糖尿病:症状

糖尿病とストレスの関係性

糖尿病とストレスに関する基礎知識

弊社の商品開発チームの医師監修
Q. 糖尿病からくる動悸の原因や対処法は?
A. 低血糖を改善するための方法を取りながら、日々の生活に目を向けることが大切です。

糖尿病とストレスの関係とは

糖尿病は、発症要因別に1型糖尿病と2型糖尿病に分類されます。日本人の多くが悩まされているのは、2型糖尿病です。この2型糖尿病は、主に運動不足や食生活の乱れ、肥満などの「生活習慣」が大きな原因だといわれてきました。
しかし、最近では「ストレス」も糖尿病の要因のひとつであると考えられています。

糖尿病を発症させるメカニズムについては、膵臓のインスリン分泌機能低下やインスリン抵抗性など、さまざまな説がありますが、ストレスがこれらの機能や作用を乱すことが判明したのです。
私たち人間の身体は、強いストレスを受けると「緊急事態」と判断します。ストレスから生命を守るために、血圧を上昇させたり心拍数を増加させたりして、身体の機能を維持しようと働きだします。その働きの中には、血糖値を上げることも含まれます。

特に女性では、脳や身体がストレスを感じたときに「ホルモンバランスが崩れる」といった経験をしたことがある人も少なくないでしょう。月経不順や肌荒れ、イライラなどの症状が、まさにそれです。
ストレスを感じると、身体の中ではあらゆるホルモンが分泌されます。インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンですが、血糖値を上昇させるホルモンは数多く存在するといわれています。

ストレスを感じると、男女問わず交感神経の働きが活発になり、アドレナリン、甲状腺ホルモン、グルカゴンといった「血糖値を上げるホルモン」が過剰に分泌されてしまうのです。これは、ストレスを「生命の危機」として脳が捉えて、筋肉を最大限に活用できるようブドウ糖を増やそうとする働きによるものです。

また、ストレスが蓄積すると、その発散のために暴飲暴食に走ってしまう人も多いでしょう。アルコールの飲み過ぎはもちろんのこと、糖質の高い食べ物をドカ食いすることによって、血糖値の急上昇、肥満、内臓脂肪の蓄積などが引き起こされ、インスリン抵抗性を高めてしまうことも珍しくありません。

さらに、ストレスは体内の活性酸素を増殖させる作用があります。活性酸素が増えすぎると、細胞の老化や機能低下、炎症につながるため糖尿病の発症リスクを高めるといわれています。
このように、糖尿病とストレスは深い関係性があると考えられているのです。

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ストレスが糖尿病患者の血糖値を上げるって本当?

前述した通り、心や身体にストレスがかかると血糖値を上昇させるホルモンが多く分泌されます。さらに、ストレスを感じている状態では「インスリン抵抗性」が強くなるため、血糖値が上がりやすくなるといわれているのです。
インスリン抵抗性は、膵臓から分泌されるインスリンに対する感受性が低下するもので、インスリン自体がしっかりと出ていても、血糖値が下がらなくなってしまう状態のことです。

糖尿病患者さんの場合には、インスリン抵抗性をはじめ、膵臓からのインスリン分泌能力が低下していることが少なくありません。健康な人でも、ストレスを受けると血糖値が高くなりがちですが、もともとの機能が弱っている患者さんの場合には、ちょっとしたストレスを感じただけでも自己測定の血糖値が跳ね上がることも珍しくないといいます。

しかし、ストレスの感じ方や血糖値への影響には個人差があり、一概にはいえません。
糖尿病の治療として毎日、食事療法や運動療法を行わなければならない現実や、薬物療法で起こりがちな低血糖発作への恐怖など、これらを大きなストレスとして感じる患者さんも多いでしょう。

また、糖尿病だと診断されたばかりの人では、その現実を受け入れられないことも大きなストレスになってしまいます。糖尿病を発症すると、どうしても将来への不安が拭いきれないところもあるかもしれませんが、自分ひとりで抱え込んでしまうと「ストレス」となって、血糖コントロールを悪くする可能性も否定できません。
家族や医師、看護師、薬剤師などと冷静に話をすれば、少しずつ消化できることもあるでしょう。
うつ病などの「心の病」となる前に、適切な相談相手を見つけることも糖尿病治療では大切だといわれています。

ストレスを取り除くと糖尿病の症状が改善する?

