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糖尿病の検査結果はすぐわかる?検査項目なども紹介

糖尿病検査結果に関する基礎知識

弊社の商品開発チームの医師監修
Q. 糖尿病の検査結果はすぐにわかりますか?
A. 検査結果が当日出る病院もありますが、外部委託の場合は数日〜1週間程度かかるのが普通です。

この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得している自然療法専門医。
スコッツ先生のプロフィール
https://gluco-help.com/media/lose-weight-diabetes27/

糖尿病の血液検査の種類

糖尿病の血液検査は、通常の血液検査の採取方法と違いはありません。ただし、採血する前に食事をしても良い場合と、してはいけない場合があります。血糖値は一日の中で変動しており、さらに食事をすると血糖値が上がるため、安定した結果が得られない場合があるからです。

ですから血糖値の低い空腹時に行われることが多くなっています。では、検査にはどんなものがあるのでしょうか?

空腹時血糖値

この方法で測定するときは、10時間食事をしていない状態で採血をします。長時間食事をしていない状態だと、血糖値が上昇しておらず比較的安定しています。インスリンの状態やはたらきを示すもっとも基本的な数値になります。

随時血糖値

この方法では、検査前に食事をしてもよいことになっています。食事をした後は血糖値が上がりますので、結果もそれを考慮した上で判断されます。そのため、基準値が空腹時血糖値よりも高くなっています。測定の何時間前に食事したかは、人により異なりますので、結果が安定しにくい特徴があります。それ以外は、空腹時血糖値を測定するときとほぼ同じです。

75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)

この方法も、10時間食事をしていない空腹の状態で行います。75gのブドウ糖溶液またはサイダーを飲み、2時間の間30分ごとに採血をして血糖値を測ります。1時間後の値を1時間値、2時間後の値を2時間値といいます。それをもとに糖尿病の可能性があるかどうかを判断します。

注意点として、強制的に高血糖の状態を作り出すため、糖尿病の可能性が高く、すでに高血糖状態の状態であると考えられる人に対しては行えません。

糖尿病の血液検査前は食事をしてもいい?結果はすぐにわかる?

前述のとおり、食事をしてもいい場合としてはいけない場合があり、検査の種類によって異なります。また、診察を受ける病院の方針で、最初にどの方法で行うか決められている場合もあります。基本的には診察を受ける病院に、事前に確認した方がいいでしょう。

もし、確認を行わずに食事をした状態で行っても、随時血糖値方式で行われるか、また後日食事をしていない状態で来るように言われますので、特に問題はありません。また、結果は当日出る病院もありますが、外部委託の場合は数日〜1週間程度かかります。

糖尿病前の状態をあらわす「境界型」「糖尿病型」とは?

糖尿病は生活習慣が大きく関係している病気で、運動不足や食べすぎなどを積み重ねていくことで、徐々に進行していきます。その状態に応じて3つの段階があります。それが、正常型・境界型・糖尿病型といわれるものです。

正常型は、数値が範囲内におさまっており、異常がない状態です。境界型は予備群ということになりますので、要経過観察の段階です。糖尿病型は、糖尿病になる直前の状態か、疑いがかなり強いと判断される段階をいいます。

検査で糖尿病型といわれたら糖尿病確定?

糖尿病と判断されるのは、決められた条件を満たしている場合で、一度糖尿病型といわれたら確定というわけではありません。例えば以下の様な条件が挙げられます。

  • 血糖値とHbA1cが、両方糖尿病型・・・確定
  • HbA1cのみ糖尿病型・・・再検査後、血糖値のみ糖尿病型なら確定
  • 血糖値のみ糖尿病型・・・糖尿病の典型的な症状があるなら確定

これらは一部にすぎず、実際はもっと多くの細かな条件があります。仮に75g経口ブドウ糖負荷試験を行ったとして、もう少し具体的な例を挙げてみましょう。

75g経口ブドウ糖負荷試験の場合(空腹時と2時間値)
正常型: 110mg/dL未満または140mg/dL未満
糖尿病型: 126mg/dL以上かつ200mg/dL以上

上記の表で、空腹時の血糖値が110mg/dL未満、もしくは2時間値が140mg/dL未満だった場合は、正常型です。一方、空腹時の血糖が126mg/dL以上で、さらに2時間値が200mg/dL以上の場合は糖尿病と診断されます。このように、数種類の成分・症状など、さまざまなことを考慮して診断されているのです。

