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強い眠気の原因はもしかして糖尿病かも
昼食後には副交感神経が活発になりウトウトしてしまうこと自体は正常な生命活動です。
しかし、耐えがたいほどの強烈な眠気に襲われてしまうと、仕事や学業に差し支えます。自分の場合の原因は何か突き止めましょう。
眠気の原因も多数あり対策もそれぞれです。対策も難しく考える必要はなく、例えば食べ方を工夫するだけでも午後も頭がスッキリします。
強烈な眠気は血糖値が原因の可能性があります。糖尿病の疑いがあれば、もちろん病院を受診する必要があります。
14時過ぎに眠くなる原因
午後の眠気の原因には、睡眠時間の問題であったり眼精疲労であったり生活習慣に原因があったりと様々です。
自分はこれが該当するなと思った原因を排除し、仕事も遊びも充実した毎日を送れるよう努力しましょう。
最も分かりやすい原因は睡眠不足
一番分かりやすい原因は睡眠不足です。適切な睡眠時間には個人差がありますが、平均すると6時間はしっかり眠るのが理想的です。
もし睡眠不足を自覚していれば、生活時間を調整し早く寝るよう心掛けてみて下さい。忙しくて睡眠時間を取れないと考えていても、誰にでも時間は平等です。どこかに無駄な時間があるはずです。
寝酒は午後眠くなる原因になる
寝酒の習慣があると、慢性的な睡眠不足に陥っている恐れがあります。「飲むと寝つきが良くなる」とよく言われます。しかし、専門家の考えに共通しているのは「お酒=良質な睡眠の大敵」です。
お酒を飲んで寝ると、睡眠中、アルコールを分解するため内臓がフル稼働し、前の日の疲れが取れず、寝不足状態になります。
寝る前に水分を多く摂取すればトイレも近くなります。夜中何度も起きて寝不足になるケースもあります。
不規則な生活はランチ後も眠くなる
徹夜の日が続いたかと思えば、昼過ぎまでダラダラ寝る日もある。不規則な生活を送っていると、しっかり眠った日も日中眠くなってしまいます。
人間には、体温やホルモンの分泌を24時間周期に合わせて無意識に変化させるサーカディアンリズムが備わっています。
不規則な生活でリズムが崩れると、ランチ後はもちろん1日中眠くなることもあります。体のリズムを整えるには、起床時間を統一し朝は日光をたっぷり浴びて、早寝早起きを心がけましょう。
部屋の二酸化炭素の濃度でも眠くなる
「会議室で眠くなる」誰しも経験があると思います。アメリカの研究では二酸化炭素が原因と言われており、二酸化炭素の濃度が高くなると眠気も強くなることが分かっています。
会議室の二酸化炭素濃度は普通の部屋の3倍濃くなることもあります。せっかくの会議、換気をしっかり行い集中できる環境を整えましょう。
疲れ目や眼精疲労?
1日中パソコンや書類と向き合うデスクワーク中心の方は、目の疲れのせいで日中眠くなっている可能性が高くなります。
目の疲れを感じると、脳は目を休ませるために眠るよう命令します。そのため、目を休ませるだけで眠気がなくなることもあります。
ただし、目の疲れは単純な疲れ目と眼精疲労の2種類があります。疲れ目はたっぷり寝るだけで回復させることができますが、眼精疲労は眠るだけでは治りません。
眼精疲労の場合、ホットアイマスクやホットタオル、ビタミンB12配合の目薬が効果的です。
血糖値が乱高下すると眠くなる
最新の研究ではランチの後眠くなる最大の原因は、昼食の内容だと考えられています。午後の強烈な睡魔の正体は血糖値に影響する食事です。
ランチは丼ものや麺類など糖質が多いメニューを選びがちです。昼食で糖質をたっぷり摂ったあと、食後血糖値は一気に上昇します。
その反動で血糖値が急降下するため、一種の低血糖状態に陥ってしまいます。結果、大事な会議でも抗いがたいほどの眠気が生じます。
血糖値が下がると眠気が起きるメカニズム
昼食後の眠気で仕事に支障をきたしているケースが増加しています。いつもウトウトしていると評価に響くかもしれません。
午後の睡魔の真犯人とされる血糖値が乱高下するメカニズムを詳しく把握しておきましょう。
眠気と消化活動は関係ない
一昔前まで、食べたあと眠くなるのは消化のために胃や腸に血流が集中しているから、と思われていました。
ところが、最新の研究によって午後にやってくる眠気の多くは、血糖値の急降下が原因だと判明しています。
脳の血流は非常に重要なので、どのような状況下でも真っ先に確保されます。脳の中の血液量は一定に保たれているので、たとえ消化器官が消化活動をフルに行っている時でも、脳に流れる血流が食事の影響で足りなくなることはありません。
血糖値が下がると眠気が強くなるのは