糖尿病の発症や、血糖値が高くなる要因のひとつとして「ストレス」があげられることは、前述した通りです。糖尿病でなくとも、大きなストレスがかかっているときに血糖値を計測すると、かなり高い値を叩きだすことも珍しくないといいます。

そもそも、ストレスが原因となって糖尿病を発症してしまった場合には、ストレスがなくなれば糖尿病自体が完治したり改善したりするのでしょうか。
これについては、「ストレスを排除したら糖尿病が改善した」というデータも報告されています。しかし、どれだけストレスを感じても糖尿病にならない人も存在するのも事実です。
ストレスによって糖尿病になってしまう人は、もともと「糖尿病体質」であると考えるのが妥当でしょう。糖尿病体質というのは、遺伝的な要素をはじめ、肥満、内臓脂肪、運動不足、食生活の乱れなどが原因としてあげられます。

糖尿病だと診断されてからストレスの原因を取り去ったとしても、その他の要因が残っている以上は「糖尿病が完治した」とはいえません。血糖値やヘモグロビンA1cなどの数値が改善された後も、適切な食事療法や運動療法によって引き続き治療を行っていく必要があります。

もちろん、検査結果や状態が安定していれば、血糖降下薬やインスリン注射などの薬物療法を中止することも少なくありません。医師としっかり相談したうえで、今後の治療方針や方法について決定するようにしましょう。決して自己判断で糖尿病治療を中止しないでください。

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身体のストレスも糖尿病に大きく影響する

ストレスというと、心や精神面でのストレスを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、糖尿病以外の病気によって身体にストレスがかかることも、血糖コントロールに大きな影響を与えるため注意が必要です。

風邪や発熱、下痢、腹痛など「ごくありふれた症状」でも、血糖値が高くなってしまうこともあります。身体にかかるこれらの負担は、すべてストレスになります。
このようなときには、脳が「緊急事態である」と判断し、アドレナリンや甲状腺ホルモンといった「ストレスホルモン」を次々に分泌し、いつも通りに生活しているだけでも思わぬ高血糖になってしまうのです。
また、なんらかの体調不良を起こしているときには、インスリン分泌やインスリン抵抗性が悪化する傾向がみられるため、普段では考えられないほど血糖値が上昇することもあるといいます。

特に、糖尿病患者さんは日常的に高血糖状態が続いているため、健康な人と比べて身体の免疫機能が低下している場合が多く、ちょっとした風邪や腹痛でも治りが遅くなることも少なくありません。
身体の中でなんらかの炎症が起きていたり、下痢や発熱が続いたりしてしまうと、体内の水分量が減少して脱水症状を起こしがちです。脱水が起きると、血液中の血糖濃度が高くなって、さらなる高血糖を招きます。

健康な人にもいえることですが、体調が悪いときには食欲も低下してしまうものです。糖尿病治療を行っている患者さんの場合には、1日3食を規則正しく摂取することが大切ですが、普段通りの薬物療法を行っているにも関わらず、食事量が減ったり回数を飛ばしたりしてしまうことがあると、低血糖発作を起こしやすくなるため注意しましょう。

万が一、250mg/dL以上の高血糖が続いていたり、350mg/dL程度の重度高血糖になったりした場合には、すぐに医療機関で診察を受けるようにしてください。また、食事がほとんど摂れないときや、2~3日様子を見ても全く症状が改善されないとき、38~39度の熱が続くときにも、自己判断で様子見をせずに医師へ相談するようにしましょう。

やむを得ず、いつもと違う病院を受診する際には、必ず糖尿病であることを告げてください。普段飲んでいる薬を伝えることも忘れてはいけません。お薬手帳か、現在飲んでいる薬をそのまま持参すると安心です。糖尿病健康手帳などをお持ちの方は、あわせて持っていきましょう。

ストレスからくる糖尿病患者のうつ病に注意

糖尿病の治療を行っている患者さんでは、うつ病を発症する割合が高いといわれています。糖尿病患者さんは、日頃の血糖コントロールや、食事療法・運動療法を正しく実践するために、日々さまざまなストレスにさらされているためです。
多くの場合では、自分がうつ病になってしまったことに本人は気付いていません。

うつ病では、意欲の低下や気分の落ち込み、集中力の低下、興味や喜びの喪失といった精神的な症状をはじめ、身体の不調を訴える患者さんも多いといいます。
これらの症状は、検査をしても「特に異常なし」と診断されることがほとんどで、まわりの人からは「気持ちが弱い」とか「怠けている」などと言われてしまい、余計に糖尿病患者さんのうつ状態を進行させてしまうのです。

糖尿病の人がうつ病になると、治療に前向きに取り組めなくなったり、運動療法が面倒に感じたり、将来への不安で押し潰されそうになったりすることも珍しくありません。
「頑張らなきゃいけないのに、どうしても頑張れない」といった葛藤が、新たなストレスを生み出して悪循環に陥ってしまいます。
その結果、うつ病が日に日に進行して、同時に血糖コントロールも悪化してしまうのです。