糖尿病の血液検査の検査項目

血糖値

血糖値は、血液1dL中に何mgの糖があるかを表す値です。健康な人の空腹時の血糖値は110mg/dL未満です。食後でも140mg/dLより上がることはありませんので、これ以上になると、糖尿病を疑う必要が出てきます。

血糖値は日によって異なり、1日のうちでも上下動を繰り返しています。血糖値の測定は測ったときの数字しかわからないため、別の成分も分析対象になります。

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)

エイチビーエーワンシーともいいます。赤血球の中にあるヘモグロビンがブドウと結合してできたものです。ヘモグロビンのうち、HbA1cが占める割合をパーセントで表したものが、数値となります。この成分は高血糖状態が続くと、比例して高くなっていきます。そしてたとえ高血糖ではなくなっても、しばらくは数値が下がりません。

その理由は、赤血球の寿命がおよそ120日だからです。血糖値は変化の大きい値ですが、この成分はゆっくり変化する値です。過去1〜2ヶ月の平均を表しますので、検査時に空腹時血糖値や随時血糖値が低くても、この数値が高ければ過去1〜2ヶ月の間、高血糖状態だったと推測できるのです。この値が6.5%以上であれば、糖尿病型と診断されます。

グリコアルブミン(GA)

同じく診断の際に参考にされているのがグリコアルブミン(以下GA)も血糖値の影響を受けにくい成分です。この成分は、血液中のブドウ糖と、アルブミンという成分が結合してできたものです。GAとの割合をパーセントで表したものが、この値になります。

この成分も高血糖状態だとその値が増えます。しかも血糖値が下がったとしても、GAの数値はすぐには下がらないため、この数値が高いと過去に高血糖状態だったということがわかるのです。こういった性質は基本的にHbA1cと同じですが、違うのは血糖コントロールを参考にできる期間の長さです。

GAを参考にできる期間は2週間程度となっています。期間は短くなっていますがその分、薬を変更したときなどに、効果が出ているかすぐにわかるという利点があります。また、食後に高血糖になったときも結果として出てきます。

健康な人の数値は11〜18%ですが、妊娠中や血液透析中の人は値が変動しやすくなっており、その影響で高い値が出ることがあります。献血でも検査をしてもらえますので、気になる場合は定期的に献血を受けるとよいでしょう。

1,5-AG(イチゴ・アンヒデロ・グルシトール)

この成分は、食べ物の中にあるブドウ糖によく似た成分です。通常、高血糖になると、血液中の糖が尿糖として排泄されますが、1,5-AGも同じように排泄されます。ですから、高血糖状態だと、この成分が減少しているということになり、診断のための材料になるのです。

この成分は、健康な人で14μg/mL以上あります。この数値を下回ると危険が出てきます。結果は採血前の状態に影響されないため、食事や運動などをしても問題ありません。結果に反映される血糖コントロール期間は、GAより短く数日間となっています。

採血で血糖値が正常だったとしても、これらの数値に異常があれば、過去数日間は高血糖が続いていたということを意味していることになります。このように、過去の血糖コントロール状態をさかのぼって調べられるため、診断の際に重要視されています。

抗GAD抗体

1型糖尿病には進行のスピードによって、急性発症1型・劇症1型・緩徐進行1型(SPIDDM)の3つに分類されます。このうち緩徐進行1型のタイプでは、発症初期であればインスリンの分泌はできています。そして時間をかけて分泌機能が失われてゆき、インスリンでの治療が必要になります。そのため、初期の段階では2型糖尿病と見分けがつきにくいのが特徴です。

本当は緩徐進行1型なのに2型と診断されてしまうと、治療方法も2型に合わせたものとなり、主にSU薬という飲み薬での治療を始めます。ですが1型患者に有効なのはインスリン治療であり、SU薬での治療は、早い段階でインスリンの機能を低下させることになってしまうのです。ですから、早期に緩徐進行1型か2型なのか、しっかりと見極める必要があります。

そこで役に立つのが、抗GAD抗体の検査です。抗GAD抗体が陽性であった人は高確率で緩徐進行1型の可能性がありますから、欠かせない検査になります。

ケトン体

ケトン体は血液を流れている成分で、ブドウ糖のように脂肪をエネルギーに変換する役割を担っています。誰でも持っているものですが、健康な人の血液にはそれほど多く含まれていません。

