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血糖値が高くなりやすい生活環境の日本で気を付けること

日本に住んでいるだけで血糖値が上がる?

糖尿病の別名は“国民病”。日本は高血糖になりやすい国と言われています。糖尿病の予防や早い段階から対策が行えるよう、血糖値が健康に与える影響を意識しておくことが大切です。

日本人は血糖値が上がりやすい?

近年、小学生で2型糖尿病になるショッキングなニュースが出回るようになりました。大人はもちろん、若い世代の糖尿病患者さんも増えつつあります。

日本で糖尿病の発症率が高い背景には、独特の文化が影響しているようです。何がどう影響しているのか詳しく見ていきましょう。

日本食でも高血糖になる

我々が普段口にしている食べ物は、血糖値を上昇させやすい高血糖フードが少なくありません。昔から「日本食=ヘルシー」と言われていますが、健康食材だから血糖値が上がらないわけではありません。

例えばお赤飯やイカ飯に使われるもち米も、血糖値を上げるGI値が80もあります。70以上は高GI食とみなされますので、血糖値への影響を考えるともち米はヘルシーとは言えません。

また、ご飯やパン、うどんも、実は精製された白い炭水化物ですから、血糖値を上昇させやすい要注意食材です。

甘くないので油断しがちなお煎餅も、白米をすり潰した粉が原料になっていますので、血糖値を急上昇させる食べ物のひとつです。

ジュース、お菓子など分かりやすい食べ物以外にも、警戒しなければならない意外な高血糖フードはすぐそこにあります。

特に外食は血糖値が上がりやすいメニューが大半を占めています。ラーメンやチャーハン、ハンバーガーやポテトなど炭水化物の重ね食いメニューを毎回注文している方も注意しましょう。

~血糖値を上げやすい日本の代表的な食べ物(GI値70以上)~

  • 切干大根(GI値74)
  • 赤飯(GI値77)
  • みたらし団子(GI値79)
  • にんじん(GI値80)
  • かりんとう(GI値84)
  • 精製米(GI値84)
  • 煎餅(GI値89)
  • じゃがいも(GI値90)
  • どら焼き(GI値95)

高血糖になるコンビニ弁当や外食

日本は血糖値を上げる食べ物も多い上、お腹が空いたらすぐに食べることができる環境が揃っています。コンビニやファミレスは24時間営業。早朝でも空腹を我慢することなく、食欲を満たすことができます。

出前サービスも充実しているので真夜中でも注文することが可能で、24時間営業のお店も増えています。

食べすぎも糖尿病の原因のひとつ。一昔前まで贅沢病と呼ばれていた糖尿病は、食べ物に困らない人がなるとされる病気でした。一億総中流と言われる現在、日本人の平均年収は420万円あるので、お腹が空いても食べられない状況になるのは少ない状況です。

100円ショップでもインスタントラーメンやオニギリ、パスタやカレーが買えるので、比較的収入が少なくても空腹を満たすことは難しくありません。

皮肉なことに、食べ物を買うお金に困らない環境が糖尿病増加の要因になってしまっています。

おやつの習慣が血糖値上昇を加速

糖尿病になる直接の原因とは言えないものの、毎日甘いものをおやつとして食べている方も注意が必要です。

日本では江戸時代から午後の早い時間帯に軽食を食べるようになったと伝えられていますが、今でも“三時のおやつ”が習慣になっている方も多いでしょう。

血糖値が気になる患者さんには、1度に大量に食べる“ドカ食い”を防ぐため、本格的な食事の間に軽食を食べる食事方法が推奨されています。

補食としてふさわしいのはタンパク質や脂質を適度に含む腹持ちが良い食品で、血糖値をゆっくり上げてくれる卵などの食材がぴったりです。

同じ間食でも食後1時間前後に甘い食べ物を食べてしまうと、糖質の追加によって血糖値のピークも継続され、高血糖値状態が続いてしまいます。その結果糖化しやすい状態になり、血管もダメージを受けやすくなります。

