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糖尿病性EDでも諦めない!早めの対策が改善のカギ

糖尿病とEDに関する基礎知識

弊社の商品開発チームの医師監修
Q. 糖尿病とEDは関係があるのでしょうか?
A. はい。糖尿病とEDには強い関連があります。糖尿病性EDの場合には、血糖コントロールを十分に行った上で改善のための対策を講じることが必要になります。そして、それらを早期に行うほど、良好な予後が期待できます。

この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得している自然療法専門医。
スコッツ先生のプロフィール
https://gluco-help.com/media/lose-weight-diabetes27/

EDとは?

ED(Erectile Dysfunction)とは、「勃起障害」のことです。医学的には、「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか維持できない状態が、持続または再発すること」と定義されています。以前はインポテンスと呼ばれましたが、性的不能というこの表現は差別的であることから、現在ではEDといいます。

EDの症状には、まったく勃起しない状態から、勃起して性行為できるものの硬さが足りない状態まで、さまざまな程度があります。ここでポイントとなるのは、EDの医学的定義にある「満足な性行為」という表現です。勃起の程度がどうであれ、自分が満足できる性行為ができない状態になった場合、それはもうEDだといえるのです。すなわち、勃起に関して”何かおかしい“、”これでは困る”と感じることが複数回あった時点で、EDの治療対象になるということです。

EDの患者数は、日本国内では推計1,130万人で、40歳以上の男性の3人に1人が該当するといわれています。それほど身近なものですが、医療機関を受診しているのは推計8%で、欧米に比較するとかなり低い割合になっています。EDを性的な問題として捉えることで、羞恥心や諦めのために受診に至らないのだと考えられますが、EDは全身的な疾患の前兆となる場合もあるのです。また、現在は効果の高い内服薬も存在していますので、症状を感じたら早めに医療機関を受診することをおすすめします。

EDの原因

EDは、その原因によって大きく3つに分類されます

器質性ED

勃起のメカニズムは、性的刺激によって脳が興奮する、脊髄を通る副交感神経がその興奮を伝えることによって陰茎の血管が拡がる、陰茎の血流が増えて勃起する、という流れです。この流れのどこかに病気があって勃起が障害されるものを、器質性EDといいます。
脊髄損傷による神経の障害、動脈硬化による血流不全などがこれにあたります。

心因性ED

ストレスや緊張は、性的刺激を受けて脳が興奮することを抑制してしまいます。そのために勃起が障害されるものを、心因性EDといいます。
仕事やパートナーとの関係性などの日常生活上のストレスや、過去に性行為に失敗したことによるトラウマなど、さまざまなことが原因になりえます。心因性EDでは、「また失敗するのではないか」という不安が、更に症状を悪化させる場合もあります。

混合性ED

器質性と心因性の両方が原因となっているEDで、多くの場合はこのタイプだとされています。器質的な問題によって勃起が障害され、そのことがストレスとなって更に症状が助長されるものです。

糖尿病とEDの関連

糖尿病とEDの間には、強い関連があります。糖尿病患者さんが全員EDになるわけではありませんが、35~90%の人がEDを経験するといわれています。また、糖尿病患者さんはそうでない人に比べて、EDを発症する確率が2~3倍高い、EDの発症時期が10~15年早いということもわかっています。

糖尿病だとEDを発症しやすい理由は、糖尿病の合併症である神経障害と動脈硬化にあります。神経障害が起こっていると、勃起せよという脳からの命令が陰茎にうまく伝わりません。そして、動脈硬化があると、陰茎の血管が狭くなっていることが多く、血流が十分に増えないために勃起が障害されます。また、動脈硬化による影響は血管の狭窄のみではなく、CO(一酸化窒素)の働きを阻害することにも及びます。

CO(一酸化窒素)は、陰茎の血管の壁から放出され、「サイクリックGMP」という物質の産出を促します。このサイクリックGMPが血管を拡張させるために、陰茎の血流が増えて勃起するのです。動脈硬化があると、COが十分に放出されない、または過剰に放出されてうまく機能しない状態になります。それによってサイクリックGMPが不足し、勃起が障害されることになります。

ちなみに、糖尿病治療薬によってEDが助長されることはありません。EDの原因となりうる薬剤は、降圧薬、抗うつ薬、睡眠薬、消化性潰瘍治療薬などです。糖尿病性EDでは血糖コントロールが重要になるため、糖尿病治療薬が必要な場合には積極的に使用することが求められます。

EDは生活習慣病からのサイン

EDは、それ自体が問題となるだけではなく、さまざまな生活習慣病の前兆である場合があります。先にご紹介したように、陰茎の血管に動脈硬化があると、勃起が障害されます。動脈硬化は全身性の病変ですから、陰茎に動脈硬化がある場合には、それ以外の部分にも起こっていると考えられるのです。動脈硬化が心臓で起こると心筋梗塞に、脳で起こると脳梗塞につながります。ですから、EDを簡単な不具合として捉えるのは危険であるといえます。