血糖値の影響で眠気が起こるのは、太古の時代から続く脊髄動物の脳のメカニズムが関係しています。
お腹が空いて血糖値が低くなると、脳を覚醒させる脳内物質「オレキシン」が活性化します。その昔、人間は野生動物のように狩りを行っていました。空腹になると敵と戦い食べ物を確保しなければなりません。
危険な場面でも意識を最高レベルまで覚醒させる必要がありました。その結果、今でも空腹状態だと脳内でオレキシンが分泌され、目が覚める仕組みになっています。
オレキシンは満腹になると自然に活動が鈍り、眠くなるようになっているので、ご飯を食べたあとは自然に眠くなるというわけです。
食べても眠くならない食べ方
ランチで糖質をたっぷり摂取してしまうと、血糖値がグングン上昇します。血糖値が高くなるほど膵臓から出るインスリンの量も増えます。
インスリンが効き過ぎると血糖値が下がり過ぎるため、一時的にブドウ糖不足に陥ってしまいます。脳の唯一の栄養源であるブドウ糖が十分に行き渡らなくなることで「集中できない」、「眠くなる」などマイナスの影響が出ます。
昼食に摂取するブドウ糖の量がそれほど多くなければ、血糖値の上昇も緩やかになり、インスリンが過剰に分泌されることもなくなります。
血糖値が上がってもゆっくり下がるので、ブドウ糖不足のため強い眠気に襲われることはなくなります。午後の眠気に邪魔されないためにも、血糖値が乱高下しない食べ方を覚えておきましょう。
食べ方1:糖質の量を控える
糖質は血糖値をダイレクトに上げる眠気の大敵です。ご飯や麺類、パンを食べるのは控えめにしましょう。
同じ糖質でも白米などの白いものより、玄米や発芽米、全粒粉のパンなど精製度が低く色がついているものは血糖値を急上昇させにくくなります。
果物やデザートなど甘いものは糖質の塊なので、ランチの時も我慢した方が良さそうです。
食べ方2:定食をチョイス
パンやおにぎりだけのランチだと、どうしても炭水化物だけになってしまい、糖質の過剰摂取にも繋がります。
ブドウ糖の吸収を穏やかにする食物繊維やタンパク質、ビタミンを補うためにも、定食タイプのメニューを選びましょう。
食べ方3:食べる順番を工夫
同じ量オカズでも、食べる順番を工夫するだけで血糖値の上昇は緩やかになります。最初に野菜や海藻を食べてから、お肉や魚などのオカズを口にするベジファーストが効果的。
食物繊維が小腸で膜のような役割を果たすことで栄養がダイレクトに吸収されにくくなり、ブドウ糖の吸収が穏やかになります。ご飯や麺類を最後に食べることで、食べ過ぎも予防することができます。
食べ方4:食事中の水分摂取を控える
ランチ中の飲み物は、清涼飲料水など糖質が多いものは避けましょう。お茶など無糖ドリンクがベストですが、そもそも食事中の水分摂取を控えることも食後の高血糖を防ぐ食べ方の1つです。
水分によって胃酸が薄まってしまい、食べ物を消化するスピードが遅くなってしまいます。食べ物を分解するために小腸で消費される酵素の量も増加し、内臓負担も大きくなってしまいます。
脳に血流が届きにくくなるため、食後の眠気も強くなる傾向があります。
食べ方5:ご飯抜きはNG
血糖値の食事対策で重要なのは、1日3食を規則正しいタイミングで食べること。お腹が空いていると必要以上に食べ過ぎてしまいます。
血糖値も急上昇しやすくなることが分かっているので、ご飯は抜かないようにしましょう。
朝食を抜くだけで昼食、夕食の血糖値が上がりやすくなり、インスリン分泌のピークも30分遅れ、高血糖状態が長く続くことが分かっています。
完全な糖質抜きの食事も心身の負担が大きいので、おすすめできません。
食べ方6:よく噛んで食べる
1口30回を目標に、よく噛んでゆっくり食べましょう。噛む回数を増やすだけで血糖値の急上昇が抑えられ、昼食後の眠気も軽くなります。
ご飯を丸呑みするような早食いの癖があると、食べる量も増えてしまいます。ゆっくり食べるためには、意識して一人で食べずに誰かと一緒にランチタイムを過ごすのもおすすめ。
会話を楽しみながら食べることで早食い、ドカ食いを予防することができます。
食べ方7:あえて離れたお店を選ぶ
食べたあと眠くなるのが嫌なら、食後の運動を心がけましょう。筋肉を動かすと余ったブドウ糖が消費されやすくなり、血糖値の急上昇を30%もセーブすることができます。
昼食後の運動が習慣になれば、糖の代謝量を引き上げる運動療法効果も期待できます。
全身の筋肉の約70%は脚に集中しているので、ウォーキングや階段の上り下りをするだけでも効き目があります。強制的に食後歩くことになるので、職場から少し離れたお店を選ぶのもおすすめです。
食べ方その8:サプリやお茶を活用