また、いくらヘルシーな食べ物でもダラダラといつまでも食べ続けるのはNG。食べる全体量も増える上、高血糖の時間も長くなります。

交通網の発達で高血糖になる

日本は世界的に見ても交通網がかなり発達している国で、電車やバス、タクシーや飛行機など色々な乗り物を気軽に利用することができます。

ところが、交通機関の利用によって運動の機会が奪われる、と専門家も警鐘を鳴らしているほど、交通の便の良さと運動不足は表裏一体の問題です。

車がないとどこにも行けない地方でも、運動不足の問題は深刻化しています。WHOも2型糖尿病と運動不足の関係を明言しているので、血糖値を下げるためにも意識して自分の足で歩くことが大切です。

高血糖になる理由:働き方の変化も血糖値に影響

現代の日本は、身体を動かす仕事が激減し、デスクワーク中心の働き方になっています。運動不足に拍車がかかり、血糖値が上がりやすくなっているとも指摘されています。

以前なら身体を動かして働いていた業務も、パソコンやスマートフォンを操作するだけで良くなっているケースも多くあります。また、プライベートでも趣味としてパソコンやスマホを触る時間が多くなり、運動量が激減しているパターンもよくあります。

さらに、ブラック企業と言われるような一部の会社では社員やアルバイトに長時間労働を強いるため、帰って寝るだけの生活をしている方も増えています。

勤務時間もほとんど身体を動かさず、運動のための時間を作るのも努力しない結果はメタボ体型。糖尿病を発症するケースも少なくありません。

ストレスで血糖値が上がる!

真面目な性格の人間が多い日本人は、国民的にストレスを感じやすいようです。NHKが参加している国際的な調査でも、日本は仕事によってストレスを感じる人間が多く、先進国の中でもトップクラスの数値を記録していることが分かりました。

ストレスも血糖値の大敵です。人間の身体はストレスを受けるとアドレナリンなどのホルモンを分泌する仕組みになっており、このホルモンによって血糖値が上昇することが判明しています。

つまり、食べすぎに気をつけてよく運動していても、日々のストレスが大きいと高血糖になるリスクが高くなってしまいます。いじめ問題などで小学生、中学生でもストレスを感じる時代なので、10代に2型糖尿病が増えている背景の1つにストレスも関係しているのかも知れません。

高血糖・糖尿病を早期発見する方法

日本は血糖値が上がりやすい環境が揃っており、国民的に糖尿病になりやすい国です。普通に暮らしているだけでも血糖値が上がりやすい環境で生活している、と頭に入れておきましょう。

血糖値が高いとなりやすい病気

血糖値が高いと良くないのは、糖尿病になる確率が高くなるからです。高血糖が続くと糖尿病の他、心筋梗塞など命に関わる深刻な合併症に見舞われるリスクが上昇します。

血糖値が高いと全身の血管がボロボロになるので、身体の隅々までダメージが及びます。高血糖値を放置し、糖尿病や合併症になると、足の切断や失明、人工透析治療など、今まで通りに生活できない未来が待ち受けています。

最も苦しいのは本人ですが、サポートする家族も大変な思いをします。通院回数が増えて転職、退職せざるを得なくなることも少なくありません。収入が激減したのに毎月の医療費は増える一方になり経済的困難に陥ることも珍しくありません。

血糖値300でも自覚症状ゼロ

糖尿病は血糖値の数値を調べることによって早期発見することができます。糖尿病になっても明らかな自覚症状は出にくいため、病気を早期発見する方法は血糖値の数値を調べることしかないとも言えます。

血糖値の数値を調べる検査方法は何通りかありますが、一般的な空腹時血糖値やHbA1c値を調べることで基本的な部分は判明します。

糖尿病はある程度進行しないとはっきりした症状が出ないので、定期的に検査を受けて血糖値の状態を把握することが最大の予防方法になります。血糖値が300mg/dLを超えているのは明らかに基準以上の高血糖状態ですが、この段階まで上昇しても自覚症状がまったく出ないことも珍しくありません。

血糖値の基準値どこまでが正常範囲?

