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ヘモグロビンA1cは重要な判断基準
ヘモグロビンA1cの数値は「糖尿病であるか?」を判別するだけではなく、
数ヶ月の数値の変化を見ていくことで
「糖尿病が改善に向かっているか?」の重要な判断基準になります。
しかし、残念ながら日々変化する血糖値とは違い、
ヘモグロビンA1cの数値は1日、2日では変化しません。
でも、糖質を抑えたり、食後に散歩してみたり、
毎日の血糖値を測定したり、
そんな1日1日の積み重ねが必ず数値として現れます。
糖尿病診断の基準「ヘモグロビンA1c」
通常、糖尿病の診断では
「早期空腹時血糖値」や「ブドウ糖負荷による血糖値」が用いられますが、
2010年頃から
糖尿病診断の基準に加わったのが
「ヘモグロビンA1c」です。
日々の血糖値は、
食事内容や食事の量、計測のタイミングによって大きく変化しますし、
運動した後やその日の体調によっても上下しますが、
ヘモグロビンA1cは、昨日、今日の血糖値の上がり下がりではなく、
直近の1~2ヶ月の血糖コントロールの状態が反映された数値です。
ヘモグロビンA1cの数値を確認すれば、
現在の糖尿病の状態や改善に向かっているかの判断ができるわけです。
医師はヘモグロビンA1cの数値で
患者が
「この1ヶ月~2ヶ月間どんな食生活や生活習慣をしていたか?」
が分かります。
ヘモグロビンA1cを下げる4つの生活習慣
ヘモグロビンA1cを下げるためには、
日々の習慣が大切になります。
1. 食事の際、ご飯(炭水化物)を食べる前に野菜から食べる。
2. 食後には15分から30分程度歩くようにする。
3. 糖質の摂取はなるべく控える(GIも意識する)。
4. 体重を2~3%落とす(80kgの人なら2kg程度でOK!)
とても基本的なことですが、
これら4つの生活習慣意識が大切です。
ヘモグロビンA1cとはいったい何のことですか
「ヘモグロビンA1cは今おいくつですか」と聞くと、
「今は7.2で前は7.8でした」など
ヘモグロビンA1cの数値を答えることが出来る方は多いです。
糖尿病患者であれば、
例外なくヘモグロビンA1cの数値を意識しています。
ところが、
「 ヘモグロビンA1cとはいったい何のことですか 」
と質問しても答えることができる人はほとんどいません。
ヘモグロビンA1cは使いものにならない【 赤血球 】のパーセンテージです。
赤血球は酸素を運ぶ係です。
糖尿病の方は血糖値が高いので、
赤血球に糖がくっついて酸素を運べなくなってしまう赤血球の数が多くなります。
その酸素を運べない、いわゆる使い物にならない赤血球のパーセンテージがヘモグロビンA1cです。
この数字が8~10%であれば、
酸素が細胞に十分に届けられていないので病気になり、老化まっしぐらです。
使い物にならないダメ赤血球の割合は、普通5%以下が望ましいのです。
なぜ糖尿病になると良くないのか
・なぜ糖尿病になると良くないのか?
・なぜ早めのケアが大切なのかご存知ですか?
それは・・
高血糖な状態が続き、
活性酸素が必要以上に増えすぎてしまうと
血管を傷つけてしまい動脈硬化が急激に進んでしまうからです。
糖尿病自体が死因の原因ではなく糖尿病が引き起こす合併症が怖い
糖尿病は、それ自体が直接の死因になるわけではありません。
しかし、糖尿病の人は正常な人と比べて、
突然死の原因にもなる脳梗塞や心筋梗塞の発症率が
2倍~3倍も高くなると言われますし、
・腎症が進行してしまうことで人工透析が必要になったり、
・網膜症が重症することで失明につながったり、
・足などの末梢部分への血流と免疫力の低下による感染が壊疽に発展したり
と、日常生活に重大な支障をきたしてしまう
さまざまな合併症を引き起こしてしまう場合があります。
そのため、もし血糖値が高いようであれば、
合併症を引き起こさないためにも、
「自分の血糖値を把握することが大切」
ですので、
現在の血糖値を測定してみましょう。
空腹時血糖および糖負荷試験2時間値の判定基準
糖尿病か糖尿病予備軍かの判定基準は以下の表のとおりです。
・朝起きた時の空腹時――――110以下なら問題ありません。
・食事前――――――――――110以下なら問題ありません。
・食後1時間――――――――140を超えていたら血糖値スパイクです。
・食後2時間――――――――200を超えていたら糖尿病型です。
空腹時の血糖値は110以内の正常値でも、
食後血糖値が急上昇していまう「血糖値スパイク」というものがあります。
この血糖値スパイクは、
一般的な健康診断(胃カメラなどの検査で空腹時に採血するため)でも、
見落とされがちです。
食後30分後の血糖値が140を超えていたら
血糖値スパイクですし、隠れ糖尿病が疑われますので、
どんなものを食べたら血糖値が急上昇するのか?
食後どのくらいの時間で血糖値が上がりやすいのか?
を把握して改善に取り組みましょう。