糖尿病の受診科に関する基礎知識
弊社の商品開発チームの医師監修
Q. 糖尿病は何科で診てもらえばいいのでしょうか?
A. 内科や外科、眼科、泌尿器科といった科で診てもらうことが可能です。最近では、自分でできる検査キットも発売されています。
糖尿病では何科にかかればいい?
親族に糖尿病を患っている者がいるから不安、最近糖尿病かも?と思う症状が気になるなど、糖尿病に関する不安や疑問を抱いている人も多いでしょう。
そこで考えるのが、何科に行けばいいのかということです。
一般的にかかることの多い内科に行くべき?と考える人が多い中で、糖尿病のレベルや症状によって行くべき科が異なることも理解しておきましょう。
ここでは、症状に応じて何科に行けばよいのかという点から、科ごとにどのような診察が行われるのか、詳しく見ていきます。
糖尿病内科
内科の中でも糖尿病内科を受診することで、詳しい検査を受けることができます。
何型糖尿病であるかを知ることもでき、今後の治療や生活における注意点などについても知ることができるでしょう。
ちょっとした体調不良などを感じるときに足を運ぶことが多い内科、糖尿病に関する相談や診察も実施しています。
一般的な内科でも糖尿病に関する相談や簡単な診察は行ってくれますが、最近耳にするようになった糖尿病内科に行くと安心でしょう。
内科とは異なり糖尿病の診察や治療を中心に行っているのが糖尿病内科であり、検査や診断を実施してどんな種類の糖尿病であるかを判断します。
内科では実施しない検査もあるため、糖尿病が気になる人には安心できます。
糖代謝異常やインスリンの治療、栄養指導や生活習慣病の治療などを実施する病院も多いです。
糖尿病内科では、以下の検査を行い糖尿病の診断を行います。
- インスリン分泌量の測定
- 血糖値の測定
- 視力検査や眼底検査、視野の測定
- HbA1cの測定
- 血圧測定
- コレステロールや中性脂肪の測定
細かい検査を行うことで、糖尿病の種類が見えてきます。
内科よりも詳しい検査を実施するため、糖尿病の疑いが大きい人にとっては頼りになるでしょう。
眼科
この糖尿病内科と同時に、眼科にも定期的に通っておくと安心です。糖尿病において恐ろしい合併症、その中でも目のトラブルに注意が必要です。
目のトラブルに少しでも早く気づき、治療に移るため、眼科の受診も忘れないようにしましょう。
糖尿病を患っていると、以下のような目のトラブルに悩まされることがあります。
- 白内障
- 角膜障害
- 血管新生緑内障など
失明という恐ろしい結末を招かないためにも、頼れる眼科を見つけておきましょう。
一通りの検査から、糖尿病の進行具合や目の病気になっていないかなどを確認できます。
目のトラブルを防ぐためにも、定期的に眼科での診察を受けるようにしましょう。
外科
糖尿病内科や眼科の他に、外科でも糖尿病の診察を実施しています。
外科では、糖尿病から来る足病変などの手術や、手術を用いて減量を図るという方法も存在します。
外科の中に減量外来と呼ばれるところもあり、日常生活を見直しながら糖尿病を改善していこうというアドバイスをもらうことも可能です。
減量手術を行う場合もあり、適正体重を維持して糖尿病の悪化を食い止めるという効果も期待できます。
食事療法や運動療法を続けても効果が現れない、肥満度が高くなり健康を脅かす危険性があるといったときに、減量手術を行うケースが多いです。
糖尿病内科を受けて治療を続けながら、外科での治療を検討する場合もあります。
総合病院などの大きな病院において、糖尿病外科という診療科目があります。
気になる症状があったら、相談してみるのもよいでしょう。
泌尿器科
泌尿器科においても、糖尿病の診断や治療を行うことができます。尿の回数が多い、臭いが気になる、喉の渇きを感じることが多いなどの異変を感じたら、泌尿器科で調べてもらいましょう。
泌尿器科では、尿検査や血糖値の測定、血液検査などの簡単な方法で糖尿病の診断を行っていきます。
泌尿器科は内科と一緒になっている病院が多いため、糖尿病の相談や検査、診察などもしやすいです。
尿に少し異変が起きているかもと感じたら、泌尿器科を訪ねてみましょう。
糖尿病の検査方法について
糖尿病かも?と思ったときに受診できる科は、意外にもたくさんあります。
症状によって適している診療科目があったり、糖尿病を専門に診てくれる科がある中で、どのような検査が行われるのでしょうか?