血糖値の検査では数値を調べて、基準値を超えていないかどうかチェックします。正常な血糖値の範囲は、血圧の数値や遺伝要素など他の条件によっても異なります。

一般的には絶食状態で測る空腹時血糖値が110mg/dL未満が正常な範囲とされ、それ以上高い場合は糖尿病や糖尿病予備軍の可能性があると判断されます。

血糖値が基準値より高い場合、再検査を受ける必要があり、さらに詳しく調べます。

糖尿病を防ぐ具体策

24時間営業のコンビニ、ファミレスがどの駅にもあり、交通手段が揃っている日本は血糖値が上がりやすい国。

自分で意識して血糖値をコントロールし、糖尿病にならない対策を実践することが大切です。

血糖値だけじゃない!健康診断を受ける目に見えないメリット

糖尿病のように自覚症状がほとんど出ない病気は他にも色々あります。血糖値の異常を確認するためにも、健康診断は定期的に受けるようにして下さい。

定期検診は血糖値対策の最低条件です。健康診断を受けて血糖値を調べることで、発病しているかどうか確認するだけではなく、近い将来かかる病気の種類、リスクの高さもチェックすることができます。

また、身体の状態を数値で知ることで、「もっと頑張ろう」と健康意識が高まる効果、「このままではいけない」と危機感を抱くようになるメンタル面への効果もあります。

既に食事や運動などの血糖値対策に取り組んでいる方は、数値の変化が日々頑張っていることへの励みにもなります。

正確な数値を測定しない限り、どれ位食事制限が必要なのか、運動量やメニューの種類も決めにくいので、まずは定期検診で現状を把握しましょう。

血糖値測定器もオススメ

定期検診で調べた血糖値の数値が基準値でも、「糖尿病の心配がない」とは言えません。なぜなら、血糖値は複雑に変動する特徴があり、食後や夜間に異常が出るパターンもあるからです。

血糖値の一般的な検査では絶食状態の数値を測定します。空腹状態の数値は正常でも、食後にありえないほどの高血糖が続く血糖値スパイクや寝ている間に血糖値が低くなる夜間低血糖など、隠れた血糖値異常を起こしていることもあります。

基本的な検査だけでは分からないことも多いので、年に一度の検診結果だけでは安心することはできません。

食後高血糖を調べるための専用の検査もありますが、中々病院に行けない状況の方には自己測定がおすすめです。

血糖値の自己測定器があれば、夜中の食事でも気軽に食後の高血糖を測定し、血糖値スパイクのような隠れ高血糖を見つけやすくなります。

当社エイコンの血糖値測定器は、消耗品が業界最安値で経済的な負担も極めて軽いのが特徴です。こまめに血糖値を測り、即入院レベルになる前に血糖値の異常を見つけましょう。

血糖値が高い時の食事療法

定期検診や自己測定で「血糖値が高い」と判明したら、普段の食事を工夫する必要があります。

お煎餅や白米など意外と血糖値が上がりやすい日本食は多いので、そういった食べ物を控えると同時に、血糖値を下げる食べ物を意識してチョイスしましょう。

糖質が少ない食べ物をオカズからゆっくり食べると、インスリンの分泌も穏やかになり血糖値が急上昇することがありません。

お米や小麦は血糖値を急に高める要注意フードになりますが、難消化性デンプンが多いおそばは、穀物の中で唯一血糖値を急上昇させない血糖値対策にぴったりの食べ物です。

毛細血管を丈夫にする効果があるポリフェノールのルチンも豊富。「麺類を食べるならうどんよりおそば」という知識があると、外食の時もメニューを選びやすくなるのではないでしょうか。

この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得している自然療法専門医。
スコッツ先生のプロフィール
https://gluco-help.com/media/lose-weight-diabetes27/

 

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