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糖尿病の検査値|診断のための検査方法や基準値は?

糖尿病の検査値に関する基礎知識

弊社の商品開発チームの医師監修
Q. 糖尿病の検査にはどのようなものがありますか?
A. 血糖値やHbA1cの測定、尿検査などがあり、基準値を超えていると糖尿病と診断されます。

この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得している自然療法専門医。
スコッツ先生のプロフィール
https://gluco-help.com/media/lose-weight-diabetes27/

糖尿病診断をするためにどんな検査を行うのか

糖尿病はひそかに進行する病気で、ある日突然自覚症状が出て糖尿病が発覚する、というものではありません。

糖尿病は生活習慣病のひとつであるといわれるように、不摂生や精神的なストレスが原因でインスリンの分泌が悪くなり、血中のブドウ糖濃度が高くなって血管や臓器などに合併症が起こる病気です。

そのため、自覚症状がはっきり出る頃には、すでに糖尿病が確定してしまうほど数値は悪化しているのが一般的です。

では、そんな糖尿病をいち早く発見するためにはどうしたらいいのでしょうか。自覚症状が出ずに病気が進行しますので、最も良い方法は糖尿病の検査を受けることです。

検査方法はいくつかありますので、どの検査をするかによって検査にかかる時間や条件も変わってきます。

糖尿病は血中のブドウ糖の濃度の値を測定し、その値によって診断します。血糖値の検査には3つの方法がありますので、それぞれどんな検査なのかを説明していきます。

糖尿病かどうか調べたいときはまず病院へ

最近ではコンビニや専用の端末などで血液検査ができるサービスもありますが、糖尿病を疑って検査をしたいのであれば、まずは病院に行って主治医の指示のもと検査するのがベストです。

後ほど詳しく説明しますが、糖尿病の診断に必要な血糖値は、食事や運動によって上下するのです。そのため、食事制限などの条件をつけずに血糖値を測定しても、正確に診断ができない可能性もあります。

3つのタイミングで血糖値を測定する

糖尿病の検査で測定するのは、血中のブドウ糖の濃度です。これを血糖値と呼びますが、血糖値は長時間食事をしていない状態と食後の状態では、値が大きく変わります。

なぜなら食事をとることによって血中のブドウ糖の濃度が濃くなり、時間が経つにしたがってブドウ糖が分解され血中の濃度が下がるからです。そのため血糖値の検査には下記の3つの方法があります。

▪随時血糖検査
随時血糖検査は最もシンプルな血糖値の検査方法で、採血して検査します。これは食後からの時間を特に計らず随時血糖値を測る検査です。

ただしこの検査方法は食事や運動によって上下する血糖値を血糖コントロールなしで測定するため、厳密に検査して数値を確認し、糖尿病かどうかを判断するための検査ではあまり利用されません。

▪早朝空腹時血糖検査
正確に血糖値を測定するためには、食事を一定期間抜いてから検査するこの「早朝空腹時血糖検査」が主流となります。

血糖値を正確に測定するためには、10時間程度食事を抜いてから採血して血糖値を測らなければなりません。そのため、午前中に採血検査をするのであれば前日の夕食は検査時間の10時間前までに済ませます。食事だけでなく糖分を含んだ飲み物も検査までの10時間は飲んではいけません。

事前に検査の予約をしているのであれば医師から食事などの指示が出ますから、その指示にしたがって検査に備えてください。

▪75グラム経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)
75グラム経口ブドウ糖負荷試験は、インスリンがどの程度出ているかをチェックするための検査となります。

血糖値は食事などの要因により大きく上下しますので、一度だけの採血で測った数値では、それが食事によって増えているのかが不確定です。

そのため75グラム経口ブドウ糖負荷試験では、次のようなプロセスを経て血糖値の変遷を確認し、インスリンが分泌されているかどうかを確認します。

75グラム経口ブドウ糖負荷試験では、まず検査当日の朝まで10時間以上食事を断つところからスタートです。そして血糖値を測定し、ブドウ糖75gを水に溶かしたブドウ糖液を飲み、ブドウ糖負荷をかけます。

その後ブドウ糖負荷後30分、1時間、2時間後に血糖値を測定。いったんブドウ糖を摂取して血糖値を上げ、その後時間経過によって、どの程度血糖値が下がるのかがわかるのです。

血糖値が下がっていけば、ブドウ糖が分解されてインスリンが分泌されていることがわかります。逆にあまり下がらなければ、インスリンの分泌が少なく、ブドウ糖の分解能力が落ちているということです。