糖尿病を治療している患者さんは、日頃から上手なストレス発散方法を見つけておく必要があります。もちろん、食べることやお酒を飲むこと以外での「ストレス解消法」であることは大前提です。
運動や音楽、趣味、人との会話など、自分に合ったストレス発散の方法を身に付けておきましょう。
もちろん、どんなに気を付けていても「うつ病」を発症してしまうことはあります。しかし、早期に発見して適切な治療を行えば完治させることも可能です。
少しでも「おかしいな」と感じることがあれば、医師に相談するようにしてください。

糖尿病なのにストレスでドカ食いしてしまう人の対策

糖尿病患者さんの中には「もともと食べることが大好き」という人が多いでしょう。そのため、医師や栄養士から指導された食事療法を実践していると、好きな物を好きなだけ食べることができなくなり、どうしてもストレスが溜まってしまうものです。

そんなとき、ストレス解消のために「ドカ食い」に走る患者さんが後を絶ちません。普段は絶対に食べないような高糖質のお菓子やスイーツをはじめ、ラーメンやカレーライスの大盛り、牛丼、パスタ、ピザといった高GI値の食品を、医師には内緒でドカ食いしてしまうのです。

しかし、ドカ食いのようなストレス解消法は、糖尿病治療中の人にとって命を縮める行為ともいえます。食後血糖値が急激に上昇し、血管内部へ大きなダメージを与えて動脈硬化や心筋梗塞などの原因にもなりかねません。
さらに、糖尿病三大合併症である「糖尿病神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」などの発症にもつながります。失明したり、足を切断することになったり、人工透析になったりしないためにも、ドカ食いは絶対にやめるべきでしょう。

そのためには、日頃から適度なストレス解消を行う必要があります。前述したような「うつ病」を予防するための方法と似ていますが、運動や音楽鑑賞、趣味に打ち込むこと、人と話をすることなどは、ストレス解消に大きく役立つでしょう。
もちろん、ストレスの感じ方や発散方法には個人差があります。自分自身に合ったストレス解消法を見つけておくことが大切です。

また、医師や専門家によってはドカ食い予防の対策として「週に1回だけ好きなものを食べて良い日」を設定することを推奨している人もいます。ただし、患者さんの状態や合併症の有無によっては、いくら週1日だとしても危険が伴うケースもあるため、自己判断で行ってはいけません。

食事療法でストレスを溜めないためには、普段から「我慢しすぎない」「上手に工夫する」といったことが重要になってきます。最近では、スイーツやアイスをはじめ、麺類などもさまざまな種類の低糖質な食品が販売されているため、これらの食材を上手に取り入れながら無理のない食事療法を実践していくと良いでしょう。

ストレスで糖尿病を悪化させないためには?

ストレスによる病状の悪化といえば、精神疾患が代表的です。しかし、糖尿病のような慢性疾患でもストレスを抱え込むことで、悪化してしまうといわれています。
糖尿病患者さんは、毎日の食事療法や運動療法が欠かせませんが、ストレスを抱えて気分が滅入ってしまうと「ウォーキングに出かけるのが億劫」「食事の栄養バランスを考えるのが面倒」など、治療に対しての意欲が低下してしまうものです。

また、ドカ食いやお酒の飲み過ぎといった「暴飲暴食」に走ってしまう糖尿病患者さんも少なくありません。好きなものを食べて、好きなだけお酒を飲むというのは一見「ストレス解消」につながるようにも思えますが、身体には大きなストレスをかけているのです。
血糖値が急激に上昇し、血糖コントロールが悪くなると、インスリン抵抗性も高まり「悪循環」を招くことになります。

米国糖尿病学会(ADA)が推奨しているストレス対処法として「ストレスコーピング」と呼ばれるものがあります。
具体的には、運動量を増やす、休養をたっぷりとる、環境を変えてみる、腹式呼吸でリラックスする、趣味に打ち込む、主治医や専門家に相談するなどの方法です。最近では、1日5~10分程度の瞑想もストレス対策として効果的だといわれており、注目を集めています。

まとめ

糖尿病は、一度発症すると生涯にわたって治療を継続しなければならない病気です。そのため、毎日の食事療法や運動療法が負担となり、大きなストレスを感じてしまう患者さんも少なくないといいます。

しかし、心や身体で感じるストレスは体内のホルモン分泌を乱したり、暴飲暴食の原因になったりして、糖尿病患者さんの血糖コントロールにも影響します。
そのまま放置していると、うつ病を発症して「糖尿病の治療意欲」が低下してしまうことも珍しくありません。
糖尿病患者さんに限らず、現代社会ではストレスと無縁の生活を送ることは非常に難しいですが、自分なりの上手な発散方法を見つけながら良好な血糖コントロールを行っていきましょう。

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この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得している自然療法専門医。
スコッツ先生のプロフィール
https://gluco-help.com/media/lose-weight-diabetes27/

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