糖尿病、あるいは予備群の人など、インスリンの作用が弱まっている場合は、ブドウ糖をエネルギーに変換することができません。その分、脂肪をエネルギーに変える役割をするケトン体が増えます。このことから、高血糖状態になっている人は、血中に多くケトン体があると判断されます。

ケトン体の検査は、主に急性合併症を発見する目的で行われます。血液中にあるケトン体が多くなることをケトーシスといいます。そして、もともと酸性であるケトン体が原因で血液が酸性になることをケトアシドーシスといいます。ケトアシドーシスは軽度なものだと腹痛・頭痛・嘔吐などの症状がでますが、悪化すると脱水症状・昏睡・意識障害などの深刻な状態にもなります。

こういった事態を防ぐために、ケトン体の検査が行われているのです。ケトン体を正確に測定するためには血液検査が適していますが、尿にもケトン体が出ますので、尿検査でもある程度のことはわかります。糖尿病によるケトアシドーシスは、若年に多くみられますので、若いから大丈夫と思わずに定期的に受診することが大切です。

妊娠糖尿病の血液検査

妊娠糖尿病とは、妊娠してから糖の代謝に異常がみられることをいいます。妊娠前から糖尿病になっている人や、完全な糖尿病の症状が見られる人は、妊娠していても妊娠糖尿病とはいいません。発症してしまうと、母親だけでなく胎児にも影響が出る可能性があります。高血糖状態だと、胎盤を通じて胎児にも必要以上に糖が送られてしまうからです。

妊娠糖尿病の検査は、随時血糖値の測定か75g経口ブドウ糖負荷試験で行われます。妊娠糖尿病の場合は、妊娠していない人と比べて基準値や診断方法が違います。具体的には、以下の項目に1つでも該当すれば妊娠糖尿病と診断されます。

  • 空腹時血糖値が92mg/dL以上である
  • 75g経口ブドウ糖負荷試験の1時間値が180mg/dL以上である
  • 75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間値が153mg/dL以上である

妊娠初期の頃は随時血糖を測定し、中期では75g経口ブドウ糖負荷試験も行われます。妊娠期間が長くなるにつれてインスリン抵抗性は高くなるため、初期に異常がなかったとしても、中期に再度受ける必要があります。

妊娠糖尿病は一時的なもので、出産後には元に戻ることがほとんどですが、そのまま進行して糖尿病になってしまう人もいますので、注意が必要です。

妊娠糖尿病の血液検査に引っかからないために

そもそも妊娠すると血糖値は上がりやすくなりますが、妊娠糖尿病になりやすい人は、以下のような特徴があります。

  • 家族に糖尿病になった人がいる
  • 肥満体である
  • 妊娠後の大幅な体重増加
  • 35歳以上の高齢妊娠である
  • 巨大児の出産歴

もし妊娠糖尿病になってしまった場合、その治療は運動療法と食事療法を中心に行われます。あまり改善が見られない場合は、胎児に悪影響のないインスリンを使うこともあります。基本的には、食事療法を行いながら、医師と相談して運動を行っていけば改善されていきます。そして、これは治療時だけに有効な方法ではなく、予防法としても有効です。

妊娠してからもこのような管理は大事ですが、妊娠前から気を使っておくことで、リスクを大幅に減らすことができます。

まとめー血液検査は糖尿病の発見のために大切

糖尿病の血液検査についてご紹介してきましたが、専門的な言葉も多かったのでわかりづらかったかもしれません。簡単にまとめてみましょう。

  • 糖尿病の血液検査には随時血糖値・空腹時血糖値・75g経口ブドウ糖負荷試験の3つがある
  • 採血の前は飲食をしてもいい場合もある
  • 糖尿病には予備群として「境界型」「糖尿病型」がある
  • 糖尿病と診断されるには決まった条件がある
  • 検査項目はHbA1c・GA・1,5-AGなどの種類がある
  • 妊娠糖尿病は、食事や運動などで治療・改善できることがほとんどである。

血液検査は、糖尿病を診断するためにとても重要なものです。気になる症状や体調不調を感じたら、すぐに病院を受診しましょう。もっとも良いのは、不調でなくとも定期的に健診を受けることです。そうすることで、比較的軽度な時点で発見することも可能になるのです。しっかり自己管理して、健康的な生活を送りましょう。

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