ここでは、糖尿病の検査方法について詳しく解説します。
血液検査
糖尿病かどうかを判断するためにまず欠かせないのが、血液検査です。
どの科を受診した際にも、血液検査は受けることになるでしょう。
血液中にブドウ糖がどれぐらいあるかを調べることができ、食前食後の血糖値も採血から知ることが可能です。
空腹時血糖値を測定する際には、10時間以上何も口にしていないときに行います。また、75g経口ブドウ糖負荷試験に関しては、糖尿病の疑いがある人に行うケースが多いです。
どちらも血液検査によってわかる項目になり、糖尿病になっていないかを知ることができます。
将来糖尿病になるかもしれないというリスクを抱えている人も受けられる検査です。
尿糖検査
糖尿病の診断は、血液検査の他に尿糖検査によってもわかります。
尿の中にブドウ糖があるかどうかの検査になり、一般的な尿検査を行います。
健康な人は、尿の中にブドウ糖が含まれることはほとんどありません。
尿の中にどれぐらいのブドウ糖が含まれているかによって、試験紙の色が変わるようになっています。
また、軽度の糖尿病だと尿糖検査でははっきりとわからないこともあるため、尿糖検査と合わせて血液検査もしておくと安心でしょう。
気になる症状があったら病院を受診しよう
日々の生活の中で気になる不調を発見したら、できる限り早く専門医に診てもらうべきです。
以下のような症状を感じたら、早めに病院を受診しましょう。
糖尿病かも?と思われる症状一覧
糖尿病は、早期発見が何よりも重要です。
早く気づくことで治療を進められ、症状を悪化させずに済みます。以下のような症状を感じたら、まずは気軽に医師を訪ねてみましょう。
- 身体が疲れやすくなった
- 皮膚の乾燥が気になる
- 手足の感覚が鈍くなったように感じる
- 感染症にかかることが多くなった
- 頻尿
- 目がかすむ
- 切り傷などの怪我が治りにくい
- 空腹感や喉の渇きが気になる
上記のような症状が見られる場合は、糖尿病の中で最も多い2型糖尿病を発症している恐れがあります。
日本人のほとんどは2型糖尿病であるとされているため、このような症状を感じたら病院で相談してみましょう。
ちなみに、1型糖尿病だと、以下のような症状が現れます。
- いつもより喉が渇く
- 頻尿
- 急激に体重が減る
- 疲れがひどく、抜けきらない
2型糖尿病より現れる症状が少ないものの、症状のレベルが大きいのが特徴です。
体重が急激に減る、とにかく疲れがひどいなどの異変を感じたら、医師に相談するとよいでしょう。
自分でできる糖尿病検査もある
糖尿病かも?と思われる症状が気になったら、糖尿病内科や外科、眼科など、症状に合わせて訪ねることが大切です。
そんな中、自分でできる糖尿病検査もあります。さっそく、どのような検査を行うのか紹介しましょう。
自分でできる糖尿病検査の内容
自分でできる糖尿病検査には、いくつかの種類があります。順に検査方法や内容を紹介していきます。
・血糖自己測定
糖尿病の診断や治療を進めていく中で最も大事ともいえる血糖値、自分でも測定することが可能です。
痛みが少なく、簡単に測定できる機械も登場しているため、気軽に自身の血糖値について知ることができます。
使用方法に慣れてくると簡単に測定できるようになり、日々どのようなタイミングで血糖値が上昇しているのかチェックできるのでおすすめです。
血糖自己測定を行う際は、事前に医師からきちんと説明を受けておきましょう。
・体重測定
糖尿病予備軍または糖尿病の人にとっては、食事療法が欠かせません。
そこで、日々の体重もしっかりチェックしておきましょう。