実際に、ED以外に自覚症状がない患者さんの検査をしたところ、新たに糖尿病や高血圧がみつかったというケースは多くあります。また、ED患者さんに運動負荷をしながら心電図検査をすると8~56%に狭心症の兆候がみられた、心筋梗塞を起こした患者さんでは2~3年前からEDを自覚していた場合が多い、などの報告もあります。これらのことから、EDは生活習慣病からのサインかもしれないと考え、躊躇せずに医療機関を受診することをおすすめします。

EDの治療①内服薬

現在の日本国内では、内服薬の使用がEDの第一選択の治療法です。使用できる薬剤は3種類で、いずれも国内外で有効性・安全性が確認されているものです。これら3種類の薬剤では、作用時間などに違いがありますが、効果を発揮するメカニズムは同じです。ED治療に使用する内服薬は、「PDE5阻害薬」という薬剤です。「PDE5」とは、陰茎の血管を拡張する「サイクリックGMP」を分解してしまう酵素です。このPDE5が働くことによって、勃起が抑制されてしまうのです。PDE5阻害薬は、PDE5の働きを阻害することでサイクリックGMPを増やし勃起を助けるというメカニズムで、EDに対する効果を発揮します。

EDの内服薬を使用した場合の効果については、3種類共に、70~90%の人で得られるといわれています。一方で、糖尿病性EDの患者さんでは、60%程度の効果率となっています。とはいえ、うまく効果が得られなかったとしても、内服方法を見直したり別の薬剤に変更することで改善する場合もありますので、諦めずに治療を継続することが大切であるといえます。
ただし、狭心症や不整脈の治療薬を使用している患者さんでは、EDの内服薬が使用できない場合があります。これらの治療薬は血管を拡張する働きをもつため、PDE5阻害薬によって更に血管が拡張すると血圧が急激に低下する危険性があるためです。ですので、EDの内服薬の適応については、病歴を考慮した上で検討されます。

EDの内服薬について誤解されがちなのは、勃起を“させる”薬剤なのか、ということです。正しくは勃起を“助ける”薬剤であり、内服しても性的興奮がなければ勃起しません。ですので、内服したからといって勃起が持続して辛いということはなく、また効果を得るためには脳と陰茎に対する性的な刺激が必要だということになります。
また、医療機関を受診せず個人でEDの内服薬が購入できるというのも、誤りです。インターネット通販など医療機関以外で入手できる薬剤には偽物が多くあり、効果を得られないばかりか死亡例も報告されています。
EDの内服薬3種類について、以下にその特徴をご紹介します。

薬剤名
(商品名)
バイアグラ
(後発医薬品:
シルデナフィル)
レビトラ シアリス
発売年 1999年 2004年 2007年
内服時間 性行為の1~3時間前 性行為の1~3時間前10分前でも
2割程度の人は有効
性行為の1時間前から36時間前
最も効果が得られる時間 内服後1時間 内服後1時間 内服後2時間
作用の持続時間 4時間 4時間 36時間
食事の影響 あり
空腹時に内服すべき
あり
脂質の多い
食事の後は避ける
なし
飲酒の影響 あり
過度な飲酒では効果が低下
あり
過度な飲酒では効果が低下
あり
過度な飲酒では効果が低下
副作用 頭痛、ほてり、視覚障害など 頭痛、ほてり、動悸、鼻閉など 頭痛、ほてり、消化不良、背部痛など

EDの治療②その他

EDの内服薬で効果が得られなかった場合には、次の段階として、陰圧式勃起補助具、陰茎注射、手術という治療法があります。この治療の流れは、糖尿病性EDであっても同様です。

EDの治療②その他

EDの内服薬で効果が得られなかった場合には、次の段階として、陰圧式勃起補助具、陰茎注射、手術という治療法があります。この治療の流れは、糖尿病性EDであっても同様です。

・陰圧式勃起補助具
陰茎を補助具の中に入れ、陰圧をかけて陰茎内に血液を吸引することで勃起させ、陰茎の根元にゴムバンドを巻いてその状態を維持する方法です。確実に勃起することができますが、操作に慣れるまでには練習が必要、性行為の最中に操作するためパートナーの理解が必要、という特徴があります。また、勃起を維持するためのゴムバンドの装着時間は、30分が限度とされています。

・陰茎注射
陰茎の海綿体という部分に血管拡張剤を注射し、血流を増やすことで勃起させる方法です。注射は、患者さん自身で行う必要があります。現在の日本では認可されておらず、研究目的でのみ行うことができます。

・手術
血管の手術
陰茎に血液を送る動脈を再建したり、静脈を結紮※(けっさつ)して血液を溜めておけるようにする手術です。血管に明らかな病変がある場合に適用されます。
※結紮 … 血管をしばって血行をとめること。

陰茎プロテーシス移植術
陰茎にプロテーシスという棒状の器具を挿入する手術です。他のED治療が無効か適応外の場合に行われ、手術操作によって自然な勃起は望めなくなることから、最終手段であるとされています。プロテーシスの種類によって、普段は折り曲げているものを手で伸ばす、下腹部に埋め込んだボタンを押す、などの方法で勃起させます。

