糖尿病:食事

糖尿病の栄養指導|正しく実践して合併症を予防!

糖尿病の栄養指導に関する基礎知識

弊社の商品開発チームの医師監修
Q. 糖尿病で栄養指導を受ける必要性はなんですか?
A. 栄養指導を正しく実践することで糖尿病三大合併症である糖尿病神経障害・糖尿病網膜症・糖尿病腎症の予防につながります。

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糖尿病患者に対する栄養指導の必要性とは?

糖尿病患者にとって、食事療法・食事管理は避けて通ることができません。特に、糖尿病の三大合併症と呼ばれている「糖尿病神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」を防ぐためには重要視するべき療法のひとつです。

しかし、糖尿病患者が食事を摂るうえで注意すべきポイントはとても多く、患者ひとりで栄養状態や摂取栄養素、カロリー摂取量を管理しながら「食事コントロール」を行うのは、大変難しいのが現実です。

そこで、糖尿病患者の食事療法を正しく実践させるために必要となってくるのが、栄養指導です。医師や看護師、栄養管理士による栄養指導では、それぞれの糖尿病患者に合わせた適切な食事アドバイスが行われます。
現在の食事内容に関する問題点や改善点、検査結果数値や病状に合わせた栄養指導を受けることで、糖尿病患者がこの先も重い合併症を発症することなく、今と変わらぬ日々を送るための大きなサポートとなるのです。

糖尿病患者が食事療法を正しく行うには、当然ご家族の協力も不可欠でしょう。定期的に栄養指導を受け、ご本人はもちろんのこと、一緒に生活されている家族の皆様にも「糖尿病の食事管理」の重要性を知っていただき、正しい手助けをできるような知識をつけてもらうことも大きな目的となっています。

糖尿病の食事療法は「自分ひとりで食事や栄養を管理しなければならない」と思うと、難しく感じられてしまうものです。しかし、専門家による栄養指導を受けると糖尿病患者自身がどのようなポイントに注意しながら食生活を送れば良いのかが明確になります。
食事管理に対する過度なプレッシャーやストレスから解放され、健康的な食事を正しく楽しむことができるようになるのも、栄養指導を受ける大きなメリットとなるでしょう。

糖尿病の症状に合わせた栄養指導を受けよう

糖尿病の食事管理においては、その症状や段階に合わせた栄養指導を受けることが大切です。基本的な糖尿病の食事療法では、栄養バランスの良い食事内容、規則正しい食事時間、よく噛んでゆっくり食べる、腹八分目を心がけるなどの注意点を守っていれば問題ありません。

しかし、高血圧のある方は塩分摂取量を減らす「減塩食事管理」が必要です。糖尿病患者の場合には高血圧が続くと、血管内部の弾力性が損なわれてしまい動脈硬化のリスクを高めることがわかっています。
その数字は、健康な人の動脈硬化リスクを1としたとき、糖尿病患者は2~3倍。さらに糖尿病と高血圧が重なると6~7倍にも上昇するといわれているのです。
そのため、糖尿病を患っている高血圧ぎみの方は特に減塩を心がけて、血圧管理をしっかり行っていくことが重要となります。

また、糖尿病腎症などの腎疾患・腎不全を起こしている患者の場合には、第1期から第5期の病期に合わせた栄養指導が行われます。主に、たんぱく質、カリウム、塩分の制限が追加されるのが一般的です。

血圧や糖尿病腎症の病期は、年月を重ねるごとに変化していくものです。「一度、栄養指導を受けたことがあるから自分は大丈夫」と思い込まず、定期的に適切な栄養指導を受けるようにしてください。

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糖尿病栄養指導にマニュアルはあるの?

糖尿病栄養指導には、「糖尿病栄養食事指導マニュアル」という研究結果レポートが存在します。社団法人日本栄養士会、全国病院栄養士協議会、栄養食事療法の有用性検討委員会らが2008年に発表した、栄養食指導を効果的に行うための研究資料です。

糖尿病栄養食事マニュアルでは、最初に医師が糖尿病患者の病状や栄養摂取状況を確認するための問診を行い、現在の問題点を洗い出します。そこから6か月後の目標を決定し、効果的かつ具体的な栄養食事指導計画をアドバイスするというものです。

効果的指導の内容としては、食事記録票、体重・運動記録票の利用、そして指導リーフレットの利用が中心です。
その後、糖尿病患者に対しての栄養指導や確認テストが行われ、6か月後に再度問診票で達成内容を確認・再指導するのが基本的な流れになっています。
現状の問題点を明確に点数化することで、適切な対策や指導内容の検討ができるので、多くの栄養指導で採用されています。

また、この糖尿病栄養食事指導マニュアル以外にも、病院や調剤薬局では「糖尿病の食事療法」についてまとめたリーフレットやパンフレットを受け取ることも可能なので、ぜひ活用してみてください。