ただし、75グラム経口ブドウ糖負荷試験は、自覚症状から明らかに高血糖と思われる方に実施すると高血糖状態になる可能性があるため、実施しないこともあります。

その他の糖尿病の検査方法

糖尿病の検査は上記のように採血して血糖値を測ります。しかしこのような血糖値をチェックする血液検査以外にも、糖尿病の検査方法はいくつかあります。

ひとつは簡易血糖自己測定、もうひとつは尿検査です。さらに血糖値以外にも糖尿病かどうかを判断する方法があります。その中でも最も重視されるのが「HbA1c」の値です。

簡易血糖自己測定

血糖値のチェックは病院の採血だけでなく、自分で行うための専用の機器があります。自宅で検査できる簡易検査機器があれば、手などに針を刺し少しの血液から血糖値を測ることも可能です。

ただしこのような機器はすでに糖尿病を発症して、血糖コントロールのためにまめに検査する必要のある患者さんが利用することがほとんどでしょう。

尿検査

血液検査以外で糖尿病を発見する検査の中でも重要といえるのが尿検査です。尿検査は尿の中の糖を測定する検査で、検査薬はドラッグストアなどで入手できます。

ただし、尿に糖が出る場合は血糖値の数値がかなり悪化してからになりますので、早期に糖尿病を発見したい場合は尿検査では手遅れになることもあるのです。

また、血糖値を下げる薬の中には血中の糖を尿として排出するものもあるので、糖の状態を正確に測れない場合もあります。

HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)

HbA1cは血液検査時に測ることができる数値です。ヘモグロビンは赤血球内にある、身体全体に酸素を運ぶための物質で、作られてから壊れる間の期間に糖と結合します。HbA1cは、その糖と結合したヘモグロビンの割合を表す数値です。

血中の糖と結合したヘモグロビンが増えてしまうとこのHbA1cが上昇しますので、この数値が上がると糖尿病と診断されます。

HbA1cは血中の糖を測る血糖値と異なり数値が大きく変動しませんので、食事や運動などに影響されません。そのため血糖値と比較しても安定した結果が出るため、糖尿病を判断するためには重要な目安になるのです。

さらに早朝空腹時のような血糖値の検査の条件はありませんので、どんな状態でも検査できます。

検査値がいくつであれば糖尿病と診断されるのか

さてここまで糖尿病の検査方法について説明してきました。それぞれの検査結果が出た場合、医師からその診断結果が伝えられるはずです。

診断結果に表記される血糖値を表す数値の単位は、例えば「200mg/dL」という単位になっています。この「/dL」とは「ミリ・パー・デシリットル」の略で、1デシリットルあたりの血液に対し、ブドウ糖が何mg含まれているかという単位です。

また、診断結果で「糖尿病型」といわれた場合、これは糖尿病の疑いがあるという意味となります。そのため、もう一度改めて検査しなければなりません。2回目の検査でも同じような悪い数値が出た場合「型」という表現が外れ、「糖尿病」と診断されます。

ではここで、検査値から何がわかるのかを順を追って説明していきましょう。

4つの項目の基準値のうちひとつでも確認されれば糖尿病と診断される

まず随時血糖値検査ですが、これは200mg/dL以上で「糖尿病型」と診断されます。ただし随時血糖値検査は食事の有無などを考慮せずに実施するため、正確性にややかけるものです。どんな状況であっても、この数値を超えると糖尿病型と診断されるというように考えておきましょう。

次に早朝空腹時血糖検査は、126mg/dL以上の場合に「糖尿病型」と診断されます。早朝空腹時血糖検査は、空腹時の数値ですから比較的値が安定していますので、この検査結果から「糖尿病型」と診断された場合は、再検査を受けた方が良いといえるでしょう。

最後に75グラム経口ブドウ糖負荷試験ですが、これはブドウ糖を飲んだ2時間後の値が200mg/dL以上の場合「糖尿病型」となります。

この3つの血糖値の検査のうちいずれかに該当した場合、糖尿病型となるのです。3つ全てが当てはまる時に限るわけでなく、1つでも該当した場合は再検査が必要となります。

しかしこれに加え、次に説明するHbA1Cにも注目しなければなりません。なぜならこの数値次第で「糖尿病型」の診断ではなく「糖尿病」と診断されるからです。

HbA1cの数値により糖尿病として診断されることも

血糖値を調べるために採血した場合、同時にHbA1Cの数値も知ることができるのです。HbA1Cの数値が6.5%以上(国際標準値)の場合「糖尿病型」という診断になります。