EDの治療にかかる費用

ED治療は自由診療で保険が適用されないので、治療にかかる費用は全て自己負担になります。これは、糖尿病性EDであっても同様です。また、治療薬の代金やどのような検査を行うかは医療機関によって異なるため、治療にかかる費用にもばらつきがあります。検査については考慮しない場合の一般的な費用は、以下のようになります。

・内服薬
診察料1000円~3000円程度に加えて、薬剤の料金がかかります。
各薬剤の料金は、バイアグラ・レビトラ・シアリス共に1錠あたり1500円前後、バイアグラの後発医薬品であるシルデナフィルは1000円前後、高容量のレビトラ・シアリスは2000円程度です。

・陰圧式勃起補助具
補助具の価格は3万円程度です。

・陰茎注射
診察料以外に、注射1本につき5000円前後の費用がかかります。

・陰茎プロテーシス移植術
診察料や材料費以外に、40~60万円程度の費用がかかります。

糖尿病性EDを改善するための方法

糖尿病性EDを改善するために最も大切なことは、血糖コントロールです。糖尿病性EDの原因となる神経障害と動脈硬化が治ることはありません。いかに進行を遅らせるかということが目標になります。そしてそのためには、血糖値を適正な範囲内に維持することが必要なのです。糖尿病の場合には、まず医師から提示された治療や生活習慣の改善に取り組みましょう。それと同時に、EDの改善に有効とされる以下の方法を実践してみてはいかがでしょうか。糖尿病もEDも、気付いたらすぐに対策を講じることが、良好な予後につながります。

  • 早期に医療機関を受診し、EDの治療を開始する。
  • 肥満を解消する。
  • 適度な運動を行う。
  • 禁煙・減煙をする。
  • 規則的で栄養バランスのよい食事をとる。
  • 十分な休息をとる。
  • 過度な飲酒をせず、リラックスした状態で性行為に臨む。
  • パートナーにEDについて理解してもらう。
  • 性行為に失敗しても、あまり気に病まないようにする。
  • EDに効果的なサプリメントを摂取する。

おすすめのサプリメント

ED対策を謳うサプリメントは数多く販売されていますが、いわゆる“滋養強壮”というタイプのものでは根本的な解決にはならないかもしれません。先にご紹介したように、勃起するためには陰茎の血流量が増えることが必要であり、これを促すのがCO(一酸化窒素)です。ですから、COの産生にかかわるサプリメントの摂取が、勃起のメカニズムに即したサポートをしてくれるといえます。

そこでおすすめするのが、ビューティアンドヘルスリサーチ社の「ドクターズチョイス L-アルギニン 5000プラス」です。アルギニンとは、人の体で作られるアミノ酸で、COの産生を促進する働きをもちます。アルギニンは加齢によって体内で作られる量が減少するため、サプリメントで補うことが健康維持につながるといわれています。「ドクターズチョイス L-アルギニン 5000プラス」を摂取することでCOの産生が促進されれば、EDの改善に役立つと考えられます。

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まとめ

ED(Erectile Dysfunction)とは勃起障害のことで、医学的には「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか維持できない状態が、持続または再発すること」と定義されています。まったく勃起しない状態だけではなく、勃起して性行為できるものの硬さが足りないという状態も、EDに該当します。日本国内では、40歳以上の男性の3人に1人がEDであるといわれていますが、医療機関を受診している人はごく少数です。

糖尿病患者さんでは、合併症である神経障害と動脈硬化によってEDを発症することが多く、その確率は糖尿病でない人より2~3倍高いといわれています。勃起のメカニズムは、性的刺激を受けることでCO(一酸化窒素)が陰茎の血管の壁から放出され、その働きによって血管が拡張し、陰茎の血流が増えるというものです。動脈硬化があると、COが十分に放出されない状態になり、勃起が障害されるのです。また、動脈硬化は全身性の病変なので、陰茎に動脈硬化がある場合には、それ以外の部分にも起こっていると考えられます。そのため、EDを性的な問題だけで片付けるのではなく、生活習慣病からのサインとして捉えることが必要です。

EDの治療については、内服薬の使用が第一選択となっています。使用できる薬剤は3種類で、いずれも国内外で有効性・安全性が確認されているものです。ただし、狭心症や不整脈の治療薬を使用している患者さんでは、EDの内服薬が使用できない場合があります。また、医療機関を受診せず個人でEDの内服薬を購入するのは、非常に危険です。内服薬で効果が得られなかった場合には、次の段階として、陰圧式勃起補助具、陰茎注射、手術という治療法があります。いずれの治療も自由診療で保険が適用されないので、治療にかかる費用は全て自己負担になります。

糖尿病性EDを改善するための方法として最も大切なことは、血糖コントロールです。その上で、早期に医療機関を受診してEDの治療を開始し、運動や禁煙といった生活習慣の見直しを行い、性行為に関する心理的なストレスを軽減するように努めるのがよいでしょう。COの産生を促進するアルギニンなどのサプリメントを摂取することも効果的です。

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