糖値の問題を抱えている多くの方は、食べるのが好きな方です。食事制限で無理をするとストレスの原因になります。
ストレスも血糖値上昇の要因なので、食べ過ぎてしまった時などは積極的にサプリやお茶を活用しましょう。
特に食事制限の最初は胃も今まで通りに量を要求します。獰猛な食欲に抑えきれないこともあります。
当社で扱うサプリやお茶には血糖値コントロールの手助けをしてくれるものを用意しています。
やってはいけない眠気対策
食後の眠気を軽くするためには、昼食の食べ方を工夫するのが一番てっとり早く、ダイレクトな効き目があります。
一般的に眠気対策として効くと言われているものは、意外と良くない影響を及ぼすことがあるので要注意です。
昼寝をするなら短時間で
昼寝をすれば、ランチ後の眠気問題はすっきり解消します。最近は昼寝によって仕事の効率が上がる、と注目されていますが、実際に昼寝できる環境で働いている方はごく一部です。
眠くなったら眠れる状況なら、午後の眠気で苦しんでいません。午後の眠気を解消するために昼寝する場合、15~30分以内に抑えましょう。
30分以上寝てしまうと眠りが深くなり、かえって眠くなる恐れがあります。夜眠れなくなる可能性もあるので眠り過ぎはNGです。
カフェインの頼りすぎは逆効果
紅茶やコーヒーに含まれるカフェインは覚醒作用があるので、飲んで30分~1時間で脳内に到達して目を覚ましてくれます。
コーヒーで食後血糖値が下がるという研究もありますが、カフェインの覚醒作用は一時的なもので長続きしません。
耐性ができると1日に何杯も飲まなければ効き目を感じにくくなります。依存性も強いので、いつの間にかカフェイン中毒になって毎日大量のコーヒーを飲み、消化器官に負担がかかったり、自律神経が乱れて寝つきが悪くなる悪影響が及ぶことも考えられます。
強い眠気は糖尿病の可能性もあり
昼食後の強い眠気は糖尿病の症状かも知れません。日本には糖尿病予備軍がたくさんいます。糖尿病は誰にでも可能性がある病気です。決して他人事ではありません。
少しでももしかしてと思ったら真剣に向かい合いましょう。早ければ早いほど改善できる可能性が高くなります。
健康診断が正常なのに糖尿病?
昼食を食べたあと強い眠気が起こるのは、血糖値スパイクと呼ばれる血糖値の異常が起きている恐れがあります。血糖値スパイクは糖尿病を発病する寸前の状態で、食後血糖値が急上昇するのが特徴的です。
血糖値スパイクを放置すると
血糖値スパイクを気づかないまま放置してしまうと、全身に様々なリスクを負うことになります。
・心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが上昇
食後高血糖を繰り返すと血管の壁に強い負担がかかるため、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞が引き起こしやすくなります。
・認知症の一因に
血糖値スパイクでインスリンが過剰分泌されると、アルツハイマー型認知症の原因となる脳の老廃物「アミロイドβ」が蓄積されやすくなります。
・発ガン率も上昇
インスリンは細胞を増殖させる働きがあるため、大量に分泌されるとガン細胞の増殖にもつながり、ガンが発症しやすくなります。
・精神的な悪影響も
血糖値が急上昇する時は激しい眠気に襲われますが、急降下する時はどうしようもないイライラ感が湧き上がり、集中力や判断力が低下します。別人のような態度になり、人間関係にヒビが入ることも。
・糖尿病の発病、重症化
血糖値スパイクが一番恐ろしいのが糖尿病になるリスクが急上昇すること。既に発病している方も早めに手を打たないと重症化し、合併症リスクが倍増します。
低血糖の症状で眠くなることも
糖尿病による低血糖で眠くなる症状が出ることもあります。眠気の他、頭痛やふらつき、吐き気などの症状にも警戒しましょう。
血糖値が55~70mg/dl前後なら冷や汗など警告症状に留まりますが、50mg/dl前後で眠気や強い疲労感、イライラ感が出てきます。さらに30mg/dl前後になると意識障害を起こす恐れもあり、危険な段階です。
血糖値の異常を自己測定で早期発見
糖尿病や他の深刻な病を予防するためにも、健康診断でも見つけにくい血糖値スパイクや低血糖にいち早く気づくことが大切です。
ただし、血糖値が変動しても一定時間経過すると正常値に戻るので、一般的な健康診断で行われる空腹時血糖値やHbA1cの検査で見つけることは至難の業。
専用の精密検査を受ければ異常が判明しますが、血糖値の自己測定を行えば自宅で気軽に食後の血糖値や低血糖をチェックできます。
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