糖尿病栄養指導を正しく実践するポイント

糖尿病栄養指導を受けた後は、正しく実践していくことが大切です。その際に重要となるポイントは、日々の生活の中で糖尿病患者自身が意志を強く持つということでしょう。
栄養指導を受けただけで安心してはいけません。糖尿病栄養指導によるアドバイスや目標のもと、実際に食事管理をして血糖値コントロールを行うことが一番の目的です。

そのためには、朝食、昼食、夕食を規則正しい時間に摂ることを心がけましょう。3食以外に間食をすると、カロリー摂取量や糖質・脂質・塩分などの把握が難しくなり、高血圧や肥満の原因になることがあるため注意が必要です。
血糖値コントロールのために間食を取り入れる場合には、医師と相談のうえ適量を摂るなどの工夫をしてください。

糖尿病患者が病状を悪化させたり、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症などの三大合併症を発症する場合、その多くは「食事管理の甘さ」と「自分への甘さ」が原因です。
糖尿病では、血糖値の急激な上昇を予防するためにも「甘いもの」を食べ過ぎないようにすることが大切ですが、栄養指導通りに正しく実行するには自分自身の精神的な“甘さ”をしっかりと制することが大きなポイントとなってくるでしょう。

初回の糖尿病栄養指導を受けるときの注意点

糖尿病栄養指導の初回では、日頃の食生活や飲酒量、間食の有無などを正直に伝えることが大切です。「怒られそうだから飲酒量を低く申告してしまう」「栄養が偏った食生活を正確に伝えない」といった例は珍しくありません。

しかし、糖尿病と上手に付き合っていくためには、まず現状を認めて医師とともに把握することからスタートする必要があります。
そのためには、毎食の写真を撮っておく、手帳に記録しておく(または家族に記録してもらう)などの準備をしっかりと行っておきましょう。

また、初回の糖尿病栄養指導を受けた直後からすぐに「指導通り」の食生活を上手に送るのは誰でも難しいものです。
最初から毎食ごとにカロリーや栄養素をきっちり管理するのはプレッシャーになってしまい、挫折する原因になってしまうことがあります。3日単位や1週間単位などの範囲で適正にコントロールできるよう、気持ちに余裕を持って取り組んでいきましょう。

糖尿病患者は栄養指導で麺類が禁止されるって本当?

うどん、そば、ソーメン、冷麦、スパゲッティ、ラーメン、焼きそばなどの麺類は糖質を多く含む食品です。糖質が多い食べ物は、血糖値を上げやすくなるため糖尿病患者が摂取するときには注意が必要となります。

しかし、糖尿病患者だからといって栄養指導で完全に麺類が禁止されるわけではありません。毎食のカロリーを計算しながら、低糖質な野菜などの具を多く乗せるといった工夫をすれば、糖尿病患者でも食べることができます。

何より重要なのは、血糖値を急激に上昇させないことです。特に、外食で麺類を食べるときには具だくさんの野菜ちゃんぽん、山菜そばなど、「栄養バランス」と「低糖質具材」に考慮したメニューを選択しましょう。
また、ラーメンをはじめとした麺類の汁には多くの塩分と脂質が含まれているため、飲み干さないで残す「心の強さ」を持つことも大切です。

糖尿病栄養指導で指定されたカロリーが摂りきれないとき

糖尿病の栄養指導を受けると、毎食の主食やおかずのカロリー目安がアドバイスされます。
しかし、もともと小食の方や体調が優れないときには、栄養指導で指定されたカロリーが摂りきれないこともあるでしょう。
その場合には、無理して全部食べようとする必要はありません。よく噛んで、できるだけゆっくり食事を楽しむようにしてください。

真面目な方だと、「食べきれなかったお米をおにぎりにして、間食で摂取したほうが良いのか」と考えることもあるようですが、お米は糖質が大変多いため血糖値が急激に上がりやすい食品です。
1日のカロリー量を調整するためとはいえ、単品で食べるのは糖尿病患者にとって良くありません。もしも間食でカロリーを補う形をとるのであれば、必ず医師に相談をしてから間食内容や量を決定しましょう。

栄養指導で推奨される糖尿病患者のおやつは何?

