起こす原因になってしまうため、気をつけなければいけません。味付けが濃いと、ご飯を多く食べてしまうなど、食べ過ぎの原因になる点にも注意が必要です。

アルコールの摂り過ぎは糖尿病の大敵

アルコールを摂り過ぎると糖尿病の原因になったり、塩分の摂り過ぎや食べ過ぎの原因にもなります。アルコール摂取量の目安としては、ビールなら500cc、日本酒なら1合程度であれば、身体に対して負担が少なくなります。アルコールは肝臓の動きを低下させ、低血糖になりやすくなります。
アルコールが原因で低血糖になると、低血糖状態になっているのに気付きにくかったり、意識を失っても酔っていると勘違いされほかの人に気付かれなかったり、元の血糖値に戻るのに時間がかかったりというデメリットが数多くあります。糖尿病の人にとって非常に危険なことにもなりますので、くれぐれもアルコールの大量摂取は控えましょう。

【運動療法】
運動療法も糖尿病の治療に効果的です。運動により筋肉量が増えるとインスリン抵抗性が減り、効きがよくなります。また、痩せることでもその効果は上がります。では、どういう運動が適しているのかというと有酸素運動です。有酸素運動は身体に酸素を十分取り入れながら行う運動方法で、ウォーキング・ジョギング・ランニング・エアロビクスなどがあります。

糖尿病は高齢者の方に多い点や始めやすい点を考慮すると、ウォーキングが一番おすすめです。普通の歩く速さよりも速く、走る速さよりも遅いスピードで30分くらい歩くと効果的です。有酸素運動はできれば毎日やるのが望ましいですが、続けることが大事ですので、最初は負担のないペースで始めるといいでしょう。

また、楽しんでやれるもののほうが長く続けられますので、形にとらわれずに何かできそうなことはないか探してみましょう。また、スマートフォンやスマートウォッチを使って運動量を記録しておくと、続けることが楽しくなります。

注意事項としては、医師に相談しながら運動することです。糖尿病の進行度合いによっては、合併症を併発している人もおり、運動のしすぎで悪化してしまう合併症もあるからです。また、特に夏場などの暑い日の運動時は、水分補給をこまめに行い脱水症状にならないように気をつけましょう。

インスリン療法などで、低血糖になる可能性がある場合は、念のために飴などの素早く糖分補給できるものを携帯しておくことも重要です。

【薬物療法】
インスリンは血糖値を下げることができる唯一のホルモンです。そのため、インスリンを直接体内に投与して補充するインスリン療法はとても効果的です。1型糖尿病はインスリンが恒常的に不足してしまうため、インスリン療法は必須といえます。では、2型糖尿病はどうかというと、食事療法や運動療法を行っても、あまり血糖コントロールに効果が出ないときに行われます。

インスリンの注射は患者自身が自宅で行います。血糖値は1日の間に何度も変動しますので、患者自身が行うほうが効果的だからです。インスリンを投与すると確実に血糖値を下げる効果が見込めますので、逆に下げすぎて低血糖になることがあります。
それを防ぐためには、医師の指示にしたがって、しっかりと自己管理する必要があります。なお、注射自体はボタンを押すだけで簡単にでき、痛みもほとんどありません。インスリン注射の種類はたくさんありますし、糖尿病の治療薬には飲み薬もあります。どちらも作用の異なるさまざまな種類があり、症状に応じて処方されます。

治療には早期発見、早期治療が大切

糖尿病は早く発見できればそれだけ治療の負担もなくて済みます。そのためには定期的な検診が必要になりますので、中高年の人は特に欠かさないようにしましょう。糖尿病は自覚症状の少ない病気ですので、糖尿病が発覚した時にはある程度進行している場合も少なくありません。

自覚症状を感じながらも、自分が糖尿病だと認めたくないがために、病院に行かないという人もいますが、さらに進行させてしまい深刻な合併症などを発症することもあります。くれぐれも、定期検診を欠かさないことと、少しでも異常を感じたら受診するのを忘れないようにしましょう。

まとめ

糖尿病治療の目的は、できるだけ健康な人と同じような生活が送れるようにすることです。治療を長く続けなくてはいけないといわれると、どうしても不安な気持ちになってしまうことでしょう。ですが、糖尿病の治療方法である食事療法・運動療法・病院の定期検診はいずれも健康を保つための良い習慣になります。

続けることで糖尿病の症状や合併症を改善・予防できるだけではなく、それ以外の病気の予防にもなります。誰しも加齢にともなってさまざまな病気を経験しますが、食事や運動に気を使って健康状態を保っていれば、その可能性は激減します。もし糖尿病や予備群になってしまった場合、落ち込んだり避けようとしても、良くなるわけではありません。ですから、むしろそれをいい機会だと捉えて健康な生活を送れるようにしましょう。

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