この数値以下の場合でも検診などの結果で5.6~6.4%だった場合は、医療機関での受診が推奨されていると覚えておきましょう。

血糖値とHbA1cの組み合わせによっては糖尿病が確定することも

ただしここで一点注意しなければならないポイントがあるのです。それは、上記の血糖値の数値のいずれかひとつが「糖尿病型」と診断された上に、さらにこのHbA1cが6.5%以上だった場合、糖尿病型ではなく糖尿病と診断されます。つまり再検査するまでもなく、糖尿病であると判断されるのです。

糖尿病診断の検査値を下げることはできるのか

このように糖尿病の検査について知るにしたがって、もし検査結果が悪かったらどうしたらいいかが気になるのではないでしょうか。

医師の診断として糖尿病といわれたのであれば、その後は医師の指示のもとで糖尿病の治療をしていくのは当然ですが、糖尿病型になる手前の数値の場合はどうしたら良いのでしょうか。

検査結果で糖尿病と診断されたら治療がスタート

もし検査結果で糖尿病型、あるいは糖尿病と診断されたのであれば、医師の指導のもとで即座に治療を開始しましょう。糖尿病は早期に発見して対処すれば、それ以上の進行を食い止めることができます。

しかし放置してしまうと、徐々に血糖値が上がり、さまざまな合併症が起こる可能性が高くなるのです。そのため、いち早く、糖尿病を進行させないように健康管理をしなければなりません。

検査値が悪いままだと合併症のリスクが高まる

糖尿病は特定の器官が悪化して体調が悪くなる病気ではなく、血中のブドウ糖が分解できずに血管が傷つき、最悪の場合血管が破裂したり、その他の臓器が機能不全になってしまう病気です。つまり、糖尿病自体で不調になるのではなく、そのほかの合併症によるリスクが高いといえます。

糖尿病の合併症としては神経障害による手足のしびれ、痛みや、網膜症による失明、腎臓病による透析や脳卒中など、あらゆるケースが考えられます。

合併症を発症しないためには、血糖値を少しでも下げるよう食事をコントロールしたり、運動することが必要です。

もし検査値が悪い場合は、少しでも値をよくするよう医師に相談したり、自分から食事や運動に対する意識を持って数値をよくしていきましょう。

糖尿病のリスクは検査だけでなく健康診断の値からも分かる

糖尿病かどうかは糖尿病専用の検査を受ける時だけでなく、一般的な健康診断の数値からもみることができます。

今回紹介しているHbA1c以外にも、BMIの値からも糖尿病が疑われることもあるのです。健康診断の数値から糖尿病が疑われる場合は、すぐに数値を下げるよう生活習慣を改善するのが望ましいといえるでしょう。

目安となるのは血糖値・HbA1c・BMI

血糖値の他に糖尿病の目安となるのは前述のヘモグロビン濃度を表すHbA1cです。この数値は血糖値と合わせて糖尿病を判定する重要なものですが、これ以外にも「BMI」の数値も要注意といえます。

BMIは一般的に使われる指標ですからご存知の方も多いでしょう。BMIは身長と体重から算出される肥満度を表す数値です。このBMIの数値が23以上の場合、糖尿病の可能性が疑われます。

BMIは肥満度を測る数字ですので、血中のブドウ糖の値とは直接関係はありませんが、一般的に肥満の人は糖尿病になりやすいといといわれているのです。

血糖値やHbA1cを測っていなくても、BMIが23を超えているようであれば一度血液検査で血糖値を測ってみてください。

数値を下げてリスクを減らすには生活改善が鍵

何度も繰り返しになりますが、糖尿病を改善するためには血糖値のコントロールが不可欠です。HbA1cやBMIといった数字から糖尿病を防ぐのであれば、医師への相談は当然として、それと並行して自主的に生活習慣を改善し、血糖値を下げるよう心がけましょう。

まとめ

今回は糖尿病の検査とその見方、および検査にまつわるさまざまな話をしてきました。糖尿病を疑うきっかけになる健康診断などでは、血液検査の他に尿検査などでも糖尿病に関する数値が検査結果として出てきます。

もちろんその詳細を見るまでもなく数値的に糖尿病の疑いがある場合は、その数値についてチェックが入ったり詳細の説明を医師から受けることになるはずです。しかしそれにもかかわらず、糖尿病を疑ってきちんとした検査をしないケースも見受けられます。

糖尿病は生活習慣病で、突然体の不調をきたすわけではなく、静かに進行する病気です。そのため、検査結果の数値だけでは病気というリアリティを感じずについ放置しがちになってしまうというのが現実でしょう。

しかし、完治する方法が現在ほとんどない糖尿病の、唯一といってもいい治療法が早期発見による健康管理と血糖値コントロールです。

今回説明した糖尿病の検査とその結果から、糖尿病型、あるいは糖尿病と診断された場合は、即座に医師の指導のもと、健康管理の方法を実践するようにしてください。

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