体重測定は、自宅にある体重計に乗ることで誰でも簡単に測定できます。
体重測定を行うときは、毎日決まった時間に体重計に乗るようにしましょう。
食前や食後では体重が異なります。午後の3時に体重を測定するといったように決めておくと、体重計に乗るのが日課になり、続けられるでしょう。
・尿糖検査
病院で受けることの多い尿糖検査も、自宅で行うことができます。
検査用の試験紙は市販でも売られており、その試験紙に尿を付けるだけで尿中のブドウ糖の有無を確認できます。
簡単にできる検査となっているため、定期的に行うことができるでしょう。
定期的にチェックしておくことで、糖尿病になっていないか、症状が進行していないかといった点に気づくこともできます。
・血中ケトン体測定
自分でできる糖尿病検査には、血中ケトン体測定と呼ばれるものもあります。
血液と尿からケトン体について調べることができ、数値によってより詳しく体内のケトン体について知る機会にもなるでしょう。
ケトアシドーシスという酸欠状態を防ぐためにも、血中ケトン体は調べておくと安心です。お腹が痛い、食欲がない、口が渇く、トイレの回数が増えるなどの異変を感じたら、ケトアシドーシスの前触れかもしれません。
処置が遅れると命にも関わってくるため、日頃から意識しておくことが大切です。
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いつもと違う体調不良を感じたら、早めに病院へ
糖尿病かもしれないとき、何科にかかればよいのかという点について見てきた中で、どんなときも早めに病院へ行くようにしましょう。
早期発見の重要性は、糖尿病をはじめあらゆる病気において当てはまることです。
特に、糖尿病の場合は特徴的な症状から、ただの疲れかな?と感じる症状まで幅広いです。
また、ストレスによっても糖尿病の症状は大きく変わります。
仕事や家庭、人間関係などにおいてさまざまなストレスを受けているとき、血糖値も高くなりやすいです。
一方、ストレスから開放されると、血糖値は元に戻る場合が多いです。このようなストレスとも上手に向き合いながら日常生活を送ってみましょう。
いつもと違う体調不良を感じたときは、早めに家族に知らせることも大事です。
気になる症状や体調について伝えておくことで、家族も気にかけてくれるでしょう。
そして、何科にかかればよいのかを一緒に考えてくれ、不安なときは病院にも足を運んでくれるでしょう。
体調不良を気軽に相談できる家族や医師を頼り、安心して治療に専念できる環境を作っていくことが大切です。
糖尿病からは合併症を招くリスクがあり、合併症の内容によってかかるべき病院が異なってくることを理解しておきましょう。
そして、合併症にならないよう、日頃から糖尿病と向き合っていきましょう。
まとめ
病院には、さまざまな診療科目があります。
その中で、糖尿病かもしれないというとき、どこを受診すればよいのかわからないという人も多いでしょう。
今では糖尿病内科や糖尿病外科と呼ばれる科も増え、その他にも眼科や泌尿器科などで糖尿病の診察や治療を受けることができます。
糖尿病から起こりえる合併症の関係で、さまざまな科で診察を受けることができるともいえるでしょう。
その上で、糖尿病の検査方法の詳細や、自宅でできる検査内容などについての理解も深めておくと安心です。
体調不良が気になるとき、糖尿病かもしれないと感じるときは、自身の身体と向き合いながら、早めに医師に診てもらいましょう。
糖尿病は、早期発見によって症状の進行を遅らせることができます。日常生活での注意点も多々ありますが、病院で信頼できる医師のもと治療を受けながら過ごしてみましょう。