最近では、糖尿病治療を行っている患者用に開発されたカロリーコントロール食品や、食後高血糖を抑える機能性食品が多く販売されています。これらの食品は、血糖値の上昇やカロリーの過剰摂取を防ぐために糖質の少ない甘味料を使用したり、食物繊維を多く使うことで糖質カットをしているのです。

また、糖質の吸収が穏やかな「低GI食品」は血糖値上昇をゆるやかにするため、糖尿病患者はもちろんのこと、肥満や健康が気になる方にも人気があります。
糖尿病患者への栄養指導においても、低糖質食品、低GI食品、低カロリー・ノンカロリー甘味料などが推奨されることが多いです。

糖尿病患者への栄養指導では、その方の病状や体格、血圧などによって間食(おやつ)を禁止されるケースも少なくありません。その場合には、自己判断で間食しないように注意しましょう。

特に、糖尿病治療をしている方に好ましくないとされている「おやつ」は、アイスクリーム、菓子パン、菓子類、炭酸飲料、果汁ジュースなどの、砂糖や糖質が多く含まれている食品や飲料です。血糖値の上昇や血液中の中性脂肪が高くなりやすい傾向があるため、これらの食品は避けるようにしてください。

栄養指導を活用した糖尿病合併症の予防方法

糖尿病の三大合併症と呼ばれている、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症を予防するためには、血糖コントロールによって「高血糖状態」をできるだけ抑えていくことが大切です。

血糖コントロールでは、薬物療法、運動療法、食事療法の三本柱をバランスよく行う必要があります。特に食事療法は、糖尿病合併症を予防するうえで非常に重要な柱です。
厳格な食事管理を行うことができれば、2型糖尿病のうち約7割の患者が食事療法のみで血糖コントロールが可能だともいわれています。

その上で栄養指導は欠かすことができません。医師や看護師、栄養士などの専門家から食事療法のアドバイスをもらい、正しく実践していくことで糖尿病の進行・合併症の予防に直結します。血糖値はもちろんのこと、血圧や体重、血清脂質を少しでも良好な状態にキープしましょう。

もしも、栄養計算をしながら食事を準備するのが負担に感じる場合には、宅配食や宅配弁当を利用するのも便利です。宅配食では、糖尿病患者用のメニューを用意している業者が多く存在します。
糖質制限やカロリー調整、減塩、栄養バランスに考慮した「糖尿病食事療法用宅配食」をうまく取り入れながら、無理のない範囲で栄養指導内容を実践していくのも、ひとつの方法です。

栄養指導による糖尿病の治療方法

多くの糖尿病患者さんは、栄養指導に基づいた食事療法と運動療法、そして薬物療法を併用して治療を行っていきます。
しかし、糖尿病は完治する病気ではありません。そのため、糖尿病治療においては病状の進行を少しでも抑えることや、糖尿病合併症を発症させないことなどが目標となります。

私たち人間が食事を摂れば、健康な人でも食後には血糖値が上昇します。
しかし、インスリンが正常に分泌されるため、上がった血糖値をきちんと戻す作用が働いてくれるのです。
糖尿病患者の場合には、インスリンの分泌不足や作用減少によって、血液中のブドウ糖が上手く代謝されず高血糖状態が長時間続いてしまいます。これにより、血管へのダメージが蓄積され神経障害や網膜症といった合併症が出てきます。

栄養指導では、食後の高血糖抑制、高血圧の予防、肥満の防止などを目的として、それぞれの患者さんに適切な食事アドバイスが行われます。
食物繊維を多く摂ること、低糖質・低GI食品を積極的に摂ること、摂取カロリーの管理などが主な内容です。

正しい栄養指導を受けて適切な糖尿病治療を行うには、医師との信頼関係も軽視できません。
「間食をしているのに、していないと嘘をついてしまう」「アルコールを飲んでいることを正直に話せない」など、栄養指導時に事実を偽ってしまう患者さんも多いものです。
しかし、糖尿病を患いながらも快適な人生を歩んでいくためには、今の状況や生活習慣をしっかり本音で話すことが大切になります。

糖尿病治療においては、栄養指導を継続的に受けるのも非常に重要です。糖尿病の状態は、年月の経過とともに変化していきます。食事療法を行っている中で、わからないことや不安に感じることがあれば、医師に直接相談・質問してみるようにしましょう。

まとめ

糖尿病患者が血糖値コントロールをしていくうえで、食事療法はとても重要な項目です。
血糖値の急激な上昇を抑え、高血糖状態を少しでも避けることによって、多くの糖尿病患者が恐れている「糖尿病神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」を予防することができます。

糖尿病の食事管理は厳しく難しいものだという先入観があるかもしれませんが、実際の栄養指導の内容は「健康的な食生活を送る」といった至ってシンプルなものです。
食事療法を食事制限と考えず、より好ましい食事を摂るように心がけていくことが大切です。

栄養指導を受けても、最初から上手に食事管理ができる人はほとんどいません。初めのうちは、カロリーコントロールや栄養バランス管理が思うようにいかなくても、落ち込む必要はありません。
外食を減らしたり、食べる順番に注意するなど、まずは自分ができることから積極的に意識して食事療法に向き合っていきましょう。

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この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得している自然療法専門医。
スコッツ先生のプロフィール
https://gluco-help.com/media/lose-weight-diabetes27/

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